日経VIの概要
日経VIは、市場が見込んでいる日経平均株価の1ヵ月先の変動率を示した指数です。日経平均株価に対する投資家の心理を示す指数で、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。先行き不安か楽観的かを示した指数で、日経平均株価の上昇・下落と日経VIの上昇・低下を見ることによって、投資家が相場の先行きについてどのような見方をしているのかがわかります。日経VIを見て投資家心理をつかみましょう。
当ページでは、日経VIの長期チャートや日経平均株価との比較チャート、VIX指数との比較チャート、プットコールレシオとの比較チャートも掲載しています。
- 当ページは、日経VIの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「日経VI(ボラティリティインデックス)とは」
「日経VIの見方」
「日経平均株価が急落しても日経VIが上がらない時の理由」 - Source:日本経済新聞社
- Volatility Index(NIKKEI225-japan) historical data&chart
日経VIとは?
日経VIは、大阪取引所に上場している日経平均先物と日経平均オプションの価格をもとに算出した指数です。直近二限月のオプションのうち、直近限月の先物価格を基準としてOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)となる権利行使価格のオプション価格を用いて、それぞれの限月のボラティリティーを算出し、満期が30日になるように線形補間されている指数です。
日経VIの水準と過去の傾向
日経VIは、通常は20前後で上下します。
過去の傾向としては、投資家心理が悪化して日経VIが30程度まで上昇すると、日経平均株価の相場が底になりやすいです。ただし、自然災害や金融危機が起こった際、日経VIは70程度まで上昇したことがありますので注意が必要です。日経VIの過去最高値は2008年10月31日の91.45です。また、日経VIは25割れあたりで日経平均株価は押しが効きやすく、15以下になれば低過ぎるので日経平均株価の急落の可能性が高まる傾向があります。
日経平均株価と日経VIとオプションの上昇と低下の関係
日経VIはオプション価格を使った指数ですので、日経平均株価のオプション取引によって上下する指数です。よって、どういったオプションの取引で上下しているのかを把握しておく必要があります。
- 日経平均株価が上昇し、日経VIが上昇している場合
コールオプションが買われている状態です。プットオプションが利食われていないので、この先も日経平均株価の相場に不安が残っている状態です。 - 日経平均株価の上昇し、日経VIが低下している場合
日経平均株価の下落局面から戻り相場になっている(下落相場から反発している)場合の基本の形です。プットオプションが売られている状態です。 - 日経平均株価が下落し、日経VIが上昇している場合
日経平均株価が下落する場合の基本の形です。プットオプションが売られている状態で、この先の日経平均株価の相場に不安がある状態で、先行き日経平均株価の下落が予想される状態です。 - 日経平均株価が下落し、日経VIが低下している場合
コールオプションが売られている状態で、下落相場の長期化が予想される形です。基本的には、日経平均株価は戻り売りの展開となりやすいです。
これらは、相場が必ずそうなるというものではありませんが、日経平均株価と日経VI、オプションの関係を把握しておくことで、投資家が先行きどのような見方をしているのか、その心理を計ることができます。
日経VIとプットコールレシオはどう見ればいい?
当ページでは以下のチャートの欄に、日経VIと日経平均株価のプットコールレシオの比較チャートも掲載しています。プットコールレシオの見方の解説は、以下のチャートの欄に掲載している「プットコールレシオ(日経平均とTOPIX/日本))のリンク先のページを参照して下さい。ここでは、日経VIとプットコールレシオの見方について記載します。
- 日経VIが上昇し、プットコールレシオが上昇している場合
日経VIが上昇してプットコールレシオが上昇している場合、株価下落リスクが高いです。ボラティリティの上昇と投資家の弱気な見通しが高まっている状態で、投資家がリスク回避のためにプットオプションを買っている可能性が高く、短期的な相場下落が予想できます。ただし、プットコールレシオの上昇がプットオプションの買いによるものではない場合、コールオプションの減少やショートカバーの減少、ヘッジ解消などが考えられますが、この場合、投資家はボラティリティに警戒しつつも株価下落リスクに対してそれほど警戒していない可能性が高いです。プットオプションが増えていなければ、投資家は株価下落を強く予測しておらず、市場全体が方向感が定まらずボラティリティだけが先行して上昇している可能性があります。 - 日経VIが低下し、プットコールレシオが低下している場合
日経VIが低下してプットコールレシオが低下している場合、株価上昇が期待されます。一般的にこの状態はポジティブなシグナルで、ボラティリティが低下して市場は安定的で強気な見通しが強まっている状態です。ただし、この状態が続くと投資家の過剰なリスク軽視が懸念され、過剰楽観で過熱する可能性があり、偏ったポジションが形成されやすくなります。ボラティリティが低い期間が続いた後は、小さなリスクイベントでもボラティリティショックが起こりやすくなるため注意が必要です。 - 日経VIが上昇し、プットコールレシオが低下している場合
日経VIが上昇してプットコールレシオが低下している場合、日経VIとプットコールレシオで逆行現象が起こっています。ボラティリティが高まっているにも関わらずコールオプションが買われている状態で、短期的な価格変動の上昇の中でも楽観的な見通しがあるか、何らかの要因で株価上昇を期待している可能性があります。これが一般的な解釈ですが、プットコールレシオは予見性がありますので(日経VIに予見性はない)、日経VIの上昇の前にプットコールレシオが上昇していた場合、先の「株価下落+日経VI上昇」に対して投資家は事前にプットオプションを仕込み終えており、予見していた「株価下落+日経VIの上昇」がきたのでプットオプションを解消し、プットコールレシオが低下している可能性も高いです。これはよくあるケースです。この際、保険で買っていたプットオプションが不要になって解消したため、先の株価上昇を見越してプットオプションの解消と共にコールオプションを新たに購入してプットコールレシオが低下している可能性があります。プットオプションを解消し、コールオプションが買われていれば株価上昇も期待されますが、ボラティリティが高まっている中でのプットオプションを解消(ヘッジの解消)は、リスク軽視の兆候にもなり、予想外のことが起これば急速なリスクオフの動きにもつながりやすいです。この他にも、単にボラティリティトレードによって日経VIが上昇してプットコールレシオが低下している場合もあります。 - 日経VIが低下し、プットコールレシオが上昇している場合
日経VIが低下してプットコールレシオが上昇している場合、これも逆行現象が起こっています。ボラティリティが低下しているにも関わらずプットオプションが買われている状態で、投資家が悲観的で株価下落リスクを警戒している状態です。短期的には市場の安定を見ているものの先行きのリスクを警戒している状態です。将来的に悪材料が出てくると予想している場合、ボラティリティーの低下の一方、プットオプションが買われてプットコールレシオが上昇しやすいです。長期的な不安が潜在的に存在している状態です。
また、機関投資家や大口のファンドが市場リスクのヘッジのためにプットオプションを買い進めている可能性があります。日経VIが低い時にプットオプションを安価で手に入れて将来の不確実性に備えているとも考えられます。
日経VI先物とSQ値の推移はこちら
日経VIを対象とする先物取引「日経平均VI先物(日経VI先物)」のリアルタイムチャートと、日経平均VI先物(日経VI先物)のSQ値の推移(チャートと時系列)は、以下のページで掲載しています(解説付き)。
チャート(日経VI)
[月次] 日経VIの長期チャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- 日経平均株価との比較チャートにしています。
- チャートは日経VIの20ラインと30ラインに黒色の点線を引いています。
- それぞれ月末終値。
- Chart [Volatility Index(NIKKEI225-japan)-Monthly]
[日次] 日経VIのチャート
- 日経平均株価との比較チャートにしています。
- Chart [Volatility Index(NIKKEI225-japan)-Daily]
チャート(日経VIとVIX指数)
[月次] 日経VIとVIX指数の長期チャート
- VIX指数との比較チャートにしています。
- それぞれ月末値(終値)を反映しています。
- Chart [Volatility Index(NIKKEI225-japan)-CBOE Volatility Index(VIX)-Monthly]
- VIX指数の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
[日次] 日経VIとVIX指数のチャート
- Chart [Volatility Index(NIKKEI225-japan)-CBOE Volatility Index(VIX)-Daily]
チャート(日経VIとプットコールレシオ)
[日次] 日経VIとプットコールレシオ(日経平均株価)のチャート
- 日経VIと日経平均株価のプットコールレシオのチャートです。
- 見方の解説は上記の解説欄を参照して下さい。
- Chart [Volatility Index(NIKKEI225-japan)Put Call Ratio(NIKKEI225))-Daily]
- プットコールレシオの解説と推移は、以下のページで掲載しています。
[速報] 最新データ|日経VIの時系列(historical data)
日付 | 日経VI | 前日比 |
---|