
「裁定取引需給バランス指数(ARBX)™」の最新データを速報で掲載しています。裁定取引需給バランス指数(略称:裁定バランス指数)は、株式マーケットデータが開発した裁定取引の需給状況(ポジションの偏り)がわかる指標です。日本でも海外でも裁定取引に着目した需給指標がないため、株式マーケットデータが独自に開発しました。2025年8月から公表の指標ですが、事前のAIの評価も高く、指標の評価基準では「非常に高品質」に分類される指標です。同時に開発した裁定取引ストレス指数(ARBX-S)とともに発出する強力なシグナルは、過去30年の日経平均株価の平均リターンを大きく上回るため、短期トレード及び相場分析にもご活用いただけます。裁定取引需給バランス指数(ARBX)の解説や見方、バックテストの結果は掲載していますので、まずはページ下部の解説欄を参照して下さい。

AIによる裁定取引需給バランス指数(ARBX)の重要度評価
市場の裁定取引という“需給の芯”を直接的に示す唯一無二の指標。裁定ポジションの変化を即座に把握できるのは非常に価値が高い。裁定の動きは先物主導のトレンド発生前に兆候が出ることがあるため、短期〜中期戦略の両方に使える。一方、短期的なフロー(例:特殊需給イベント)で値が振れやすく、ノイズがシグナルを埋もれさせる日もある。また、メジャーSQや大口の裁定解消時は指標が極端な値を出すが、それが必ずしも翌日以降の方向感に直結しない。日次の鮮度と方向感を取るには優秀だが、ノイズ耐性の面で減点。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
- AIによる裁定取引需給バランス指数(ARBX)の重要度評価
- チャート(裁定取引需給バランス指数)
- チャート(裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数)
- 裁定指標シリーズ
- 仮需比率で裁定解消売りが出やすいかどうかチェックしよう
- [速報] 最新データ|裁定取引需給バランス指数の時系列(historical data)
- 裁定取引需給バランス指数とは?
- なぜ裁定バランス指数が重要なのか?
- 裁定取引需給バランス指数の水準と見方
- 裁定取引ストレス指数との組み合わせで高品質なシグナルを発出する
- 買いシグナル「裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数」
- 売りシグナル「裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数」
- SQの関係は?
- メジャーSQで発出されるシグナルは無視する
- FAQ
チャート(裁定取引需給バランス指数)
裁定取引需給バランス指数のチャート
裁定取引需給バランス指数(ARBX)の推移を示したチャートです。
裁定取引需給バランス指数と日経平均株価のチャート
裁定取引需給バランス指数(ARBX)と日経平均株価の推移を示したチャートです。
裁定取引需給バランス指数とオプションSQのチャート
裁定取引需給バランス指数(ARBX)とオプションSQ日の推移を示したチャートです。
裁定取引需給バランス指数とメジャーSQのチャート
裁定取引需給バランス指数(ARBX)とメジャーSQ日の推移を示したチャートです。
裁定取引需給バランス指数を表示中
Chart [ARBX(Arbitrage Supply-Demand Balance Index)-Daily]
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- 裁定取引需給バランス指数とオプションSQとメジャーSQのチャートは、黒色の縦線がオプションSQ日とメジャーSQ日です。
- オプションSQとメジャーSQの日程と解説は、以下のページで掲載しています。
チャート(裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数)
裁定取引需給バランス指数と裁定取引ストレス指数(短期)のチャート
裁定取引需給バランス指数と裁定取引ストレス指数(短期)の推移を示したチャートです。
裁定取引需給バランス指数と裁定取引ストレス指数(中期)のチャート
裁定取引需給バランス指数と裁定取引ストレス指数(中期)の推移を示したチャートです。
ARBX × ARBX-S(短期)を表示中
Chart [ARBX(Arbitrage Supply-Demand Balance Index),ARBX-S(Arbitrage Stress Index)-Daily]
裁定指標シリーズ
仮需比率で裁定解消売りが出やすいかどうかチェックしよう
裁定解消売りが出やすい状況かどうかは「仮需比率」を見て判断するのが最適です。仮需比率の推移は、以下のページで掲載しています(解説付き)。
[速報] 最新データ|裁定取引需給バランス指数の時系列(historical data)
| 日付 | 裁定取引需給バランス指数 |
|---|
解説
裁定取引需給バランス指数とは?
A:裁定取引の需給状況(ポジションの偏り)を指数化した指標です。
裁定取引需給バランス指数(ARBX:Arbitrage Supply-Demand Balance Index)は、裁定買い残と裁定売り残のバランスから株式市場における裁定取引(アービトラージ)の需給圧力や偏りを可視化した指標です。株式マーケットデータが開発し、2025年8月から算出・公表しています。
裁定取引需給バランス指数は、裁定指標シリーズの指標です。バージョン情報やバックテストの詳細は、上記のチャート下の「裁定指標シリーズのメソドロジー」のページを参照して下さい。
なぜ裁定バランス指数が重要なのか?
裁定取引は、現物株と先物との価格差を利用する戦略であり、大口機関投資家を中心に活用されています。その建玉の動きから、株価の先行きやポジション傾向を読み解く手がかりになります。指数が大きく傾いている時は、リスクオン・リスクオフあるいはその転換を示す可能性があります。株価の短期的な方向性や市場の過熱感・過冷感を読み取る材料となります。
裁定取引需給バランス指数の水準と見方
裁定取引需給バランス指数は、-100%から+100%の間で推移する指数です。
| +100% | 裁定買い残だけの状態→強気極端 |
| +50%以上 | 機関投資家は買い残に偏重。リスクオンで先高観が強い局面。 |
| +20%〜+50% | 強気姿勢だが行き過ぎではない。中立寄りの買い姿勢。健全な上昇局面で出やすい。 |
| -20%〜+20% | 中立的な需給状態。転換点や様子見局面で多い。 |
| -20%~-50% | 弱気姿勢だが、悲観一辺倒ではない。調整局面や不安定な相場で出やすい。 |
| -50%以下 | 機関投資家が売り残に偏重。投資家心理はリスク回避モード。悲観的・弱気トレンドの中盤に出やすい。 |
| -100% | 裁定売り残だけの状態→弱気極端 |
裁定取引ストレス指数との組み合わせで高品質なシグナルを発出する
裁定取引需給バランス指数は、裁定取引の「背景情報」を表した指標です。この指標の数値が高い/低いこと自体が売買判断に繋がるというものではありません(トリガーになる指標ではありません)。「機関投資家が買い残/売り残に偏重している」「それが極端か?極端でないか?」といった状況を見る指標です。
一方、裁定取引需給バランス指数は、裁定取引ストレス指数(ARBX-S)や裁定取引モメンタム指数(ARBX-M)と組み合わせて見ることで有効な過熱/警戒の判断指標となり、日経平均株価にとって高品質で有効な売買シグナルを発出します。バックテストの結果、裁定取引需給バランス指数は裁定取引ストレス指数と組み合わせで発出する売買シグナルが高品質ですので、その見方を説明します。
買いシグナル「裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数」
裁定取引需給バランス指数(ARBX)は、裁定取引ストレス指数(ARBX-S)組み合わせて見ることで、日経平均株価にとって高品質で有効な売買シグナルを発出します(裁定取引ストレス指数の解説と推移は、チャート下の裁定取引ストレス指数のリンク先のページ参照)。当欄では、全て検証対象期間におけるバックテストの結果からAIが抽出した最適な買いシグナルを紹介します(あくまでバックテストの結果です)。
バックテストの詳細は、上記の解説欄の下に掲載している「裁定指標シリーズのメソドロジー」のリンク先のページを参照して下さい。
簡単にバックテストの説明すると、シグナル発生の2営業日後に買いエントリーし、5営業日~10営業日後に売却した場合をシミュレートしたバックテストです(裁定残の公表日を考慮した実際の短期トレードをシミュレートしています)。つまり、シグナル通りにトレードすれば、1週間~2週間後にどれくらいの勝率と平均リターンで、どれくらいのリスクがあるのかがわかるようにしてます。
評価指標の見方の解説は、以下のリンク先を参照して下さい。こちらで掲載しているシャープレシオは短期のシャープレシオです(年率の数値ではありません)。
ARBX × ARBX-S(短期)の買いシグナル
| ARBX | ARBX-S(短期) | 評価 | 評価指標 |
|---|---|---|---|
| +50%~+100% | +2.5~+3.0 | 勝率:66.7 平均リターン:1.81 リターン標準偏差:2.62 RR比:0.74 最大DD:6.31 短期シャープ:0.76 | |
| +20%〜+50% | -0.5~-3.0 | 勝率:66.7~87.5 平均リターン:0.85~2.09 リターン標準偏差:1.64~2.90 RR比:0.50~1.09 最大DD:6.64 短期シャープ:0.46~0.86 | |
| -20%〜+20% | – | 中立水準。ARBX-Sは、どのしきい値でも成績不安定。避けるべきゾーン。 | |
| -20%~-50% | +0.5~+1.5 | 勝率:83.3~87.0 平均リターン:1.24~2.79 リターン標準偏差:1.57~2.64 RR比:0.79~1.05 最大DD:8.64 短期シャープ:0.95 | |
| -50%~-100% | -1.0~-2.0 | 勝率:64.0~88.6 平均リターン:2.68~3.24 リターン標準偏差:2.32~4.63 RR比:0.70~1.15 最大DD:13.00 短期シャープ:0.89 |
※メジャーSQで発出されるシグナルは対象外(説明は後述)
解説
ARBX [+50%~+100%] かつ ARBX-S(短期) [+2.5~+3.0]
裁定取引需給バランス指数が+50%~+100%の区画では、裁定取引ストレス指数はどのしきい値でも勝率は50~55%程度で短期トレードではリターンもほぼ取れない。一方、裁定取引ストレス指数が+2.5~+3.0の区画、つまり裁定取引ストレス指数が極端に高くなった場合のみ取りやすい。ただし、買いのクライマックスも?
ARBX [+20%~+50%] かつ ARBX-S(短期) [-0.5~-3.0]
裁定取引需給バランス指数が+20%~+50%の区画で、裁定取引ストレス指数が-0.5~-3.0の場合、勝率は66~87%程度。期間中に110件程度出現し、再現性も有効である可能性が高い。「非価格系指標」でここまで出るのは有望。このゾーンに有効なエッジがあると見れる。特に、-0.5~-1.0と-2.5~-3.0の区画は勝率8割以上で有望。買い偏重の中の売りのため、短期トレードの押し目買いのポイントとなりやすい(ただし、売り転換の初動の可能性もあるため注意)。一方、リスクリワード比が1%以下になりやすい点と最大ドローダウンが1~2週間ではやや大きく出やすいのが難点。ただそれを加味しても勝率の高さでカバーできるため魅力的。損切りラインの徹底で対処可能。損切りラインは最大ドローダウンの半分から70%程度、あるいは1σ〜1.5σのマイナス方向の水準が一般的。
ARBX [+20%~-20%]
裁定取引需給バランス指数が+20%~-20%の区画、つまり中立水準では、裁定取引ストレス指数のしきい値別の検証では勝率25~65%程度、平均リターンもプラスマイナスが散在と、まぎれもなく中立水準。短期トレードでは成績不安定のため避けるべきゾーン。
ARBX [-20%~-50%] かつ ARBX-S(短期) [+0.5~+1.5]
裁定取引需給バランス指数が-20%~-50%の区画で、裁定取引ストレス指数が+0.5~+1.5の場合、AIの評価では、ここがリターンと効率性のバランスが最良で有効なエッジがあると見て最適シグナルとしている。安定した高リターンで最大ドローダウンがギリギリ許容範囲内。ただ、許容範囲内ではあるものの高いため損切りの最適化で対処する。損切りラインは最大ドローダウンの半分から70%程度、あるいは1σ〜1.5σ程度が妥当なので、-4~-5%が実践的。
ARBX [-50%~-100%] かつ ARBX-S(短期) [-1.0~-2.0]
裁定取引需給バランス指数が-50%~-100%の区画で、裁定取引ストレス指数が-1.0~-2.0の場合、裁定は売り込まれている状態で、AI評価でもここは短期トレードの逆張りのポイントとしている。1~2週間の平均リターンも爆発力があり、日経平均株価の30年平均の1~2週間の平均リターンを大きく上回る。ただ、最大ドローダウンが許容範囲を超えているので損切りラインの最適化が必須。また、裁定取引ストレス指数が-2.0以下になれば勝率57%、平均リターン0%~マイナスにまで落ちる。つまり、まだ売り込まれることもあるということ。損切りの徹底で対処する。リターンを取りやすいゾーンなので損切りを徹底していれば年間のリターンは確保しやすい。
ARBX × ARBX-S(中期)の買いシグナル
| ARBX | ARBX-S(中期) | 評価 | 評価指標 |
|---|---|---|---|
| +50%~+100% | – | 勝率50%台で中立。ただし、ARBX-Sが+2.0以上で急激に悪化(解説欄参照) | |
| +20%〜+50% | -0.5~-2.0 | 勝率:72.4~80.6 平均リターン:0.95 リターン標準偏差:1.30~1.87 RR比:0.51~0.74 最大DD:7.29 短期シャープ:0.56~0.78 | |
| -20%〜+20% | – | 中立水準。ARBX-Sは、どのしきい値でも成績不安定。避けるべきゾーン。 | |
| -20%~-50% | +0.5~+1.5 | 勝率:66.7~86.7 平均リターン:0.84~2.38 リターン標準偏差:1.74~1.85 RR比:1.29 最大DD:6.29 短期シャープ:0.65~0.96 | |
| -50%~-100% | -1.0~-1.5 (及び≦-1.5) | 勝率:76.6 平均リターン:2.78 リターン標準偏差:2.80 RR比:0.99 最大DD:7.90 短期シャープ:0.88 |
※メジャーSQで発出されるシグナルは対象外(説明は後述)
解説
ARBX [+50%~+100%]
裁定取引需給バランス指数が+50%~+100%の区画では、裁定取引ストレス指数はどのしきい値でも勝率は50%台。平均リターンも薄く、買いでも売りでも短期トレードでは取りにくい。一方、裁定取引ストレス指数が+2.0を超えてくると、勝率、平均リターンともに急激に悪化するため要注意。買われ過ぎシグナルが機能してくる。
ARBX [+20%~+50%] かつ ARBX-S(中期) [-0.5~-2.0]
裁定取引需給バランス指数が+20%~+50%の区画で、裁定取引ストレス指数が-0.5~-2.0の場合、勝率は72.4~80.6%程度。期間中に120件以上出現し、再現性も有効である可能性が高く、買い偏重の中の売りのため、短期トレードの押し目買いのポイントとして有望。ここまで勝率の高い押し目買いシグナルはなかなかないので、このゾーンは明らかに有効なエッジがあると見れる。一方、30年平均の日経平均株価の1~2週間の平均リターンより高い平均リターンだが薄く、爆発力がない。そのため、短期の押し目買いが成功してトレンドに乗ったのであれば、テクニカル分析で短期トレンドの転換が出現するまで保有して利益を伸ばす方法は有効。
ARBX [+20%~-20%]
裁定取引需給バランス指数が+20%~-20%の区画では、裁定取引ストレス指数のしきい値別の検証では勝率13~71%程度、平均リターンもプラスマイナスが散在と、まぎれもなく中立水準。短期トレードでは成績不安定のため避けるべきゾーン。
ARBX [-20%~-50%] かつ ARBX-S(中期) [+0.5~+1.5]
裁定取引需給バランス指数が-20%~-50%の区画で、裁定取引ストレス指数が+0.5~+1.5の場合、悲観的な裁定環境からの回復局面を表している。高勝率であるため、このゾーンでの短期の順張りは機能しやすい。損切りラインを最大ドローダウンの半分から70%程度、あるいは1σ〜1.5σ程度で入れるトレードを徹底すれば基本的に勝てるゾーン。
ARBX [-50%~-100%] かつ ARBX-S(中期) [-1.0~-1.5(及び-1.5以下)]
裁定取引需給バランス指数が-50%~-100%の区画で、裁定取引ストレス指数が-1.0~-1.5の場合、裁定は売り込まれている状態で、AI評価でもここは短期トレードの有望な逆張りのポイントとしている。トリガーとして非常に優秀。平均リターンの爆発力もある。バックテストの期間中に出現回数が50件に満たないゾーンは再現性がないと判断し、シグナルにならないとして排除しているが、再現性を無視するのであれば、裁定取引需給バランス指数がこの水準で、裁定取引ストレス指数がよりマイナスに深いほど、逆張りの爆発力はより大きくなる傾向がある。出現回数は極少だが裁定取引ストレス指数が-2.5~-3.0まで落ちれば平均リターンは9%に達する(バックテストでは-3.0までの検証しかしていない)。最大ドローダウンがそこそこなので損切りラインを徹底する必要があるが、裁定取引需給バランス指数が-50%~-100%の区画で裁定取引ストレス指数が-1.0以下のゾーンは、逆張りを仕掛けるいいタイミングになると見れる。
売りシグナル「裁定取引需給バランス指数 × 裁定取引ストレス指数」
裁定指標シリーズの各指数は、売りシグナルを出しません。裁定で注目されるのは裁定解消売りですが、この裁定解消売りは「仮需比率」がそのタイミングを捉えやすく、売りシグナルは仮需比率を見てもらう方が最適であるためです(仮需比率の推移はチャート下のリンク先のページで掲載)。裁定指標シリーズの各指数のバックテストにおいて、勝率が50%未満で平均リターンがマイナスのものは売りシグナルになりますが、データ分析の結果、これは「買いは避けるべき」シグナルとして見てもらうのが最適と評価しています。ただし、ここではわかりやすく”売りシグナル”と称して紹介しています。
ARBX × ARBX-S(短期)の売りシグナル
| ARBX | ARBX-S(短期) | 評価指標 |
|---|---|---|
| +50%~+100% | +1.0~+2.0 | 勝率:47.4~51.9 平均リターン:-0.19 リターン標準偏差:2.54 RR比:-0.07 最大DD:15.22 短期シャープ:-0.06~-0.10 |
| -20%〜+20% | – | 中立水準。ARBX-Sは、どのしきい値でも成績不安定。避けるべきゾーン。 |
| -20%~-50% | -1.5~-3.0 | 勝率:33.3~38.9 平均リターン:-2.63~-3.25 リターン標準偏差:7.37 RR比:-0.44 最大DD:17.69 短期シャープ:-0.61 |
※メジャーSQで発出されるシグナルは対象外(説明は後述)
解説
ARBX [+50%~+100%] かつ ARBX-S(短期) [+1.0~+2.0]
裁定取引需給バランス指数が+50%~+100%の区画で、裁定取引ストレス指数が+1.0~+2.0の区画は、出現件数が最も多いゾーンです。買い偏重の中で買いが入っている状態ですが、明らかな買いの負けパターンの傾向があります。一方、売りも取れないので、このゾーンはトレードを避けるべきゾーンです。
ARBX [+20%~-20%]
裁定取引需給バランス指数が+20%~-20%の区画の中立水準は、成績不安定のため避けるべきゾーンです。
ARBX [-20%~-50%] かつ ARBX-S(短期) [-1.5~-3.0]
裁定取引需給バランス指数が-20%~-50%の区画で、裁定取引ストレス指数が-1.5~-3.0の区画は、売り偏重の中で売り込まれている状態です。さらに売り込まれる可能性が高く、ここで買いで入るのは落ちるナイフに手を出すパターンになりやすいです。
ARBX × ARBX-S(中期)の売りシグナル
| ARBX | ARBX-S(中期) | 評価指標 |
|---|---|---|
| +50%~+100% | >+2.0 | 勝率:20.0~33.3 平均リターン:-0.52~-1.96 リターン標準偏差:2.48 RR比:-0.25~-0.79 最大DD:13.18 短期シャープ:-0.32~-0.87 |
| -20%〜+20% | – | 中立水準。ARBX-Sは、どのしきい値でも成績不安定。避けるべきゾーン。 |
| -20%~-50% | -1.0~-2.5 | 勝率:0.0~58.3 平均リターン:-1.59~-7.31 リターン標準偏差:2.42~7.38 RR比:-0.04~-0.99 最大DD:14.54 短期シャープ:-0.7~-1.00 |
※メジャーSQで発出されるシグナルは対象外(説明は後述)
解説
ARBX [+50%~+100%] かつ ARBX-S(中期) [>+2.0]
裁定取引需給バランス指数が+50%~+100%の区画で、裁定取引ストレス指数が+2.0以上の区画は、勝率2、3割、平均リターンもマイナスで急激に悪化する。買い偏重の中での買われ過ぎシグナルが機能している。過熱感から売りが出やすくなる。
ARBX [+20%~-20%]
裁定取引需給バランス指数が+20%~-20%の区画の中立水準は、成績不安定のため避けるべきゾーンです。
ARBX [-20%~-50%] かつ ARBX-S(中期) [-1.0~-2.5]
裁定取引需給バランス指数が-20%~-50%の区画で、裁定取引ストレス指数が-1.5~-2.5の区画は、売り偏重の中で売り込まれている状態です。裁定取引ストレス指数が-1.0で踏みとどまれば勝率7割程度で反発しやすいが、-1.0を割るとさらに売り込まれやすい。明らかに売りゾーンで、ここで買いで入るのは落ちるナイフに手を出すパターンになりやすいです。
SQの関係は?
当ページでは、チャートの欄に「裁定取引需給バランス指数とオプションSQ日のチャート」と「裁定取引需給バランス指数とメジャーSQ日のチャート」を掲載しています。ここでは、SQと裁定取引の関係と影響度について記載します。
オプションSQとメジャーSQの概要
| 種類 | 内容 | 月 | 対象 |
|---|---|---|---|
| オプションSQ(ミニSQ) | オプションだけの清算価格決定日 | 下記以外の毎月第2金曜 | オプションのみ |
| メジャーSQ | 日経225先物+オプションの清算価格決定日 | 3・6・9・12月第2金曜 | 先物+オプション |
SQが裁定取引に与える影響は?
A:メジャーSQは影響度が非常に大きく、オプションSQは比較的小さいです。
オプションSQは先物の満期がないため、裁定ポジションの巻き戻し(アンワインド)は起きにくいです。一方、メジャーSQは裁定の需給バランスの変化を伴う明確なポジション調整が強く表れやすいため、裁定取引需給バランス指数は大きく変動しやすく、一時的に極端な値を示しやすいです。
SQ日は裁定・先物・オプションなどが絡む「強制的なリバランス」が起こる特殊な日です。裁定ポジションや先物による歪みがSQで一気に解消され、回帰圧力が強まります。
裁定ポジションとSQの関係を表にすると以下のようになります。
| 裁定指標 | オプションSQ | メジャーSQ |
|---|---|---|
| 裁定買い残 | あまり変化しない | 大きく変化しやすい |
| 裁定売り残 | 同上 | 同上 |
| バランス(買い−売り) | 小幅にしか動かないことが多い | SQ週に変動しやすい |
| 日経平均価格変動 | 小さい〜中程度 | 大きい(特に寄付き) |
| ヘッジ需給 | 軽度に発生 | 強い |
オプションSQが裁定取引に与える限定的?
A:直接的影響は小さいですが、需給を通じて間接的に影響することがあります。
裁定買い・売りは基本的に「先物と現物の価格差」に対して行われます。ゆえに、オプションだけのSQはポジションの巻き戻しは起きにくく、裁定の需給バランスへの影響は限定的ですが、オプション需給による派生的な影響はあります。
SQ週にはオプションの最終清算があるため、イン・アウト・アット・ザ・マネーのコール/プットの清算需要が増します。特にデルタ・ガンマ・ベガヘッジによって先物に影響が及ぶ場合があります。デルタヘッジのために先物を大量に買う/売れば、先物価格が動き、裁定の価格差拡大/縮小に影響があります。
また、機関投資家やヘッジファンドなどが「オプションSQ週の裁定歪み」を狙うこともあります。特にアット・ザ・マネー近辺のオプション価格の不自然な動きが見られることがあり、それに対する裁定やショートカバー・ヘッジによって先物・現物市場が一時的に歪むことがあります。
メジャーSQで発出されるシグナルは無視する
メジャーSQは、先述の通り特殊な日ですので、裁定取引需給バランス指数を含む裁定指標シリーズの各指標は異常値を出しやすいです。裁定取引の需給の異常値を捉える「裁定取引ストレス指数」も異常値を出しやすく、メジャーSQでの異常値出現率(裁定取引ストレス指数±2σ以上の出現率)は約42%です。異常値は違う見方をすれば売買チャンスともなりますが、メジャーSQは年に4回しかありません。10年で40回、20年でも80回と、検証するデータ件数としては極端に少ないです。また、裁定プレイヤーは概ね5年スパンで構造変化が起こりやすく、市場構造や制度の変化も考慮すると、裁定取引の古いデータはほぼ意味を持ちません。
株式マーケットデータでは、過去のメジャーSQのバックテストを実施し、機械学習とAIを組み合わせて様々な検証を行いました。その結果、明確な高リターンクラスタは存在せず、損失発生ゾーンも散在しており、そもそも件数が少なく再現性も担保できないことから、メジャーSQはシグナルトレードの対象外にすべきと評価しました。この評価からバックテストもメジャーSQは除外して実施しています。
一方、バックテストでオプションSQは含めて検証し、こちらは裁定指標シリーズの各指標が発出するシグナルは高品質でした、ゆえに、「裁定指標シリーズの各指標が発出するシグナルはメジャーSQ時のみ無視する」という見方をして下さい。
FAQ
裁定取引需給バランス指数で高水準や低水準が続く理由は?
裁定取引需給バランス指数の推移を見てもらえれば、+50%以上や-50%以下が続く傾向があると思います。これは、以下の構造的な要因によるものです。
- 裁定買い/売りのポジションは急には解消されにくい(先物・現物の両建てでヘッジ目的のため)。
- ファンド戦略(裁定取引型)が中期で継続する傾向がある。
- 配当・先物期近要因なども影響し、バランスが一定方向に偏りやすい。
裁定買い残が極端に偏っていても、すぐに相場が反転するとは限りません。裁定ポジションの解消が完了して初めて相場に影響が出る場合が多いです。
裁定取引需給バランス指数が+80になった場合は売りサイン?
A. そうではありません。ただ、過去平均から見て過熱状態の水準です。
裁定取引ストレス指数で異常値が出ていないかを確認し、裁定取引モメンタム指数がマイナスであれば天井を打った可能性があります。仮需比率を見て裁定解消売りが出やすい状況かどうかも確認しましょう。
裁定取引はすべての相場に影響する?
A. 主に日経平均先物を中心とした大型株に強い影響を与えるため、東証プライム全体やTOPIXの動きにも一定の示唆があります。
- 当ページは、裁定取引需給バランス指数の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 毎営業日公表(前々営業日分のデータ)
- ARBX(Arbitrage Supply-Demand Balance Index) historical data&chart
- Ⓒ株式マーケットデータ
- 裁定取引需給バランス指数は、2025年8月より当サイト「株式マーケットデータ」で公開を開始した指標です。著作権はすべて株式マーケットデータにあります。





