
OIS金利(スワップ金利)の最新データを速報で掲載しています。
OISは中央銀行の政策金利見通しを取引するもので、日本のOIS金利(スワップ金利)は日本銀行(日銀)の政策金利見通しを強く反映しやすい指標として注目度が高いです。当ページでは、期間(年限)ごとのOIS金利(ドル円や日本国債利回りとの比較チャートを掲載)と、各年限のOIS金利を線で結んだ「OISカーブ(OIS曲線)」を掲載しています。これを見れば、市場が現在予測している今後の日銀の政策金利の動向がわかります。見方の解説欄を参考にチャートをご覧下さい。

AIによるOIS金利(スワップ金利)の重要度評価
OIS金利は、日銀の政策金利変更の可能性を市場がどのように織り込んでいるかを示す主要指標。短期金利市場の動向を反映し、次回以降の政策決定会合における政策変更の可能性を評価する上で不可欠。OIS金利は、金融機関のリスク回避姿勢や流動性需要を反映。市場のストレスや不確実性が高まると変動が顕著になるため、市場の「温度計」としても機能する。為替市場の実務にも間接的に影響を及ぼす。一方、OIS金利自体が短期的な金利期待を反映するにとどまり、中長期的な経済成長や金融政策の持続可能性を直接評価する指標としては制約がある。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(OISカーブ)
OISカーブ(OIS曲線)は、期間(年限)ごとのOIS金利を線で結んだ曲線です。
OISカーブ(OIS曲線)のチャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [JPY OIS(Overnight Index Swap) Curve]
- 前営業日のOISカーブと1カ月前のOISカーブとの比較チャートにしています。1カ月前は前月の月末時点です。
主要OIS金利(スワップ金利)のチャートについて
- 以下は、主要OIS金利(スワップ金利)のチャートです。ドル円と日本国債利回りとの比較チャートにしています。
- 各日本国債利回りは、取引が成立せず値が付かなかった日は前営業日など値がついた直前の値を補完してチャートのデータに反映させています。
- 2024年11月25日にOIS金利は急落していますが、その説明は当ページの解説欄の「OIS金利(スワップ金利)の急落ーカウント方法の変更の影響」の欄を参照して下さい。
- 各日本国債利回りの解説と推移は、以下のページで掲載しています。
チャート(3カ月OIS金利)
- Chart [3month-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [3month-JPY OIS(Overnight Index Swap),3month-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(6カ月OIS金利)
- Chart [6month-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [6month-JPY OIS(Overnight Index Swap),6month-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(1年OIS金利)
- Chart [1year-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [1year-JPY OIS(Overnight Index Swap),1year-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(2年OIS金利)
- Chart [2year-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [2year-JPY OIS(Overnight Index Swap),2year-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(5年OIS金利)
- Chart [5year-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [5year-JPY OIS(Overnight Index Swap),5year-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(10年OIS金利)
- Chart [10year-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [10year-JPY OIS(Overnight Index Swap),10year-Japan Government Bond Yield-Daily]
チャート(30年OIS金利)
- Chart [30year-JPY OIS(Overnight Index Swap),USD/JPY-Daily]
- Chart [30year-JPY OIS(Overnight Index Swap),30year-Japan Government Bond Yield-Daily]
[速報] OIS金利(スワップ金利)の最新データ
単位:%
2025年2月14日 |
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2024年11月25日、金利スワップ取引清算業務の統計情報について、海外清算機関における同様の開示情報との数値比較を容易にする観点から、債務負担件数・金額及び債務負担済残存取引件数・残高のカウント方法を、現在の片道(原取引)ベースから清算約定ベースに変更になりました。
OISは市場取引に基づく金利の指標であり、今回の統計データのカウント方法の変更とは本質的には直接的な関係はないはずですが、統計の表示方法変更に伴う市場参加者の解釈が影響を与える可能性があります。
OISとは?
OIS(読み方:おーあいえす|英語:Overnight Index Swap)は、固定金利と変動金利を交換する金利スワップ取引の一種です。異なる金利(固定金利と変動金利または変動金利同士)を一定期間毎に交換する取引で、日本では固定金利と変動金利(一定期間の無担保コール翌日物金利)を交換する取引が行われています。両者は信用リスクが低く、OISの固定金利は「OIS金利(OISレート)」と呼ばれ、無担保コール翌日物金利に対する日本銀行(日銀)の政策金利見通しを強く反映しやすいとして注目度が高い指標となっています。日本では、固定金利と無担保コール翌日物金利を交換する取引が「OTC(店頭における相対取引)」で行われています。
OIS金利とは?(スワップ金利とは?)
OIS金利(読み方:おーあいえすきんり|英語:OIS rate)とは、「OISレート」「スワップ金利」とも呼ばれる、金融機関同士のお金の貸し借りにつく金利です。お金の返済期間がどれくらいかで返済期間ごとに相対で金利を決めていますが、この金利は各金融機関が今後の日本銀行(日銀)のスタンスを予測して決めているため、OIS金利は日本銀行(日銀)の政策金利見通しを強く反映しやすい指標となっています。ただし、OIS市場は幅広い年限の取引が存在するものの、取引主体が一部の金融機関に限られており、取引量は低調で(取引主体は外資系および国内大手の証券会社が大半)、あくまで予測ですので必ずそうなるというものではありません。
無担保コール翌日物金利
無担保コール翌日物金利の解説は、以下の「日本の政策金利」ページで掲載しています。

OISカーブとは?(OIS曲線とは?)
OIS金利(OISレート)は返済期間ごとに相対で金利を決めていますが、その期間(年限)ごとのOIS金利を線で結んだ曲線が「OISカーブ(OIS曲線)」です。「OIS金利(OISレート)のイールドカーブ」とも呼ばれています。
期間(年限)は1D・1W・2W・3W・1M・2M・3M・4M・5M・6M・7M・8M・9M・10M・11M・1Y・15M・18M・2Y・3Y・4Y・5Y・6Y・7Y・8Y・9Y・10Y・11Y・12Y・15Y・20Y・25Y・30Y・35Y・40Yがあり、それぞれのOIS金利を線で結んだ曲線がOISカーブです。当ページでは、このOISカーブを掲載しています。
- D(Day):日
- W(Week):週
- M(Month):月
- Y(Year):年
OIS金利とOISカーブの上昇と低下の見方
OISは中央銀行の政策金利見通しを取引するものですので、OIS金利の上昇・低下は今後の利上げ(政策金利の引き上げ)と、利下げ(政策金利の引き下げ)の見通しが強く反映されやすいです。
- 上昇していれば利上げが見込まれていることを示します。また、以前より上昇していれば利上げ前倒しが見込まれていることを示します。
- 低下していれば利下げが見込まれていることを示します。また、以前より低下していれば利下げ前倒しが見込まれていることを示します。
OISカーブは期間ごとのOIS金利の曲線ですので、
- OISカーブが右肩上がりであれば、今後日本の金利は上がっていく(日銀は利上げ)
- OISカーブが横ばいであれば、今後日本の金利は横ばい(現状維持)
- OISカーブが右肩下がりであれば、今後日本の金利は下がっていく(日銀は利下げ)
と市場が予測していることを表しています。
例えば、OISカーブが以下のようになっていた場合、
横ばいから右肩上がりになっていますので、今後日本の金利は1年程度横ばいの後に上がっていくだろう、と市場が見ていることがわかります。
OISカーブは期間ごとのOIS金利の曲線ですので、各期間を見ればどのくらいの時期から金利が上がる・下がると市場は見ているのかがわかります。
上画像のOISカーブでは、1Y(期間1年)あたりからじわり右肩上がりになっています。OIS金利は市場が予測している日銀の政策金利が反映されていますので、日本の金利は1年程度金利は横ばいの後に上がっていくだろうと予測していることがわかります。
OIS金利(スワップ金利)の急落ーカウント方法の変更の影響
2024年11月25日、JSCCは金利スワップ取引清算業務の統計情報について、海外清算機関における同様の開示情報との数値比較を容易にする観点から、債務負担件数・金額及び債務負担済残存取引件数・残高のカウント方法を、片道(原取引)ベースから清算約定ベースに変更しました。
この影響と思われますが、2024年11月25日にOIS金利(スワップ金利)は急落しました。この点について考察を記載しておきます。
OISは市場取引に基づく金利の指標であり、統計データのカウント方法の変更とは本質的には直接的な関係はないはずですが、統計の表示方法変更に伴う市場参加者の解釈が影響を与える可能性がありました。推察ですが、2024年11月25日の急落は、清算約定ベースで統計上の残存取引件数や金額の影響か、その流動性の低下を懸念した影響かのどちらかであると思います。
片道(原取引)ベースから清算約定ベースのカウント方法変更について
金利スワップ取引清算業務の統計情報におけるカウント方法が片道(原取引)ベースから清算約定ベースに変更されたことについて記載します。
国際標準(多くの海外清算機関)は、清算約定ベースです。これに合わせたカウント方法に変更となりましたので、統計データの比較が直接的に行いやすくなり、透明性と整合性が向上することが見込まれます、清算約定ベースでは、片道ベースよりもカウントが増加する傾向があり、統計上の取引件数や金額が膨らむ可能性があります。見かけ上の取引量が増加することが見込まれますので、流動性が高い市場として認識されやすくなる可能性があります。これが新規参入を促し、取引量や市場参加者が増加する効果をもたらす可能性があります。一方で、投資家や清算機関は新基準に対応するための一時的な調整が必要になる可能性があります。また、清算約定ベースでは、実際の取引量やリスク量の「正味の影響」を反映する傾向があります。清算機関が取引のリスクを相殺(ネット化)する過程で、報告される取引残高が大幅に減少することがあります。ネット化された取引は、原取引ベースと比較して、債務負担残高や取引量が小さくカウントされるため、統計上の数値が低下します。清算約定ベースでは、ネット化が進むほど、長期金利スワップ(10Y)のようなデリバティブ商品で、清算機関を通じた取引残高が大きく減少することがあります。これは「リスク削減」や「取引の効率化」を反映しており、必ずしも市場活動が減少したことを意味しません。表面上の数値の急減により、流動性や市場規模が縮小しているように見えますが、実際には清算システム内でのネット化の結果である可能性が高いです。数値が半減することで、「取引が縮小している」という誤解が生じるリスクがあり、特に長期物(10Y)は金利スワップ市場における指標的存在のため、この変化は投資家の市場観に影響を及ぼす可能性があります。
- 当ページは、日本のOIS金利(スワップ金利)とOISカーブの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:JSCC(Japan Securities Clearing Corporation)
- JPY OIS(Overnight Index Swap) historical data&chart