[お知らせ] 「コンテナ運賃指数」リニューアル!世界4大コンテナ運賃指数をチャートで比較!相対チャートも追加し、物流需給や海運市況の変化がよりわかりやすく分析できるようになりました
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原油価格(NY原油・WTI原油)と円建て原油価格

原油価格の世界的な指標であるNY原油(WTI原油先物)の最新データを速報で掲載しています。S&P500や原油版のVIX指数(恐怖指数)である「OVX」、ドルインデックス、円建てのNY原油(WTI原油)、原油のシーズナルチャート(季節性サイクルのチャート)と月間騰落率も掲載しています。
原油はコモディティの代表格、コモディティ市場で最も規模が大きい商品です。米国(アメリカ)の景気を示す指標としても使われます。当ページでは、ISM製造業景況指数、グローバル製造業PMIとの比較チャートも掲載しています。世界景気後退による原油価格の下落に伴って株価が連れ安する局面は、株価が最も下落しやすい局面ですので注意して下さい。

炭鉱のカナリアくん
炭鉱のカナリアくん

原油は炭鉱のカナリアの指標として見られることも多いよ!

最新データと現状評価

2026年10月9日のNY原油(WTI原油)は91.85ドル/バレルで、前日から0.39%上昇しました。過去最高値は2008年7月4日の145.39ドル/バレル、過去最低値は2020年4月20日の-37.63ドル/バレルです。現在値は過去最高値を36.83%下回る水準です。

20日移動平均線を下回る一方、50日・200日移動平均線を上回っています。短期的には調整局面にあるものの、中長期では上昇基調を維持しています。

長期平均は46.36ドル/バレルで、現在値は過去の平均から+1.53標準偏差(σ)の水準にあり、過去の価格分布と比較して高い水準です。期間別騰落率は、直近1カ月が-10.37%、3カ月が+17.55%、1年が+46.84%です。

円建てNY原油(円建てWTI原油)は14,527.91円/バレルで、期間別騰落率は、直近1カ月が-7.78%、1年が+52.49%です。1年間では、NY原油(WTI原油)が+46.84%、円建てNY原油(円建てWTI原油)が+52.49%となっています。

原油価格(ny原油・wti原油先物)

AIによるNY原油(WTI原油先物)の重要度評価

4.5

WTI原油は、原油市場の主要ベンチマークであり、エネルギーコストやインフレ率、国際収支に直接的な影響を与える。特に、米国や中東の生産動向、需要と供給のバランスがWTI価格に反映されるため、エネルギー政策や投資戦略の重要な指標となる。原油価格の変動は輸送コストや製造業のコストを左右し、消費者物価指数(CPI)を通じてインフレ率に影響を及ぼす。これにより、各国中央銀行の金融政策にも関わる。原油価格は、中東やロシアなどの産油国における地政学リスクに敏感であり、世界経済全体の不確実性を測る指標ともなる。原油価格の変動は、株式市場や為替市場(特に石油輸出国の通貨)とも連動しており、マクロ経済分析においても重要。一方、WTI原油は特定の地域市場(米国)を反映しており、ブレント原油や他の指標と比較してグローバルな観点では部分的。
日本は原油のほぼ全量を輸入に依存しており、円建て原油価格は国内のガソリン価格やエネルギー政策に直結する。日本経済の輸入物価指数や企業の収益構造にも影響を与える。円建て原油価格は、WTI原油価格とドル円相場の掛け合わせで決定されるため、円安や円高の影響が強く現れる。円建て原油価格は、日本国内のインフレ動向に直接的な影響を及ぼし、消費者の購買力や企業のコスト構造に波及する。

AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。

  1. 最新データと現状評価
  2. AIによるNY原油(WTI原油先物)の重要度評価
  3. チャート(原油価格)
    1. NY原油(WTI原油)のチャート
    2. NY原油(WTI原油)の移動平均乖離率のチャート
  4. チャート(原油価格と景況感)
    1. 原油価格とISM製造業景況指数・グローバル製造業PMIのチャート
  5. チャート(円建て原油価格)
  6. チャート(原油のシーズナルチャートと月間騰落率)
  7. 関連指標
    1. 原油先物のSQ日と原油先物の投機筋ポジション・実需筋ポジション
    2. 原油価格の見通し(EIA公表の最新の予測値のデータ)
    3. 米国のガソリン価格
  8. [速報] 原油価格の時系列(historical data)
  9. 原油とは?その意味と生産国・OPECについて
    1. NY原油とは?
    2. WTI原油先物とは?
  10. NY原油(WTI原油先物)の取引参加者
  11. 原油価格の変動要因って何があるの?
    1. 原油価格の上昇要因・原油高が及ぼす影響は?
    2. 原油価格の下落要因・原油安が及ぼす影響は?
  12. WTI原油・ドバイ原油・ブレント原油の違い
  13. 原油は炭鉱のカナリア?
  14. 原油価格の水準と目安(レンジや平均値など)
  15. 原油のシーズナルサイクル(季節性サイクル)
    1. シーズナルサイクルとは?
    2. 原油の季節性(季節変動)は?米国のドライブシーズンに向けて上昇しやすい!?
  16. ホルムズ海峡と原油価格
    1. ホルムズ海峡が封鎖されるとどうなる?
  17. OVXとは?
    1. OVXは原油版のVIX指数(恐怖指数)
    2. OVXの上昇と低下は何を示している?その見方
  18. グローバル製造業PMIと原油価格の連動性に注目!景況感の影響を受けやすい原油
  19. 原油在庫と原油価格は逆相関しやすい
  20. 世界景気後退と原油価格下落で、株価が連れ安すると危ない?

チャート(原油価格)

NY原油(WTI原油)のチャート

NY原油(WTI原油)の推移を示したチャートです。当チャートでは、NY原油の価格推移に加えて、移動平均線と標準偏差を確認できます。移動平均線は原油価格の短期・中期・長期のトレンドを把握するために使用し、価格が移動平均線を上回っているか下回っているか、移動平均線自体が上向きか下向きかを見ることで、相場の方向性を確認できます。標準偏差では、現在の原油価格が長期平均からどの程度離れた水準にあるのかを確認できます。また、S&P500、ドルインデックス、OVX(原油の恐怖指数)との比較チャートも掲載しています。S&P500との比較では、株式市場が織り込む景気やリスク選好と原油価格の動きを比較できます。ドルインデックスとの比較では、ドル建てで取引される原油と米ドルの関係を確認できます。OVXは原油市場の予想変動率を示す指標で、原油版の「恐怖指数」と呼ばれることがあります。OVXの上昇は、市場が将来の原油価格について大きな変動を予想していることを示します。原油価格とOVXを比較することで、価格の方向だけでなく、原油市場の不確実性や警戒感の変化も確認できます。

最新データ日:2026年10月9日

Chart [NYMEX WTI]

  • チャート上部のタブ(ボタン)や凡例、チャート下部の期間ボタンをクリックするとチャートが切り替わります。
  • チャートの背景の灰色の囲みの期間は米国の景気後退期です。
  • 移動平均線は「単純移動平均線」を掲載しています。
  • 平均値と標準偏差は、NY原油(WTI原油)の過去から現在までの全データから算出しています。
  • ドルインデックス(ドル指数)の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
ドルインデックス(ドル指数)
ドルインデックス(ドル指数)のチャートと時系列です(最新データ速報)。移動平均線や標準偏差、長期金利、実質金利、景気後退期、ドル円、ユーロドルとの比較チャートや長期と短期のチャートも掲載。見方もわかりやすく解説。

NY原油(WTI原油)の移動平均乖離率のチャート

NY原油(WTI原油)の移動平均乖離率の推移を示したチャートです。現在のNY原油(WTI原油)の価格が移動平均線から何%離れているかを示す指標です。乖離率がプラスの場合は原油価格が移動平均線を上回り、マイナスの場合は移動平均線を下回っていることを示します。当チャートでは、5日・10日・20日・50日・100日・200日の移動平均乖離率を掲載しています。5日・10日・20日乖離率は比較的短期の価格変動を捉えやすく、50日・100日・200日乖離率は中長期のトレンドに対して現在の原油価格がどの位置にあるかを確認する際に役立ちます。乖離率が大きくプラスになれば、原油価格が移動平均線から上方に大きく離れていることを示し、大きくマイナスになれば下方に大きく離れていることを示します。複数期間の乖離率を比較することで、短期的な値動きだけなのか、中長期のトレンドを伴った動きなのかも確認しやすくなります。

最新データ日:2026年10月9日

チャート(原油価格と景況感)

原油価格とISM製造業景況指数・グローバル製造業PMIのチャート

NY原油(WTI原油)とISM製造業景況指数、グローバル製造業PMIの推移を示したチャートです。原油は幅広い経済活動で使用されるため、原油価格は世界経済の動向と密接な関係があります。当チャートでは、原油価格と米国・世界の製造業景況感の関係を確認できます。ISM製造業景況指数は、米国の製造業の景況感を示す代表的な指標です。一般に50を上回ると製造業活動の拡大、50を下回ると縮小を示します。米国の製造業活動が改善すればエネルギー需要の増加が意識されやすく、悪化すれば需要減少が意識される場合があります。グローバル製造業PMIは、世界の製造業活動の方向性を把握するための指標です。原油需要は米国だけでなく、中国、欧州、新興国など世界全体の経済活動に左右されるため、世界の製造業景況感とWTI原油価格を比較することで、原油価格の動きが世界的な景気動向と一致しているかを確認できます。ただし、原油価格は需要だけで決まるものではないため、原油需要を考えるための景気指標として見ることが重要です。

最新データ日:2026年8月31日
  • 月次データ
  • ISM製造業景況指数とグローバル製造業PMIの解説と推移は、以下のページで掲載しています。

チャート(円建て原油価格)

円建てNY原油(円建てWTI原油)の推移を示したチャートです。ドル建てのNY原油(WTI原油)価格を円換算した原油価格です。円建て原油価格には、WTI原油そのものの値動きに加えて為替相場の影響が反映されます。WTI原油が上昇すると同時に円安・ドル高が進めば、円建て原油価格の上昇が大きくなりやすくなります。反対にWTI原油が上昇していても円高・ドル安が進めば、円建てでは価格上昇が抑えられる場合があります。チャートでは円建てNY原油の移動平均線も掲載しており、短期から長期までの価格トレンドを確認できます。また、ドル建てのNY原油(WTI原油)との比較によって、原油そのものの価格変動と為替変動が円建て価格にどのような違いをもたらしているかを確認できます。

最新データ日:2026年10月9日

Chart [NYMEX WTI(yen-based)]

  • 円建てNY原油(円建てWTI原油)は、ドル円の仲値から算出している概算値です。
  • 単位:円/バレル
  • 円建てNY原油はWTI原油先物を円換算した指標であり、日本国内の原油輸入価格やガソリン・灯油などの小売価格を示すものではありません。国内のエネルギー価格には、輸送費、精製費、税金、需給などの要因も影響します。

チャート(原油のシーズナルチャートと月間騰落率)

原油のシーズナルチャート(季節性サイクル)と月間騰落率のグラフです。シーズナルチャートは、NY原油(WTI原油)が1年の中でどのような値動きをしやすかったかを示したチャートです。月間騰落率とあわせて見ることで、原油価格の季節的な傾向を確認できます。原油需要には季節性があります。米国では夏場のドライブシーズンにガソリン需要が増加しやすいほか、冬場には暖房需要がエネルギー市場に影響します。また、製油所の定期修繕、ハリケーンなどの気象要因も原油や石油製品の需給に影響することがあります。月間騰落率では、各月にWTI原油価格がどの程度上昇・下落したかを確認できます。長期間のデータを比較することで、特定の月に上昇または下落しやすい傾向があるのか、その傾向が近年も続いているのかを確認する際に役立ちます。

最新データ日:2026年10月9日

Chart [Seasonal cycle:NYMEX WTI]

  • シーズナルチャートは、原油価格の1946年から現在までのデータから算出した平均的な値動きで、原油価格の季節性サイクル(シーズナルパターン)のチャートです。つまり、1年の平均的な値動きのパターンを表したチャートです。
  • シーズナルチャートは、前年末の最終営業日の原油価格を指数値100として算出。
  • 月間騰落率は「各月に平均的にどれだけ上昇したか or 下落したか」を表しています。
  • シーズナルチャートと月間騰落率の見方などの詳しい解説は、以下のリンク先のページに掲載しています。
シーズナルチャート(季節性サイクル)と月間騰落率・日経平均株価/日本
日本の日経平均株価のシーズナルチャート(シーズナリーチャート・季節性サイクル)と月間騰落率の推移です(最新データ)。高度成長期、バブル期・崩壊後、超低金利・金融緩和といった「時代ごと」の シーズナルチャート及び騰落率を掲載。

関連指標

原油先物のSQ日と原油先物の投機筋ポジション・実需筋ポジション

原油先物のSQ日の日程と、原油先物の投機筋・実需筋のポジション(建玉)の推移は、以下のページで掲載しています(わかりやすい解説付き)。

原油価格の見通し(EIA公表の最新の予測値のデータ)

原油価格の見通し(EIA公表の最新の予測値のデータ)
EIA(米国エネルギー情報局)公表のNY原油(WTI原油)の今後の見通し(予測値)をチャートで掲載しています(最新データ速報)。公式な政府機関の予測であり、世界のアナリスト・機関投資家も参照する信頼性の高いデータです。

米国のガソリン価格

米国のガソリン価格(全米のガソリン小売価格)の推移は、以下のページで掲載しています(解説付き)。

ガソリン小売価格・在庫量・生産量(米国)
EIA公表の米国(アメリカ)の全米ガソリン小売価格(レギュラー)とガソリン在庫量と生産量のチャートと時系列です(最新データ速報)。季節性サイクルのシーズナリーチャートも掲載。車社会の米国では4ドルを超えると消費が落ち込み、景気の下押し要因のため注目度が高い。

[速報] 原油価格の時系列(historical data)

© 株式マーケットデータ
日付 NY原油
(WTI原油)
前日比 前日比% 円建てNY原油
(円建てWTI原油)
前日比 前日比%
2026年10月9日91.85+0.36+0.39%14,527.91+77.07+0.53%
2026年10月8日91.49+3.21+3.64%14,450.85+456.70+3.26%
2026年10月7日88.28-1.16-1.30%13,994.15-133.80-0.95%
2026年10月6日89.44+0.01+0.01%14,127.94+20.36+0.14%
2026年10月5日89.43-1.68-1.84%14,107.58-296.00-2.06%
2026年10月2日91.11-1.76-1.90%14,403.58-267.09-1.82%
2026年10月1日92.87+2.45+2.71%14,670.67+444.90+3.13%
2026年9月30日90.42+1.04+1.16%14,225.78+157.37+1.12%
2026年9月29日89.38-3.22-3.48%14,068.41-536.46-3.67%
2026年9月28日92.60+0.19+0.21%14,604.87-67.99-0.46%
2026年9月25日92.41-2.20-2.33%14,672.86-274.57-1.84%
2026年9月24日94.61+2.45+2.66%14,947.43+538.22+3.74%
2026年9月23日92.16-2.43-2.57%14,409.22-379.93-2.57%
2026年9月22日94.59-1.19-1.24%14,789.15-186.06-1.24%
2026年9月21日95.78-4.52-4.51%14,975.20-706.70-4.51%
2026年9月18日100.30-1.61-1.58%15,681.90-242.55-1.52%
2026年9月17日101.91-0.52-0.51%15,924.46+4.79+0.03%
2026年9月16日102.43-3.40-3.21%15,919.67-451.17-2.76%
2026年9月15日105.83+4.44+4.38%16,370.84+789.23+5.07%
2026年9月14日101.39+1.34+1.34%15,581.62+108.88+0.70%
2026年9月11日100.05-2.43-2.37%15,472.73-281.52-1.79%
2026年9月10日102.48+6.43+6.69%15,754.25+987.52+6.69%
2026年9月9日96.05+3.02+3.25%14,766.73+463.36+3.24%
2026年9月8日93.03+1.55+1.69%14,303.36+58.10+0.41%
2026年9月4日91.48+0.18+0.20%14,245.27+28.03+0.20%
2026年9月3日91.30+0.29+0.32%14,217.24-370.76-2.54%
2026年9月2日91.01+0.79+0.88%14,587.99+169.93+1.18%
2026年9月1日90.22+4.46+5.20%14,418.06+694.74+5.06%
2026年8月31日85.76+2.36+2.83%13,723.32+431.86+3.25%
2026年8月28日83.40-0.13-0.16%13,291.46-8.19-0.06%

原油価格の解説

原油とは?その意味と生産国・OPECについて

原油の掘削装置(掘削リグ)

原油(読み方:げんゆ)とは、油田から採掘されてまだ精製されていない石油です。原油を蒸留して製品化したものとして、プロパン、ナフサ、ガソリン、灯油、重油、アスファルトなど石油化学製品があります。このほかにも、プラスティックや繊維、紙など、原油が原材料や燃料になっているものがたくさんあります。原油は先進国では発電などのエネルギー源として多く利用されていますので、世界経済に与える影響は大きく、重要な国際商品となっています。金と並んで商品(コモディティー)の代表格で、世界のコモディティー市場の中で最も市場規模の大きな商品となっています。

原油の主な生産国(産油国という)は、サウジアラビア、米国(アメリカ)、ロシア、アラブ、イラン、イラク、クウェートなどです。世界の生産の割合が最も大きいのが、中東諸国で構成されているOPEC(石油輸出国機構)で、このOPECの原油の価格政策や生産動向が原油価格に大きな影響を与えます。

NY原油とは?

NY原油(ニューヨーク原油|英語:NYMEX WTI)とは、北米最大のデリバティブ取引所であるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループ傘下のNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)で取引されている「WTI原油先物」のことです。原油は原油を取引する現物市場と、先物を取引する先物市場があり、NY原油はドバイ原油・ブレント原油と並んで国際石油市場の指標原油となっていますので、原油価格の動向はNY原油(WTI原油先物)で確認するのが一般的です。

WTI原油先物とは?

WTI原油先物(読み方:だぶりゅーてぃーあいげんゆさきもの)とは、「WTI」の原油先物のことです。WTIとは、米国のテキサス州産とニューメキシコ州産の原油です。英語で「West Texas Intermediate(西テキサス地域の中質原油という意味)」といいます。WTIは生産量は少ないもののファンドの参加者が多く取引量も多いため、その先物価格は原油価格の世界的な指標となっています。また、WTIは世界最大のエネルギー消費国である米国で使われているため、米国の景気を示す指標としても注目度が高いです。WTI原油先物は「NYMEX WTI原油」とも呼ばれています。

NY原油(WTI原油先物)の取引参加者

原油の先物取引は主にヘッジが目的であったり、資産運用先の一つとしても利用されます。原油の先物市場は取引規模や透明性から注目が高く、その主な参加者は概ね以下のような割合になっています。

参加者割合
石油会社2割程度
金融機関2割程度
ファンド5割程度
個人投資家1割未満
原油先物の取引参加者と割合

原油価格の変動要因って何があるの?

原油価格は世界の原油の埋蔵量の2/3を占める中東諸国の情勢やOPEC、世界紛争、テロ、国際的な政治・経済の情勢、天候要因、投機筋の売買、為替動向など、世界経済のあらゆる要因によって変動します。原油価格は、それ自体が世界経済に大きな影響を及ぼす大型国際商品価格ですので、その変動要因もグローバルなものとなり、時に大きな価格変動を起こすこともあります。ゆえに、個々の要因だけで分析するのではなく多方面から見る必要があり、教科書通りの動きとはならず逆の値動きをすることもありますが、基本的な上昇要因・下落要因と原油高・原油安が及ぼす影響について以下に記載します。

原油価格の上昇要因・原油高が及ぼす影響は?

原油価格の上昇要因と原油高が及ぼす影響について、その代表的なものを紹介します(原油高とは、原油価格が上昇することです)。

  • 世界の原油の埋蔵量の2/3、生産量1/3は中東が占めていますので、中東諸国の情勢悪化は原油価格の上昇要因となります。
  • 原油の生産量は、OPECの総会で加盟国の生産量の上限が決められていますので、OPECの生産量の増減の決定は原油価格の変動要因となります。
  • 原油はドル建てで取引されていますので、ドル安は原油価格の上昇要因となります。
  • 世界紛争やテロ、国際的な政治や経済の情勢不安など地政学リスクの高まりは、原油価格の上昇要因となります。
  • 時に巨大ハリケーンなどで石油精製所がダメージを受けるなど、天候要因で供給に影響が出た場合も原油価格の変動要因となります。
  • 長い間、大規模な油田が発見されないなど、供給面の不安が出てきた際は、原油価格の上昇要因となります。
  • 原油高は、物価上昇要因となりますし、各国のGDPにも影響を与えます(一時的な原油高は省く)。日本の場合、水準によりますが、原油価格が1割上昇すればGDPが0.4%ダウンし、2兆円の損失になると試算されています。
  • 米国は車社会ですので、原油高による経済への影響は大きくなります。
  • 原油高は、エネルギー株やプラント株、石油元売り株などの上昇要因となる一方、化学株や物流株、海運株、電力株にとっては下落要因となります。

原油価格の下落要因・原油安が及ぼす影響は?

原油価格の下落要因と原油安が及ぼす影響について、その代表的なものを紹介します(原油安とは、原油価格が下落することです)。

  • 世界の原油の埋蔵量の2/3、生産量1/3は中東が占めていますので、中東諸国の生産が過剰となれば原油価格の下落要因となります。
  • 原油の生産量は、OPECの総会で加盟国の生産量の上限が決められていますので、OPECの生産量の増減の決定は原油価格の変動要因となります。
  • 原油はドル建てで取引されていますので、ドル高は原油価格の下落要因となります。
  • 大規模な油田が発見された場合などは原油価格の下落要因となります。
  • 日本は原油を輸入していますので、原油安はプラス材料となりやすいです。燃料コストが下がって気象収益のプラス要因となりやすいです。原油安による金融不安が起こればマイナス要因となることもありますが、それが一時的であれば企業収益にとってはプラス要因となりやすいです。
  • 原油安はエネルギー株やプラント株、商社株のマイナス要因となり、火力株、医療品株、電炉株、高炉株、科学株、物流株にとってはプラス要因となります。
  • NYダウはエネルギー関連株の寄与度が高いので、原油安はマイナス要因となります。

WTI原油・ドバイ原油・ブレント原油の違い

当ページでは、原油価格で最も注目度が高い「NY原油(WTIの原油先物)」の推移を掲載していますが、原油価格を見る場合「ドバイ原油」や「ブレント原油」を見ることもあります。ここではその違いについて簡単に解説しておきます。

原油は、その産地ごとに3つの市場に分かれています。

WTI原油は米国のNYMEX、ドバイ原油は東京商品取引所、ブレント原油はロンドンのICE Futures Europeで取引されています。この3市場でのそれぞれの原油の取引価格は異なりますが、WTI原油が最も高い価格になるのが通常です。というのも、WTI原油は不純物が少なく、商品価値が高いガソリンや軽油を多くつくれるためです。重油や灯油が多く採れるドバイ原油やブレント原油はWTI原油よりも安い価格がつきやすいです。ファンドの参加者も取引量もWTI原油が最も多いので、原油価格で最も重要な指標となっています。

原油は炭鉱のカナリア?

原油は金融市場の危険の前兆を示す「炭鉱のカナリア」として見られることも多いです。原油の需給は、基本的には経済活動によって左右されますので、原油価格が下落する状況では景気の先行きの見通しの悪化が反映されている可能性があります。

原油価格の水準と目安(レンジや平均値など)

当ページでは、NY原油(WTI原油)の過去最高値・過去最安値・標準偏差・平均値を算出し掲載しています。基本レンジは、チャートに表示している標準偏差±1σ・±2σを目安にご覧いただければと思います。NY原油の過去から現在までのすべてのデータから算出し、毎営業日更新していますので、信頼性・正確性・速報性でこれ以上ない目安です。

原油のシーズナルサイクル(季節性サイクル)

シーズナルサイクルとは?

シーズナルサイクルとは、アノマリー分析の一つで、過去の一定期間の値動きから時期ごとの値動きを分析したものです。「シーズナリーサイクル」「季節性サイクル」「シーズナリーパターン」とも呼ばれています。

原油の季節性(季節変動)は?米国のドライブシーズンに向けて上昇しやすい!?

原油のシーズナルサイクルは、1960年から60年の原油の季節変動から世界銀行が算出・公表していますが、原油(WTI原油)は1月から米国のドライブシーズンである9月上旬まで上昇しやすく、10月から12月に向けて下落しやすい傾向があります。当ページでは、チャートの欄に原油のシーズナルチャートを掲載していますが、その傾向がよく出ていると思います。当ページのシーズナルチャートは最新データを反映していますので、最新の原油のシーズナルチャートが確認できます。

ホルムズ海峡と原油価格

ホルムズ海峡の封鎖

イランとサウジアラビアの対立が浮上する際に市場関係者が意識しやすいのが、ホルムズ海峡です。ホルムズ海峡は原油輸送の大動脈で、このホルムズ海峡が封鎖されるのではないかとの懸念が出てきやすくなります。ただ、ホルムズ海峡が封鎖されることはまずないと考えられます。原油の輸送が止まると中東は外貨が稼げなくなるからです。

ホルムズ海峡が封鎖されるとどうなる?

まずないと考えられるホルムズ海峡の封鎖ですが、もし封鎖された場合、どのような影響があるのでしょうか?

ホルムズ海峡が封鎖された場合、およそ2割にあたる原油の供給が止まるとされています。2割が止まると供給が全く足りなくなります。このリスクはあまりに大き過ぎるので、封鎖はないにせよ、このホルムズ海峡の緊張が高まると原油価格は上がりやすくなります。

OVXとは?

OVXは原油版のVIX指数(恐怖指数)

OVX(読み方:おーぶいえっくす|英語:CBOE Crude Oil Volatility Index)とは、米国のUSO(原油に投資するETF)のオプション価格から算出される指数です。OVXは、米国最大の株式オプション取引所であるCBOE(シカゴ・オプション取引所)が算出・公表している指数で、USOはWTI原油(以下で解説します)のスポット価格に連動するように設計されているETFであるため、OVXは「原油版のVIX指数(恐怖指数)」と言われています。

VIX指数の推移と解説は、以下のページで掲載しています。

VIX指数(恐怖指数)とVIXカーブ(VIX曲線)
恐怖指数「VIX指数(ビックス指数)」のチャートと時系列です(最新データ速報)。VIXカーブ(VIX曲線・VIX指数の期間構造)やワンデーボラティリティー指数(1日VIX)9日・3カ月・6カ月・1年VIXやVIX指数のプットコールレシオ、VIX指数のシーズナルチャートと月間騰落率も掲載。株価・金利・ドル円との比較や見方、目安・メド、水準も掲載。

OVXの上昇と低下は何を示している?その見方

OVXは、WTI原油のオプション価格から計測される期間30日の予想ボラティリティの指数です。つまり、今後30日の原油価格の振れ幅を予想した指数で、OVXの数値が上昇すれば原油市場が不安定であることを示します。基本的には株式市場にとってはマイナス要因となりやすいです。一方、OVXの数値が低下すれば原油市場が安定的であることを示します。株式市場にとってはプラス要因となりやすいです。ただし、OVXはUSOと逆相関しないことも多いので注意が必要です。基本的には、原油市場の安定度を計る指標として見るのが一般的です。

グローバル製造業PMIと原油価格の連動性に注目!景況感の影響を受けやすい原油

原油価格は、グローバル製造業PMIの動きとリンクしやすい傾向があります。グローバル製造業PMIは、概ね原油価格に3カ月先行しやすいとされており、完全にリンクするというものではありませんが、原油価格は景況感(センチメント)の影響を受けやすい傾向があります。原油価格の上昇要因・下落要因は上記のように様々ですが、簡単に言えば”原油の需給で決まる”ので、グローバル製造業PMIはそれを先行して反映しやすく、景況感、つまり景気ですが、景気のトレンドと原油のトレンドは同じになりやすいです。グローバル製造業PMIが上昇基調であれば原油価格は上昇していくだろう、グローバル製造業PMIが低下基調であれば原油価格は下落していくだろう、と見るのが一般的です。ただしあくまでこれまでの傾向であり基調で、原油はそれだけで動くわけではないので逆相関する場合もあります。

当ページでは、原油価格とグローバル製造業PMIの比較チャートも掲載しています。また、原油価格はISM製造業景況指数とも似た動きをしやすいので、ISM製造業景況指数も一緒に見ておくのがいいです(原油価格とISM製造業景況指数の比較チャートも掲載しています)。

原油在庫と原油価格は逆相関しやすい

需給の面では、原油価格は原油在庫の増減と逆相関する傾向があります。原油在庫が増えれば原油価格は下がり、原油在庫が減れば原油価格は上がりやすい傾向が明確にあります。原油在庫の先行きの見通しEIAなどが発表していますので、今後の原油価格の上昇圧力・下落圧力を把握することができます。

世界景気後退と原油価格下落で、株価が連れ安すると危ない?

原油は世界景気の先行指標、原油価格の下落は世界景気悪化も示唆します。世界景気後退を示唆して原油価格が下落している際に、株価がそれに連れ安すると危ない傾向があります。

株が本当に危ないのは、原油価格がピークを打って景気後退前あるいは景気後退期に下落し、株価が連れ安する局面です。この局面が株価が一番下がる傾向にあります。

これまでの傾向では、景気後退前から景気後退期の局面でFRBが利上げや利下げをしても株価は下落しやすいです。インフレは一度上がると下がりづらく、インフレが抑制されたとしても、それより業績が悪くなりやすく、原油価格の下落に伴って株価が連れ安した場合、株価はそれまでの下落より大きく下がる傾向があります。インフレの局面では、原油価格が下ればいいのではなく、そこから株価が連れ安しだすと危ないパターンで、その後の株価下落が大きくなりやすいので注意が必要です。これは、中央銀行のバラマキによって持ち上げた株価が、バブルが弾けて株価の大幅下落になるパターンで、株価の底打ちは概ねQE(量的緩和)時点というのがこれまでの傾向です。

  • 当ページは、原油価格(NY原油ーNYMEX WTI原油ー)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • 各指数・指標の解説
    「WTIとは(原油先物)」
    「OVX(原油VIX指数)とは」
  • Source:CME(Chicago Mercantile Exchange),CBOE(Chicago Board Options Exchange)
  • NYMEX WTI historical data&chart
  • OVX(CBOE Crude Oil Volatility Index) historical data&chart