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サームルール景気後退指標(不況指標・SRI)

サームルール景気後退指標(SRI)の概要

サームルール景気後退指標(サームルール不況指標)SRI

的中率100%で米国の景気後退の始まりのシグナルを発してきた「サームルール景気後退指標(サームルール不況指標・SRI)」の推移とチャートです。米国の失業率を基にした指標で、0.50%以上をつけた時に景気後退の始まりを表す指標です。サームルール景気後退指標は、米国の景気後退をことごとく的中させてきた指標として有名で注目度が高い指標です。当ページで掲載しているサームルール景気後退指標のチャートには0.50%に赤線を引いていますので、それを基準にチェックして下さい。米国の失業率やS&P500との比較チャートも掲載していますので、失業率や株価と比較して見ていただくことができます。特に、失業率と比較して見ていただくと、失業率が通常水準で概ね完全雇用状態でサームルール景気後退指標が0.50%にタッチしたとしても景気後退入りしないこともありましたので、過去の傾向をよく見ていきましょう。

  • 当ページは、サームルール景気後退指標(サームルール不況指標・SRI)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • Source:Claudia Sahm
  • 単位:%
  • 季節調整済み
  • 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています。
  • サームルール景気後退指標(SRI)は失業率を基にした指標ですので、失業率の改定時に過去に遡って数値が改定されます。当ページでは常に速報値及び改定値の最新データを掲載しています。
  • Sahm Rule Recession Indicator(SRI) historical data&chart

サームルールとは?

サームルール(英語:Sahm Rule)とは、日本では「サームの法則」とも呼ばれる、元FRB(連邦準備制度理事会)の消費者・地域社会部門の課長で家計経済と意思決定に関する調査を監督していたエコノミストのクローディア・サーム氏(Claudia Sahm)が、景気後退(不況)に陥った個人への景気刺激策を自動的に開始する方法として開発した景気後退(不況)の初期シグナルです。

クローディア・サーム氏(Claudia Sahm)の説明文(原文)はこちら(PDFファイル)

サームルール景気後退指標とは?(サームルール不況指標とは?)

サームルール景気後退指標(英語:Sahm Rule Recession Indicator(SRI))とは、「サームルール不況指標」とも呼ばれる、サームルールに基づき米国の失業率の直近3カ月移動平均が過去12か月間の3カ月平均の最低値と比較して0.50%以上上昇した場合に景気後退(リセッション)の始まりを示す指標です(計算方法については下の欄で詳しく説明を記載しています)。当ページでは、このサームルール景気後退指標のチャートと時系列を掲載しています。サームルール景気後退指標は、単に「サームルール」と呼ばれることも多いです。

米国の失業率の推移はこちら

米国の失業率の推移と解説は、以下のページで掲載しています。

「0.50%がシグナル」サームルール景気後退指標(SRI)をわかりやすく簡単に解説

サームルール景気後退指標(SRI)は、直近3カ月の失業率の3カ月平均が過去1年の失業率の3カ月平均の最低値からどれだけ乖離したかを示した指標です。当ページの以下のチャートの欄にサームルール景気後退指標のチャートを掲載していますが、チャートの折れ線グラフはその乖離の推移を表しています。
過去の傾向では、米国の景気後退の全ての初期段階でこのサームルール景気後退指標の値は0.50%を超えています。よって、サームルール景気後退指標は0.50%が景気後退のシグナルと見る指標です。

サームルール景気後退指標(SRI)の的中率は100%

過去1959年から現在までの傾向では、サームルール景気後退指標(SRI)の的中率は100%となっています。米国の景気後退の初期段階ですべてそのシグナル(0.50%以上)を発しています。つまり、直近3カ月の失業率が過去1年の失業率の最低値から0.50%以上乖離すれば景気後退局面ということを示しています。逆に言えば、サームルール景気後退指標が0.50%を超えていない段階で景気後退は起こらないとも言えます。ただし、これはあくまで過去の傾向であって今後もそれが当てはまるとは言えません。0.50%を超えていない段階で景気後退入りしていることもあります。

今後も的中率100%とは限らない?

サームルール景気後退指標(SRI)は1959年からことごとく米国の景気後退の始まりを示してきた指標として有名でその的中率は100%ですが、理論上の指標ではなく、あくまで過去にこうであったという経験則上の指標ですので、今後も的中するとは限らない指標です。

また、サームルール景気後退指標の開発者であるクローディア・サーム氏もTVインタビューで「サームルールは過去の経験則に基づくもので、景気後退を予測できるツールではない」と述べています。サームルール景気後退指標は予測に使うツールではなく、状況判断に使うべきツールとの認識が妥当です。サームルール景気後退指標は米国の失業率に基づいて算出する指標ですが、失業率は悪くなる時は一気に悪くなりますので、サームルール景気後退指標が0.50%を超えていない段階でもその水準が安全圏であるとは限らない点は注意が必要です。また、以下に掲載しているサームルール景気後退指標と米国の失業率の比較チャートを見てもらえれば、失業率が通常水準で概ね完全雇用状態にある時にサームルール景気後退指標が0.50%にタッチしても景気後退入りしなかったこともありますし、0.50%タッチ以前に景気後退入りしていることもありますので、完全一致の指標ではないことがわかります。

つまり、サームルール景気後退指標はこれまでの傾向では景気後退の初期段階でことごとくシグナルを発し、その的中率は100%の指標ですが、0.50%を超えたからといって景気後退に至る的中率は100%ではない指標でもあります

サームルール景気後退指標の計算方法

当ページで掲載しているサームルール景気後退指標は、米国の失業率の直近3カ月移動平均と過去12か月間の3カ月平均の最低値から算出しています。これはFEDのセントルイス連銀が算出・公表しているサームルール景気後退指標と同様の計算方法です。雇用系指標は単月で見るものではなく、3カ月平均あるいは6カ月平均で水準と基調を見る指標であり、FRBも度々平均で見なければならないとしていますので、直近3カ月移動平均と過去12か月間の3カ月平均から算出する方法は妥当であると考えられます。
一方、元FEDで開発者のサーム氏の過去のレポートでは「米国の失業率の直近3カ月移動平均と過去12か月間の最低値」と記載されています。つまり、直近の平均値と過去の単月の数値の差です。サーム氏の過去のレポートでは実際の数値の記載がないため詳細はよくわかりませんが、そちらの算出方法を取るのは筋だと考えられます。

どちらの算出方法を取るのが妥当か?失業率は平時にそう動くものではなく、景気悪化時に跳ねやすく、それに合わせてサームルール景気後退指標は跳ねますので、どちらの算出方法でも大差はないです。そもそも失業率は端数処理されて公表されていますので、どちらの算出方法でも大まかな数値にはなります。また、どちらの算出方法でも0.50%がシグナル水準というのは同じですが、0.50%以下であれば安全圏という指標でもなく、そもそもざっくりした指標ですので、状況判断で水準を見る上でもどちらでも構わないと思います。

以下で掲載しているサームルール景気後退指標と米国の景気後退期のチャートを見てもらえれば一目瞭然ですが、0.50%がシグナル水準というのは同じで、こちらも綺麗に景気後退の初期シグナルを出していますので、どちらでも構わないという結論になると思います。

当ページではFEDのセントルイス連銀の公式の算出方法である点を重視して、直近3カ月移動平均と過去12か月間の3カ月平均の最低値から算出する方法をとっています。雇用系指標は単月では後に大幅改訂されるのが当たり前ですので、その点からも平均から算出する方法は妥当だと思います。

さて、チャートで特徴的なのは、0.50%を明確に突き抜けた後、サームルール景気後退指標は一気に跳ね上がりやすくなる点です。これは先の述べた通り、景気悪化時は失業率は一気に跳ね上がるためで、失業率から算出するサームルール景気後退指標も跳ね上がるのです。逆に、0.50%にタッチ、あるいは0.50%近辺に差し掛かった後に下がれば景気後退は起こっていない特徴もあります。

注意点としては、失業率は毎年1月上旬に過去の失業率が改訂される点です。失業率が改訂されればサームルール景気後退指標も過去に遡って改訂します。ゆえに、例えば現在サームルール景気後退指標が発動する0.50%を抜けていたとしても、後の改訂によって発動条件以上であったり発動条件以下になる場合がありますので注意が必要です(失業率は年1回改訂され、それ以外の期間に改訂されません)。当ページのサームルール景気後退指標は常に最新データを掲載していますので、失業率が改訂された後にサームルール景気後退指標も最新データに置き換わります。

サームルール景気後退指標の公表日

サームルール景気後退指標(SRI)は毎月米国の失業率の公表日以降、月初にデータが更新されます。データ更新の際は、当サイト「株式マーケットデータ」の公式X(旧ツイッター)やトップページの「更新情報」の欄等でお知らせしています。

景気後退確率の推移はこちら

NY連銀が公表している長短金利差を基に米国の1年先の景気後退の確率を示した景気後退確率は、以下のページで掲載しています(解説付き)。

チャート(サームルール景気後退指標・SRI)

サームルール景気後退指標(サームルール不況指標)のチャート

サームルール景気後退指標(サームルール不況指標・SRI)のチャート
  • チャート画像クリックで拡大表示します。
  • Chart [Sahm Rule Recession Indicator]
  • 0.50%のラインに点線を引いています(サームルール景気後退指標は0.50%水準が景気後退のシグナルですので、この点線が基準になります)。
  • サームルール景気後退指標はコロナショック時の2020年5月に9.50%をつけましたが、チャートに表示すると見にくくなるため、チャートの上限は5.00%にしています。
  • 米国の景気後退期(リセッション期)との比較チャートにしています。灰色の囲みの期間が米国の景気後退期間です。米国の景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。

サームルール景気後退指標と失業率のチャート

サームルールと失業率のチャート
  • Chart [Sahm Rule Recession Indicator,U.S. Unemployment Rate]
  • サームルール景気後退指標と米国の失業率のチャートです。米国の失業率の通常水準である5%ラインに点線を引いています。失業率の通常の水準や完全雇用の水準は労働市場の特性の変化によって変わりますが、近年FRBは5%台を通常水準、4%台は完全雇用状態の水準と見ていることが多いです。これを踏まえて過去の傾向では、通常水準の5%以下で概ね完全雇用状態であろう4%台の時にサームルール景気後退指標が0.5%ラインにタッチしても景気後退入りしないこともあった点は注目です。また、その後に失業率がグッと跳ね上がれば景気後退入りという傾向もあるので注目です。

サームルール景気後退指標とS&P500のチャート

サームルールと株価(s&p500)のチャート
  • Chart [Sahm Rule Recession Indicator,S&P500(SPX)]
  • S&P500は月末値を反映。

[速報] 最新データ|サームルール景気後退指標の時系列(historical data)

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