
米国(アメリカ)のS&P500のプットコールレシオの最新データを速報で掲載しています。プットコールレシオは、市場関係者が先行き強気か弱気かが反映される指標です。
当ページでは、S&P500の取引高ベースと建玉ベースの両方のプットコールレシオを掲載しており、S&P500のコールオプションとプットオプションの取引高と建玉、そしてその合計の推移も掲載しています。これらを一緒に見ることでオプション市場の動向・センチメントがより分析しやすくなります。見方の解説も記載していますので、ページ下部の解説欄も参照して下さい。

AIによる米国(S&P500)のプットコールレシオの重要度評価
S&P500のプットコールレシオは米国株式市場全体のセンチメントを反映し、グローバル市場にも影響を与える。個別銘柄よりも市場全体の動きを分析するための普遍的な指標。特に、ボラティリティが高まる局面では、この指標が市場参加者の警戒感を如実に反映し逆張り指標として広く使われる。極端な値を示す場合は市場の反転や調整局面を示唆する可能性がある。VIX(恐怖指数)やスキュー指数など、他のリスク指標と組み合わせることで、より深い市場分析が可能となる。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(米国S&P500のプットコールレシオ|取引高ベース)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Put Call Ratio(SPX+SPXW),S&P500-Daily]
- 米国(アメリカ)のS&P500オプションの取引高ベースのプットコールレシオの推移です。取引高は「出来高」「取引量」「契約数」と同意です。当ページでは”取引高”と表記しています。取引高ベースのわかりやすい解説は、当ページ下部の解説欄を参照して下さい。
- S&P500の取引高ベースのプットコールレシオ=S&P500のプットとコールの出来高比率
チャート(米国S&P500のプットコールレシオ|建玉ベース)
日本のプットコールレシオはこちら
日本(日経225オプションとTOPIXオプション)のプットコールレシオの推移は、以下のページで掲載しています。
VIX指数のプットコールレシオはこちら
恐怖指数「VIX指数」のプットコールレシオの推移は、以下のページで掲載しています。
スキュー指数とプットコールレシオを見よう!
プットコールレシオは、プットコールレシオと似た指標であるスキュー指数と一緒に見ると投資家のリスク回避行動がわかりやすくなります。その解説も含めて以下のスキュー指数のページに、プットコールレシオとスキュー指数の比較チャートを掲載しています。
[速報] 最新データ|プットコールレシオ(S&P500)の時系列(historical data)
日付 | プットコールレシオ (取引高ベース) | プットコールレシオ (建玉ベース) |
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米国のプットコールレシオの解説
プットコールレシオとは?
プットコールレシオ(英語:Put Call Ratio)とは、オプション取引におけるプットオプション(売る権利)とコールオプション(買う権利)の比率です。プットオプションとコールオプションどちらが多いのかを示す指標です。プットコールレシオの計算式は以下の通りです。
プットコールレシオの計算式
プットコールレシオで何がわかる?上昇と低下の見方
プットコ―ルレシオは、プットオプションが増えれば上昇し、コールオプションが増えれば低下する指標です。
プットオプションは「売る権利」ですので、相場が下がれば利益が得られます。ゆえに、相場に弱気な投資家が増えればプットオプションが増えて、プットコールレシオは上昇します。
一方、コールオプションは「買う権利」ですので、相場が上がれば利益を得られます。ゆえに、相場に強気な投資家が増えればコールオプションが増えてプットコールレシオは低下します。
あるいは、これ以上は上がらないと予想する投資家が増えればプットコールレシオは低下しやすくなり、これ以上は下がらないと予想する投資家が増えればプットコールレシオは上昇しやすくなりますので、プットコールレシオは相場の転換点を見る指標としても使われます。
S&P500のプットコールレシオは何を示している?危険水準はどれくらい?
当ページで掲載しているプットコールレシオ(S&P500)は、米国(アメリカ)のCBOE(シカゴ・オプション取引所)のS&P500オプションのプットオプションとコールオプションの比率を掲載しています。数値が高ければ市場が先行き下落を意識している(恐怖を抱いている)ことを示し、数値が低ければ市場が先行き上昇を意識している(強気である)ことを示します。
S&P500は、米国株の動向を示す代表的な株価指数です。米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている株価指数であるため、米国株式市場全体の動向を見る際に利用されます。ゆえに、S&P500のプットコールレシオは特に注目度が高いです。
S&P500のプットコールレシオ(取引高ベース)は、2015年のチャイナショック(中国株の大暴落。中国株のバブルが引き金となった株価の大暴落)や、ギリシャショック(ギリシャ債務危機。財政赤字の粉飾が発覚したことによる債務不履行(デフォルト)不安から生じた金融市場の動揺)の時には3-4%をつけました。
取引高ベースと建玉ベースのプットコールレシオは一緒に見よう!
当ページでは”取引高ベース”と”建玉ベース”のプットコールレシオを掲載しています。この2つのプットコールレシオを同時に見ることでオプション市場の動きが分析しやすくなりますので、それぞれについて解説します。
取引高ベースとは?何を示している?変動要因は?
取引高(読み方:とりひきだか)とは、その日に取引されたオプションの契約数です。「出来高」や「取引量」「契約数」と同じ意味ですが、当ページでは”取引高”と表記しています(オプション市場で一般的に「取引高」と呼ばれています)。取引高は、売買が成立すれば増加します。取引高は”1日の取引量”ですので、取引高を見れば短期的な取引の活発さを測ることができます。当ページでは、S&P500のコールオプションとプットオプションの取引高、コールオプション+プットオプションの合計取引高、S&P500のコールオプションとプットオプションの取引高から算出されるプットコールレシオを”取引高ベース”として、その推移を掲載しています。
建玉ベースとは?何を示している?変動要因は?
建玉ベース(読み方:たてぎょくべーす)とは、未決済のポジション(建玉)、つまりまだ決済されていない契約数のデータです。実際に市場に残っているポジションの累積数で、これを見ることで市場の資金の流出入や、強気・弱気の傾向を分析できます。「未決済建玉」と表記されることもありますが、これは建玉が市場に残っているかを示し、新規建玉で増加し、決済されれば減少します。
建玉が増加してれば、新規の買いや売りが増えていることを表し、市場のトレンドが強まりやすい傾向があります。一方、建玉が減少している場合、決済が進んで市場の勢い(モメンタム)が弱まる可能性があります。
建玉はオプション市場のセンチメントを表しますので、例えばプットオプションの建玉が増加していれば、市場のリスク回避姿勢が強まり、弱気の兆候となります。一方、コールオプションの建玉が増加していれば、強気な市場参加者が増えている可能性があります。
また、建玉ベースでのオプションの動きを見ると、清算日(SQ日)に向けたヘッジや仕掛けの傾向がわかります。当ページの建玉ベースのチャートをご覧いただければ、その傾向がよく出ているのがわかると思います。
米国のSQ日の日程はこちら
米国のSQ日の日程(カレンダー)は、以下のページで掲載しています。
取引高ベースと建玉ベースの具体的な見方
取引高ベースと建玉ベースの具体的な見方について説明します。ここでは、プットオプションを例にします。
取引高ベースのプットオプションだけが増えたら?
1日で取引高ベースのプットオプションが増加したものの、建玉ベースのプットオプションが変わっていない場合、
- 短期的な取引が増えたが、新規ポジションが増えているわけではない
- 既存のプット買い(ロング)の決済かもしれないし、新規の売買かもしれない
- 相場の方向性は判断しづらい
建玉ベースのプットオプションだけが増えたら?
取引高ベースのプットオプションが変わらないものの、建玉ベースのプットオプションが増加した場合、
- 新規の建玉が積み上がっている
- 相場の流れが継続しやすい
取引高ベースと建玉ベースのプットオプションの両方が増えたら?
1日で取引高ベースのプットオプションが増加し、建玉ベースのプットオプションも増加した場合、
- 新規のプット取引が市場に積み上がっている
- プット買いが増えれば「市場は弱気」
- プット売りが増えれば「市場は強気」
プットオプションとプットコールレシオの見方
プットオプションは、プットコールレシオを一緒に見ることで、より市場のセンチメントを把握しやすくなりますので、具体的な見方を記載します。
取引高ベースのプットオプションが増加し、取引高ベースのプットコールレシオが上昇していれば、市場は短期的にリスク回避に動いている可能性があります。さらに、建玉ベースのプットオプションも増加していれば、市場全体で弱気ポジションが積み上がっている可能性があります。一方、取引高ベースのプットオプションが増加しているものの建玉ベースのプットオプションが減少している場合、既存のプットポジションが決済されており、市場が安定している可能性があります。
- 当ページは、米国(アメリカ)の株価指数「S&P500」のプットコールレシオの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「プットコールレシオとは」 - Source:CBOE(Chicago Board Options Exchange)
- 単位:%
- S&P500(SPX/Standard & Poor’s 500 Stock Index) Put Call Ratio historical data&chart