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消費者物価指数(CPI・米国)

米国(アメリカ)の消費者物価指数(CPI)の最新データを速報で掲載しています。

米国の消費者物価指数(CPI)は米国の物価動向を示す指数でFRBの金融政策に大きく影響するため、重要度・注目度が非常に高い指標です。当ページでは、消費者物価指数(CPI)の過去のデータ全てと、消費者物価指数全体の3割以上を占める住居費、その住居費の主な構成項目である帰属家賃と家賃(賃貸料)のCPIの推移も掲載しています。これらはウェイトが大きいため、消費者物価指数(CPI)を見る場合は一緒に見るようにしましょう。

米国(アメリカ)の消費者物価指数cpi

AIによる米国の消費者物価指数(CPI)の重要度評価

4.8

CPIはインフレ動向を示す主要指標であり、特にFRBが金融政策を決定する際に注視するデータのひとつ。その影響力は極めて高い。食品、エネルギー、住宅、医療など、多岐にわたる消費財・サービス価格をカバーしており、広範な経済の状況を把握でき、家計の購買力、賃金交渉、年金や社会保障のインフレ調整(COLA)など、CPIはさまざまな経済活動に直接影響を与える。CPIデータの発表は、為替、債券、株式市場において即座に価格変動を引き起こすため、短期トレーダーにとって非常に重要。ただし、CPIがカバーする価格は変動が激しいため、一時的な要因で全体のCPIが大きく歪むことがある。このため、政策当局や市場はコアCPI(エネルギーと食品を除外したもの)をより注目することもある。また、個人消費支出価格指数(PCE)など、FRBが重視する他のインフレ指標の存在により、CPIだけに依存するのは限界があり、CPIは過去のデータに基づいており、特に急速に変化する市場環境ではリアルタイム性が低下する。それでも、金融政策の動向や市場のセンチメントを把握するうえで欠かせない指標である。

AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。

  1. AIによる米国の消費者物価指数(CPI)の重要度評価
  2. チャート(米国の消費者物価指数CPI)
    1. 米国の消費者物価指数CPIのチャート(指数値)
    2. 米国の消費者物価指数CPIの前月比のチャート
    3. 米国の消費者物価指数CPIの前年比のチャート
  3. チャート(住居費CPI・帰属家賃CPI・家賃CPI)
    1. 米国の消費者物価指数CPIの住宅系指数のチャート
    2. 住居費CPIのチャート(前月比と前年比)
    3. 帰属家賃CPIのチャート(前月比と前年比)
    4. 家賃CPI(賃貸料CPI)のチャート(前月比と前年比)
  4. 米国のコアCPIの推移はこちら
  5. CPIナウ(米国)の推移はこちら
  6. Sticky-Price CPI(スティッキープライスCPI)はこちら
  7. [速報] 最新データ|米国の消費者物価指数(CPI)の時系列(historical data)
    1. 米国の消費者物価指数(CPI)の時系列データ
    2. 住居費CPIと帰属家賃CPIと家賃CPI(賃貸料CPI)の時系列データ
  8. 消費者物価指数(CPI)とは?公表日は、いつ?
    1. 米国の消費者物価指数の公表日(発表日)のスケジュール
  9. 消費者物価指数の上昇要因・低下要因は?
    1. 原油価格の推移はこちら
    2. ドルインデックスの推移はこちら
  10. コアCPIが重視される
  11. デマンドプルインフレの状態か?コストプッシュインフレの状態か?需給ギャップと一緒に見る
  12. CPIとPCEの違い(消費者物価指数と個人消費支出の違い)
    1. CPIとPCEの乖離はなぜ起こる?CPIが高くPCEが低い?計算の違いをわかりやすく解説
    2. PCEはより注目度が高い
    3. PCEコアの推移はこちら
    4. 物価上昇が家計を直撃する場合
    5. ガソリン価格の推移はこちら
  13. CPIとPCEの数値の誤差(CPIがPCEより高い理由)
  14. 住居費CPIとは?
    1. 住居費CPIの見方
    2. 住宅価格に1年から1年半遅行する傾向がある住居費
    3. 米国の中古住宅と家賃
  15. 帰属家賃とは?
    1. 帰属家賃をわかりやすく簡単に解説
  16. 帰属家賃CPIとは?
    1. 住居費の約7割を占める帰属家賃は注目度が高い
  17. 家賃CPI(賃貸料CPI)とは?
  18. 米国の生産者物価指数(PPI)とコアPPIの推移はこちら
  19. 消費者物価指数に先行性がある指標「CRB指数」はこちら
  20. 消費者物価と失業率から算出される悲惨指数はこちら
  21. 消費者物価指数の先行指標「MCTインフレ率」の推移はこちら
  22. 消費者物価指数の先行指標「マネーストック(マネーサプライ)」

チャート(米国の消費者物価指数CPI)

米国の消費者物価指数CPIのチャート(指数値)

米国の消費者物価指数(cpi)のチャート
  • チャート画像クリックで拡大表示します。
  • Chart [U.S. CPI/Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average]
  • チャートの灰色の期間が米国の景気後退期間です。景気後退期間の解説と推移は「景気後退期間(米国・アメリカ)」のページを参照してください。

米国の消費者物価指数CPIの前月比のチャート

米国の消費者物価指数(cpi)の前月比のチャート

米国の消費者物価指数CPIの前年比のチャート

アメリカの消費者物価指数(cpi)の前年比のチャート
  • Chart [U.S. CPI/Consumer Price Index MoM]
  • Chart [U.S. CPI/Consumer Price Index YoY]
  • 前年比のチャートには、FRBの物価目標のラインに赤色の点線を引いています(通常、コアCPIで見るものですが、こちらでも表記しています)。FRBの物価目標のわかりやすい解説は、以下のページに掲載しています(CPIベースのFRBの物価目標の見方も掲載)。

チャート(住居費CPI・帰属家賃CPI・家賃CPI)

米国の消費者物価指数CPIの住宅系指数のチャート

住居費cpiと帰属家賃cpiと賃貸料cpiのチャート
  • 住居費CPI:消費者物価指数(CPI)の構成項目である住居費の指数値
  • 帰属家賃CPI:住居費の構成項目である帰属家賃の指数値
  • 家賃CPI:住居費の構成項目である家賃(賃貸料)の指数値

住居費CPIのチャート(前月比と前年比)

住居費cpi(消費者物価指数)のチャート

帰属家賃CPIのチャート(前月比と前年比)

帰属家賃cpi(消費者物価指数)のチャート

家賃CPI(賃貸料CPI)のチャート(前月比と前年比)

家賃cpi(賃貸料CPI)のチャート
  • Chart [Shelter in U.S. City Average(CPI)]
  • Chart [Owners’ Equivalent Rent of Residences in U.S. City Average(CPI)]
  • Chart [Rent of Primary Residence in U.S. City Average(CPI)]
  • 住宅系の各CPIの解説は、当ページ下の解説欄を参照して下さい。

米国のコアCPIの推移はこちら

米国のコアCPIの解説と推移は、以下のページで掲載しています。

CPIナウ(米国)の推移はこちら

米国の消費者物価指数(CPI)がどの程度で着地するか、リアルタイムの予想値は以下の「CPIナウ(CPI NOW)米国・アメリカ」のページで確認できます。CPIナウは、精度が非常に高いCPIの予想値として市場で認知されています。

Sticky-Price CPI(スティッキープライスCPI)はこちら

米国の消費者物価指数の構成要素を「価格が柔軟に変動する品目」と「価格の粘着性が高い(価格の変動が遅い)品目」に分類した指数「Sticky-Price CPI」は、以下のページで掲載しています。将来のインフレ期待が組み込まれている指数として注目度が高いです。

[速報] 最新データ|米国の消費者物価指数(CPI)の時系列(historical data)

  • 単位:%

米国の消費者物価指数(CPI)の時系列データ

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住居費CPIと帰属家賃CPIと家賃CPI(賃貸料CPI)の時系列データ

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消費者物価指数(CPI)とは?公表日は、いつ?

消費者物価指数(読み方:しょうひしゃぶっかしすう|英語:Consumer Price Index)とは、米労働省が毎月発表している、消費者が実際に購入する商品やサービスの小売価格の動向を示した物価指数です(英語:CPI/Consumers Price Index)。消費者物価指数は物価の動向を見る指標で、物価の動向は国民生活に直接影響してくるため注目度が非常に高いです。また、物価の動向は金融政策にも大きく影響してくため、国にとっても国民にとっても非常に重要な指標となっています。

米国の消費者物価指数の公表日(発表日)のスケジュール

基準月発表日リリース時間(現地時間)
2024年10月2024年11月13日午前8時30分
2024年11月2024年12月11日午前8時30分
2024年12月2025年1月15日午前8時30分
2025年1月2025年2月12日午前8時30分
2025年2月2025年3月12日午前8時30分
2025年3月2025年4月10日午前8時30分
2025年4月2025年5月13日午前8時30分
2025年5月2025年6月11日午前8時30分
2025年6月2025年7月15日午前8時30分
2025年7月2025年8月12日午前8時30分
2025年8月2025年9月11日午前8時30分
2025年9月2025年10月15日午前8時30分
2025年10月2025年11月13日午前8時30分
2025年11月2025年12月10日午前8時30分
消費者物価指数(CPI)の公表日(発表日)のスケジュール表

消費者物価指数の上昇要因・低下要因は?

消費者物価指数は、その数値が上昇していれば物価が上昇していることを示します。物価が上昇していれば金利が上がり、売上も上がって賃金も上がる、というサイクルが機能していることを示します。

消費者物価指数は、その数値が低下していれば物価が低下していることを示します。物価が低下していれば金利が下がり、売上も下がって賃金も下がる、というデフレ(デフレーション)圧力が強まっていることを示します。つまり、消費者物価指数を見ればインフレ(インフレーション)やデフレの度合いをはかることができます。

米国の消費者物価指数は、一般的には事前の市場予想より実際の数値が高ければドル買い材料となり、事前の市場予想より実際の数値が低ければドル売り材料と見るのが基本形です。米国の消費者物価指数は原油安ドル高で下がりやすくなり、原油高や賃金上昇で上がりやすくなる傾向があります。

原油価格の推移はこちら

原油価格の推移は、以下のページで掲載しています。

原油価格(NY原油・WTI原油)と円建て原油価格
NY原油(ニューヨーク原油・WTI原油先物)と円建てNY原油(円建てWTI原油)の短期と長期チャートと時系列です。原油のシーズナリーチャートや株価(S&P500)、OVX(原油版恐怖指数)ISM製造業景況指数、グローバル製造業PMIとの比較チャートも掲載。

ドルインデックスの推移はこちら

ドルの強弱はドルインデックス(ドル指数)で確認できます。ドルインデックスの推移は、以下のページで掲載しています。

ドルインデックス(ドル指数)
ドルインデックス(ドル指数)のチャートと時系列です(ICEドルインデックス先物)。長期金利や実質金利、景気後退期、ドル円、ユーロドル、円指数やユーロ指数との比較チャートや移動平均線、長期と短期のチャートも掲載。見方もわかりやすく解説。

コアCPIが重視される

消費者物価指数(CPI)はインフレやデフレの度合いをはかる指標として非常に重要視されますが、インフレやデフレの基調の度合いを見る場合、天候等によって価格変動が大きい食料やエネルギーを除いた「コアCPI」を重視することが多いです。

デマンドプルインフレの状態か?コストプッシュインフレの状態か?需給ギャップと一緒に見る

インフレには、デマンドプルインフレとコストプッシュインフレがあります。デマンドプルインフレは需要が増えることによって起こるインフレで、コストプッシュインフレは石油などのコストが上がることによって起こるインフレです。コストプッシュ型のインフレは経済にとって悪いとされています。そんなインフレの質を見るには、消費者物価指数と需給ギャップ(GDPギャップ)を比較して見るとわかります。

米国の需給ギャップの推移とデマンドプルインフレとコストプッシュインフレの見方の解説は、以下のページに掲載しています。

需給ギャップ(GDPギャップ)米国・アメリカ
CBO(米議会予算局)公表の米国の需給ギャップ(GDPギャップ)のチャートと時系列です(最新データ速報)。過去から現在、今後10年間の見通しの予測値の推移を掲載。需要が強いのか弱いのかがわかり、インフレ時にコストプッシュ型かデマンドプル型かを見る際にも注目されます。

CPIとPCEの違い(消費者物価指数と個人消費支出の違い)

一般的に注目される物価指数は、当ページで掲載している消費者物価指数(CPI)の他に「個人消費支出(PCE)」があります。CPIは米国の労働省が公表しており、PCEは米国の商務省が公表しています。

CPIとPCEの大きな違いは、CPIは都市部が中心で家計調査を基にした物価指数で、PCEは全米が対象で企業調査を基にした物価指数です。CPIは消費者の購買データが基となっており、PCEは企業の小売販売データが基になっています。

CPIとPCEの乖離はなぜ起こる?CPIが高くPCEが低い?計算の違いをわかりやすく解説

CPIは、例えばAという商品の価格が値上がりして売れ行きが悪くなったとしても、売れ行きの悪さを考慮しない計算方式をとっています。それに対してPCEは売れ行きが悪くなったことを考慮する計算方式をとっていますので、この場合は両者のインフレ率の数値は乖離します。つまり、CPIとPCEは売上の減少を考慮するかしないかの違いがあり、売上が減少したのだからその分のインフレ率を軽く見る、という計算方式をとっているのがPCEです。

言い方を変えて簡単にCPIとPCEの違いを説明すると、CPIは消費者が見た価格、PCEは見た価格ではなく買った価格を集計して算出している物価指数です。

通常の場合であれば、消費者は商品の価格を見て商品を買いますので、見た価格と買った価格はほぼ同じになります。ただ、インフレが進んでいる場合は商品の価格を見るけど買わない消費者が多くなります。そうなると、消費者が見た価格と買った価格が異なるという状況が多くなります。商品は見るけど実際に高い商品を買うことがなくなるのです。そうなればCPIの数値は高くなりPCEの数値は低く出て両者の乖離は大きくなりやすいです。

もう少し簡単にいうと、インフレが進む中、CPIの数値が高くPCEの数値がそれより低い場合、消費者は値上げで高くなった商品は買わず、別の安い商品に切替ている、つまり「節約している」状況を示しています。また、その数値が乖離しているほど節約している消費者が多いことを示しています。

PCEはより注目度が高い

CPIとPCEですが、物価指数としてはPCEが米国の網羅的なデータである上、米国の金融政策を決定するFRB(連邦準備制度理事会)もPCEをインフレ(インフレーション)やデフレ(デフレーション)の度合いをはかる指標として重視しているため、CPIよりPCEの方が重要な指標と言えます。

また、上記の解説の通り、見た価格より買った価格の方が重要で、経済学の観点でも取引があるかどうかが重要視され、「買った価格」は実際に取引されていますのでPCEの方が重要視されやすいです。ゆえに、経済学者はPCEの方が正しいと考えており、FRBがPCEを重視しているのもその観点からです。

FRBはPCEから食料とエネルギーを除いた「PCEコア(PCEコアデフレーター)」を重視していますので、通常はPCEコアが最も注目されます。

ただ、消費者の観点からすると、インフレの実感は「見た価格」から得ます。商品を見て高いかどうか、買うか買わないかになり、そこからインフレの実感が形成されます。ゆえに、PCEを重視して政策判断しているFRBと、消費者が見た価格のCPI、つまり消費者のインフレの実感とは乖離が生まれます。インフレが進む局面でFRBは利上げしていると思いますが、利上げを打ち止めにする局面でこの乖離は問題になりやすいです。つまり、PCEより高いCPIが落ちるまで利上げ打ち止めを待つのかどうか、そのタイミングが注目されやすいです。

PCEコアとCPIを比較して見る場合は、CPIはコアCPIと比較して見るようにしましょう。PCEから食料とエネルギーを除いたものが「PCEコア」ですが、CPIから食料とエネルギーを除いたものが「コアCPI」ですので、比較して見る場合はPCEコアとコアCPIを見るようにしましょう(コアCPIを掲載しているページは上記にリンクを載せています)。

PCEコアの推移はこちら

PCEコアの解説と推移(チャートと時系列)は、以下のページで掲載しています。PCEコアとコアCPIの比較チャートや「FRBの物価目標2%は消費者物価指数(CPI)とPCE(個人消費支出)どっちを見ればいい?」の説明も記載していますので、併せてご利用ください。

PCEコアとPCEスーパーコア(米国)
米国(アメリカ)のPCEコア(PCEコアデフレーター)とPCEスーパーコアのチャートと時系列です(最新データ速報)。コアCPIやFF金利との比較チャートも掲載。FRBがインフレ・デフレをはかる指標、過去から現在までの全てのデータで物価と利上げ・利下げの推移がわかる。

物価上昇が家計を直撃する場合

CPIよりPCEの方が注目度が高く、その中でもPCEコアがより注目されると記載しましたが、PCEコアは食料とエネルギーを除いた物価指数であるため、例えば食料品価格が上昇していたり、ガソリン価格が上昇しているような時は、それらの物価上昇が家計を直撃します。ゆえに、そのケースの場合、政治はCPIを重視した政策を取りやすくなるので、PCEよりCPIが重視されやすいです。

ガソリン価格の推移はこちら

米国のガソリン価格は、以下のページで掲載しています。

ガソリン小売価格・在庫量・生産量(米国)
EIA公表の米国(アメリカ)の全米のガソリン小売価格(レギュラー)とガソリン在庫量とガソリン生産量のチャートと時系列です。ガソリンのシーズナリーチャートも掲載。車社会の米国では4ドルを超えると消費が落ち込み、景気の下押し要因のため注目度が高い。

CPIとPCEの数値の誤差(CPIがPCEより高い理由)

消費者物価指数(CPI)の数値は、個人消費支出(PCE)の数値より0.2%から0.3%程度高く出る傾向があるのは金融市場では周知の事実ですので、比較して見る場合はその分を差し引いて見るのが一般的です。ただし、対象も調査データも異なる物価指数ですので、もちろんその限りではありません。

住居費CPIとは?

住居費CPIとは、米国の消費者物価指数(CPI)の構成項目のうち、米国の住居費(家賃)の動向を示す指数です。消費者物価指数の構成項目の約3割を占めるため、注目度が非常に高い指数です。

住居費CPIの見方

住居費CPIは、その数値が上昇していれば米国の住居費(家賃)が上昇していることを示し、その数値が低下していれば米国の住居費(家賃)が低下していることを示します。前年比(前年同月比)が最も注目されますので、前年比を中心に見られるのがいいと思います。これは、以下で解説する帰属家賃CPIや家賃CPI(賃貸料CPI)も同様です。

住宅価格に1年から1年半遅行する傾向がある住居費

住居費、つまり家賃は住宅価格に遅行する傾向があります。米国の住宅価格が上昇すればそれに遅行して家賃も上がり、米国の住宅価格が低下すればそれに遅行して家賃も下がる傾向があり、概ね1年から1年半遅行する傾向があります。米国の住宅価格の動向は、以下のページで掲載している「ケースシラー住宅価格指数」を見るのが一般的です。住居費は、このケースシラー住宅価格指数に概ね1年から1年半遅行する、言い方を変えると、ケースシラー住宅価格指数は住居費の概ね1年から1年半先行する指標、という傾向があります。

S&Pケースシラー住宅価格指数
米国(アメリカ)のS&Pケースシラー住宅価格指数のチャートと時系列(速報)。景気後退期や消費者物価指数(CPI)の比較チャートを掲載。住宅価格の水準を示した指標で個人消費や景気に影響があるため注目度が高い。発表日などわかりやすい解説も掲載。

米国の中古住宅と家賃

米国の住宅販売は90%以上が中古住宅です。ゆえに、米国の中古住宅の市況は家賃に大きく影響しやすいです。中古住宅の販売件数の伸びていれば家賃の上昇要因となり、中古住宅の販売件数が減速していれば家賃の低下要因となります。米国の中古住宅販売件数は、以下のページで掲載していますので参考にしてください。

中古住宅販売件数(米国・アメリカ)
米国(アメリカ)の中古住宅販売件数のチャートと時系列です。戸数と前月比・前年比、住宅ローン金利、景気後退期間との比較チャートを掲載。米国の住宅販売の90%以上は中古住宅、消費の強弱や雇用情勢、先行の経済の強弱が測れる指標で注目度が高い。

帰属家賃とは?

帰属家賃(読み方:きぞくやちん)とは、持ち家を借家と仮定した場合に払うことになる想定家賃です。

帰属家賃をわかりやすく簡単に解説

帰属家賃は、簡単にいうと既に家を持っている人が自分の家を借家と仮定した場合に、いくら払うことになるのかを計算した額です。

帰属家賃CPIとは?

帰属家賃CPIとは、米国の消費者物価指数(CPI)の構成項目のうち、米国の帰属家賃の動向を示す指数です。

住居費の約7割を占める帰属家賃は注目度が高い

上記で紹介した住居費は、この帰属家賃と家賃(賃貸料)が主な構成項目となっており、住居費の約7割を帰属家賃が占めています。また、米国では大半の人が持ち家であるため、住居費は帰属家賃の動向が大きく影響します。基本的には帰属家賃の上昇・低下が住居費の上昇・低下を決定づけます。

家賃CPI(賃貸料CPI)とは?

家賃CPIとは、「賃貸料CPI」とも呼ばれる、米国の賃貸料の動向を示す指数です。住居費の約2割を占めています。米国では大半の人が持ち家のためあまり重視されませんが、帰属家賃CPIとセットで見るのが一般的です。

米国の生産者物価指数(PPI)とコアPPIの推移はこちら

米国のインフレを示す指標として特に重要視されているのは、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)です。物価の変動は生産者側から消費者物価へと波及します(川上から川下へと波及する)。ゆえに、生産者物価指数は消費者物価指数を占う上で重要視されています。

米国の生産者物価指数(PPI)とコアPPIは、以下のページで掲載しています。消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の比較チャートも掲載しています。

生産者物価指数(PPI・コアPPI)米国・アメリカ
米国(アメリカ)の生産者物価指数(PPI)とコアPPIのチャートと時系列です(最新データ速報)。消費者物価指数(CPI)とコアCPIとの比較チャートを掲載。インフレを示す指標でドル高・ドル安、平均時給との関係や影響の見方の解説も掲載。

消費者物価指数に先行性がある指標「CRB指数」はこちら

消費者物価指数(CPI)に対して先行性のある指標はCRB指数です。CRB指数の推移は以下のページで掲載しています。

CRB指数(商品先物価格指数)
CRB指数(商品先物価格指数)のチャートと時系列です(最新データ速報)。レンジや平均値、短期と長期チャート、移動平均線も掲載。CRB指数とはコモディティの総合的な値動きを示す指数、インフレの先行指標で物価や景気動向を示す。見方や上昇・下落の影響、構成商品など解説も掲載。

消費者物価と失業率から算出される悲惨指数はこちら

米国の消費者物価の上昇率(前年比)と失業率から算出される米国民の経済的な悲惨度合いを測る指標「悲惨指数」は、以下のページで掲載しています(悲惨指数はスタグフレーションを測る指標としても用いられています)。

悲惨指数(ミザリーインデックス)
悲惨指数(ミザリーインデックス)のチャートと時系列です。インフレ率(消費者物価・CPI)と失業率から算出される指数で米大統領選を占う指標、スタグフレーションを測る指標としても用いられる。歴代の米大統領の悲惨指数の一覧表も掲載。

消費者物価指数の先行指標「MCTインフレ率」の推移はこちら

消費者物価指数の先行指標として捉えられている「MCTインフレ率」は以下のページで掲載しています。

MCTインフレ率(多変量コアトレンドインフレ)
NY連銀公表のMCTインフレ率(多変量コアトレンドインフレ)のチャートと時系列です。わかりやすい解説付。個人消費支出 (PCE) のPCEコアデフレーターから米国のインフレの持続性を測定した指標です。コア財・モノ、サービス、住宅の推定値も掲載。

消費者物価指数の先行指標「マネーストック(マネーサプライ)」

消費者物価指数の増減は、通貨供給量の増減の影響も大きいです。通常、消費者物価指数とマネーストック(マネーサプライ)は連動性があり、マネーストック(マネーサプライ)が1年から1半程度の先行性があります。つまり、マネーストック(マネーサプライ)が増加・減少した1年から1半程度後に消費者物価指数が上昇・低下する過去の傾向があります。米国のマネーストック(マネーサプライ)の解説と推移は、以下のページで掲載しています。通常、消費者物価指数の前年比とマネーストックのM2の前年比を比較して見ることが多いです。

マネーストック(マネーサプライ)M1・M2(米国)
米国(アメリカ)のマネーストック(マネーサプライ)のM1とM2の過去から現在のチャートと時系列です。株価(S&P500)との比較チャートも。マネーストックとは?公表日、増加や減少の意味やインフレ・金利との関係、名目GDPとの連動性、株価への影響の解説も掲載。
  • 当ページは、消費者物価指数(CPI・米国)と住居費CPI・帰属家賃CPI・家賃CPI(賃貸料CPI)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • 各指数・指標の解説
    米国消費者物価指数(CPI)とは
  • Source:労働省労働統計局(BLS:U.S Bureau of Labor Statistics)
  • 単位:%
  • 指数値・前月比:季節調整済み
  • 前年比:季節調整なし
  • 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています
  • U.S. CPI/Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average historical data&chart
  • Shelter in U.S. City Average(CPI) historical data&chart
  • Owners’ Equivalent Rent of Residences in U.S. City Average(CPI) historical data&chart
  • Rent of Primary Residence in U.S. City Average(CPI) historical data&chart