米国のREIT指数のバリエーションを計る指標一覧です。株と見方が少し違いますので、以下の解説をまず読んでください
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当ページでは、米国のREIT指数(S&P米国REIT指数)の分配金利回り・PER・PBR・PSR・PCFRといったバリュエーションを計る指標を掲載し、以下にその見方の解説を載せています。それぞれ株のバリュエーションを見る際と似た見方になりますが、
米国のREITは、外部環境に直接的に影響を受けにくい資産クラスであるという点を考慮しなければなりません。つまり、米国の不動産市場の先行きのファンダメンタルズや需給環境を勘案してパフォーマンスを見る必要があります。不動産への需給が有利であれば、収益や分配の成長が見込めますし、不利であれば成長は見込めませんので、バリュエーションの適正水準は変わってきます。
また、以下にS&P米国REIT指数の構成銘柄やセクター比率を掲載しておきますが、米国のREITは、商業施設やオフィス、産業など伝統的なセクターから、新しいタイプのセルタワーやデータセンターなどに特化したREIT(セルタワーとは、移動体通信ネットワーク用の電波中継棟です)が指数の割合を占めるようになってきており、REITの環境の変化も大きくなっている、あるいは大きくなっていく点も今後の需給動向を考える上で大切です。
また、上記のように米国のREITは特徴的な資産クラスですので、多くの投資家にとっては分散投資の投資先として広く利用されています。そのため、市場で不確実性が高まる局面など、市況に変化があった場合に米国のREITが分散投資の投資先として分散効果が期待できるかによってもバリュエーションの適正水準が変わる点も考慮しておく必要があります。
また、米国のREITは金利の動向に影響を受けやすいので、FRBの金融政策も注視して判断する必要があります。
REITの上昇要因・下落要因や不動産と金利の関係は、以下のページでまとめていますので参照してください。
REIT(読み方:リート)とは、不動産投資信託と呼ばれる、投資家から調達した資金で複数の不動産に投資し、賃貸収入や売買益を投資家に配分する仕組みの投資信託です。REITは取引所に上場されていて、市場で売買することができます。
REITは、分配金が魅力の金融商品です。分配金とは、投資信託の分配原資から投資家に支払われる金額です。分配原資とは、その投資から得た収益(インカムゲインやキャピタルゲイン)のことで、この分配原資から分配金が支払われます。分配金は株でいう配当金です。賃貸収入が増えたり、不動産売却益が増えれば増えますし、賃貸収入が減ったり、不動産売却益が減れば減ります。その分配金の利回りが「分配金利回り(単位:%)」です。分配金利回りは、年間分配金が現在の投資口価格の何%に相当するかを示します
分配金利回りは、その時の債券の金利水準や株の配当利回りなどと見比べることが大切で、それらよりREITの分配金利回りの方が良ければREITへの投資に魅力を感じる投資家が増えやすくもなります。債券の金利は不動産の金利とも連動しますので、金利が下がると不動産が買われやすくなり、REITの上昇要因となります。逆に、金利が上がればREITの下落要因となります。各金利の動向や株の配当利回りなどは、当サイトの各ページでチェックできますので、ご活用ください。
株式投資を行う際、その株式の株価が割安なのか割高なのかを判断する代表的なバリュエーションを計る株価指標として「PER(株価収益率)」があります。PERは、株価をEPS(1株当たり利益)で割って計算されまる収益力を計る指標です。REITのPERも株のPERと見方は同じで、REITのPERも収益力を示していますので、その数値が低いほど割安、高ければ割高と判断されます。当ページでは、「実績PER」と「予想PER」を掲載していますが、実績PERは「前期」の実績PERを掲載しています。単位は「倍」。
PER同様に、株価が割安なのか割高なのかを判断する代表的なバリュエーションを計る株価指標として「PBR(株価純資産倍率)」があります。PBRは、株価をBPS(1株当たり純資産)で割って計算される、現在の株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す株価指標です。PBRは、数値が低いほど割安であることを示し、株価がその会社の解散価値と比べてどの程度高いのか低いのかを示しています。一般的にPBRが1倍を下回っている場合は、解散価値に比べて割安とと判断されます。
REITのPBRも株のPBRと意味は同じですが、計算方法は異なります。REITのPBRの場合はNAVを使用してPBRを算出します。計算式は「REITのPBR=投資口価格÷1口当たりNAV」で算出されます。単位は「倍」。
バリュエーションを計る株価指標として「PSR(株価売上高倍率)」もあります。PSRは、株価を1株当たり売上高で割って算出される株価の相対評価をするための指標です。単位は「倍」。REITのPSRもこれと同様に、投資口価格を1口当たり売上高で割って算出されます。数値が高ければ割高、低ければ割安と判断されます。
バリュエーションを計る株価指標として「PCFR(株価キャッシュフローレシオ)」もあります。PCFRは、株価を1株当たりキャッシュフロー(CFPS)で割って算出される、減価償却費を考慮して株価収益率を求める指標です。単位は「倍」。
REITの場合は、キャッシュフローが非常に重要視されます。不動産投資は、減価償却込みで考える必要があるからです。会計上の利益いとキャッシュフローは異なりますし、REITの分配金の原資となるのは賃貸収入からえられたキャッシュフローであるため、REITのPCFRは重要視され、注目度は非常に高いです。これも数値が高ければ割高、低ければ割安と判断されます。
当ページでは「S&P米国REIT指数(S&P United States REIT Index:USD)」の推移を掲載しています。
S&P米国REIT指数とは、S&Pダウジョーンズインディシーズ(S&P Dow Jones Indices)が、1989年6月から算出・公表している、米国(アメリカ)のREIT(不動産投資信託)のパフォーマンスを測定するために算出している時価総額加重型の指数です。米国のREIT動向を示す代表的な指数で、当指数は定期的に開催される会合によって構成銘柄の選択、配当の取り扱い、ウェイトなどが管理・変更されます。
銘柄 | セクター |
ProLogis Inc | Industrial REITs |
Equinix Inc | Specialized REITs |
Digital Realty Trust | Specialized REITs |
Public Storage | Specialized REITs |
AvalonBay Communities Inc | Residential REITs |
Equity Residential | Residential REITs |
Welltower Inc | Health Care REITs |
Simon Property Group A | Retail REITs |
Alexandria Real Estate Eqty | Office REITs |
Realty Income Corp | Retail REITs |
セクター | 比率 |
Specialized REITs | 24.6% |
Residential REITs | 19.3% |
Industrial REITs | 14.4% |
Office REITs | 11.9% |
Retail REITs | 11.6% |
Health Care REITs | 10.8% |
Diversified REITs | 4.2% |
Hotel & Resort REITs | 3.2% |
年月日 | 実績PER | 予想PER | PBR | 分配金利回り | PSR | PCFR |
2020.12.31 | 61.42 | 73.89 | 2.24 | 3.54 | 8.11 | 16.32 |
2020.11.30 | 59.71 | 70.66 | 2.18 | 3.63 | 7.85 | 15.78 |
2020.10.31 | 44.80 | 65.03 | 1.97 | 3.94 | 7.09 | 14.28 |
2020.09.30 | 46.28 | 67.13 | 2.03 | 4.03 | 7.29 | 14.69 |
2020.08.31 | 49.59 | 67.48 | 2.09 | 3.90 | 7.40 | 15.06 |
2020.07.31 | 35.15 | 66.22 | 2.08 | 4.02 | 7.36 | 14.98 |
2020.06.30 | 33.66 | 60.26 | 2.00 | 4.30 | 7.08 | 14.40 |
2020.05.29 | 32.42 | 56.83 | 1.93 | 4.57 | 6.83 | 13.90 |
2020.04.30 | 30.50 | 48.54 | 1.92 | 4.86 | 6.81 | 13.85 |
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