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リバースレポ取引額(FED・FRB)米国・アメリカ

FED(FRB)のリバースレポ取引額の最新データを速報で掲載しています。
FRBはQE(量的緩和)で資金供給を行い、リバースレポで資金吸収をしています。リバースレポ取引額は公開市場操作によってFRBが売却した米国債の推移を示していますので、米国のカネ余りの度合いが測れます。当ページでは、FRBのバランスシートとの比較チャートも掲載しています。

リバースレポ取引額(frb)

AIによるリバースレポ取引額の重要度評価

4.7

FRBのリバースレポ取引(RRP)は、短期金利の下支えと市場の流動性管理を目的とした重要な政策手段。特に余剰流動性が高まった際に、市場から資金を吸収することで、短期金利が政策金利の下限を下回らないよう調整する。リバースレポ取引(RRP)はSOFR(担保付き翌日物資金調達金利)の下支えとして機能し、金融市場の短期金利における政策金利誘導の精度を向上させる。大規模な量的緩和(QE)後の余剰流動性を吸収することで、市場の金利が急低下するリスクを防ぐ。取引額の変動は、金融市場の流動性状況や投資家のリスク選好の変化を示す指標として有用。特に、取引額が高水準にある場合、金融市場で安全資産の需要が高いことを示唆する。一方、RRPの過度な利用は、民間金融機関の短期資金調達行動を抑制し、金利市場の正常な価格発見機能を阻害するリスクがある。余剰流動性が減少する局面では、RRPの役割やその必要性が変化する可能性があり、政策の持続性に課題が残る。RRPは主に短期金融市場に影響を与えるものであり、実体経済や長期金利に直接的な効果を及ぼすことは限られる。

AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。

チャート(リバースレポ取引額)

[日次] リバースレポ取引額のチャート

frbのリバースレポのチャート

[週次] リバースレポ取引額とFRBのバランスシートのチャート

リバースレポとfrbのバランスシートのチャート
  • チャート画像クリックで拡大表示します。
  • Chart [Overnight Reverse Repurchase Agreements-Daily]
  • Chart [Overnight Reverse Repurchase Agreements,Balance Sheet(FRB)-Weekly]
  • リバースレポ取引額とFRBのバランスシートのチャートは、毎週水曜日時点のデータを反映しています。
  • QT(量的引き締め)局面では、FRBのバランスシート縮小は、その規模の適正水準がわからないのでFRBは手探りになります。その際、リバースレポが急速に低水準になると流動性低下が懸念されます。流動性が低下すると金融市場にとってはストレスになるため、バランスシート縮小は抑えるべきとの見方が多いです。

FRBのバランスシートの推移と解説はこちら

FRBのバランスシートの推移と解説は、以下のページに掲載しています。

SOFRとリバースレポの関係と影響

LIBOR(ライボー)の代替指標がNY連銀が公表している「SOFR(担保付き翌日物資金調達金利)」です。SOFRはレポ金利を基に算出されているためレポ金利の上昇・低下の影響を受けますが、過度に上昇・低下しないようにFRBはリバースレポを操作しています。

SOFRの推移(チャートと時系列)は、以下のページで掲載しています。

[速報] 最新データ|リバースレポ取引額の時系列(historical data)

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リバースレポとは?その意味

リバースレポ(RRP:Reverse Repurchase Agreement)とは、一定期間後の売戻しを条件に、金融機関連邦準備銀行に対して債券を購入することです。金融機関がFRB(連邦準備制度理事会)に短期資金を貸し出すし、見返りに国債などの証券を担保として受け取る取引のことをいいます。リバースレポはFRBの公開市場操作(オペレーション)の手段の一つで、金融機関の資金調達や運用の手段ともなっています。リバースレポはレポ取引の逆であることから「逆レポ」とも呼ばれています。

金融機関はこの取引で余剰資金を安全な形で運用することができ、FRBは短期的な市場金利をコントロールするための手段として利用しています。リバースレポは、短期金利の安定や市場の流動性の維持に役立つ重要なツールです。そのため、FRBは市場の状況に応じてリバースレポ取引額を適切にコントロールするよう努めています。

レポ取引とは?

レポ取引とは、一定期間後の買戻し(あるいは売戻し)の条件がついた取引です。「買戻し契約取引」とも呼ばれています。レポ取引では、債券の貸し手が借り手に債券を貸し出し、貸し手は担保金を受け入れて、その担保金の金利を支払います。借り手は債券を借り入れ、貸借料を支払うことになります。

レポ取引を簡単にいうと、一定期間の債券と資金を交換する取引です。翌日物のレポ取引であれば、「一定期間」は「翌日」を指します。レポ取引では、債券の貸し手は債券を貸し出して借り手から現金を受け取り、一定期間後に債券の貸し手は借り手から債券を返してもらって借り手に現金を渡します。そういった取引がレポ取引です。

レポ取引とリバースレポの違い

レポ取引は単に「レポ」とも呼ばれており、リバースレポはレポの逆をやるということで「リバースレポ」や「逆レポ」と呼ばれています。

レポ取引もリバースレポも、まったく同じ取引です。これは貸し手側か借り手側かの観点の違いたけです。つまり、貸し手側にとってはレポ取引である一方、借り手側にとってはリバースレポ、というように、反対の観点から説明されているだけのものであって、取引自体は同じです。

なぜリバースレポ取引額は増えたり減ったりするのか?

リバースレポ取引額はなぜ増えたり減ったりするのか?その増加要因はいくつかあります。

リバースレポ取引額の増加要因・減少要因①

金融機関の余剰資金が増えればリバースレポ取引額は増加します。金融機関が資金を余らせていれば、その一部をFRBに預けて金利を取ろうとするため、リバースレポ取引額が増加します。逆に余剰資金が減れば減少します。

リバースレポ取引額の増加要因・減少要因②

市場金利が低い場合、リバースレポ取引額は増加しやすいです。市場金利が低ければ金融機関はイールドハンティングでより利回りの高い運用先を探すためリバースレポに資金が流れやすくなり、リバースレポ取引額は増加しやすくなります。一方、市場金利が高い場合や金融機関がリバースレポより高い利回りの投資先に資金を振り向けた場合はリバースレポ取引額は減少しやすくなります。

リバースレポ取引額の増加要因・減少要因③

リバースレポ取引額は、FRBの金融政策によって増減します。その解説は以下の欄を参照して下さい。

FF金利(FFレート)とレポ取引・リバースレポ取引の関係

FRBの実務を担っているNY連銀は、FOMC(連邦公開市場委員会)によってレポ取引およびリバースレポ取引を行う権限が与えられています。レポ取引およびリバースレポ取引は、NY連銀の公開市場取引デスクが実施しています。

これらのレポ取引とリバースレポ取引の公開市場操作(オペレーション)は、FOMCで決定されるFF金利(FFレート・フェデラルファンドレート)の誘導目標を維持するために実施されており、FRBの効果的な金融政策と円滑な市場機能をサポートするために行われています。

FF金利の推移(チャートと時系列)と解説は、以下のページで掲載しています。

FF金利とFRBの誘導目標の上限と下限
米国(アメリカ)の現在のFF金利(FFレート・フェデラルファンド金利)とFRBの誘導目標の上限と下限のチャートと時系列です。リアルタイムの日次と月次の推移を掲載。米国株(S&P500)チャートも掲載。実効FF金利とは?わかりやすい解説も掲載。

リバースレポ取引額で何がわかる?その見方

FRBは量的緩和で資金供給を行い、リバースレポで資金吸収している

FRBはQE(量的緩和政策)で市場に資金供給を行っている一方、リバースレポによって市場から余った資金を吸収しています(FRBは民間の金融機関の求めに応じて、買戻すことを条件にFRBが保有する国債を貸し出し、その代わりに民間の金融機関から資金を受け取るリバースレポも行っています)。

リバースレポ取引額の増加・減少の意味

リバースレポ取引額は、一時的な公開市場操作によってFRBが売却した米国の国債(財務省証券)の推移を示していますので、米国のカネ余りの度合いが測れます。グラフは、FRBが市場(金融機関)から資金供給を行えば上昇し、資金吸収を行えば下がります。

FRBは量的緩和によって市場に大量の資金を供給していますが、一方で民間の金融機関は運用先が限られているため、リバースレポ取引額の膨らみは大量の余剰資金をかかえた金融機関の運用難も示しています。

以下に掲載しているリバースレポ取引額のグラフでは、時にリバースレポ取引額が急激に減少している局面を確認することができると思いますが、これはFRBがリバースレポで大量の資金吸収を行ったことを示しています。つまり、FRBが極端なカネ余りで運用難に陥っている民間の金融機関から余剰資金(ドル)を吸い上げていることを示しています。また、リバースレポ取引額が急速に減少すると、流動性の低下から金融市場にストレスを与えるリスクが増します。

リバースレポ取引額の急減を防ぐためにFRBはどうするのか?

リバースレポ取引額が急減すると金融市場にストレスがかかりますので、FRBは以下の対策を講じる場合があります。

  1. FRBはリバースレポ金利(RRP金利)を調整して金融機関が資金を預けるインセンティブを調整します。金利を引き上げてリバースレポ取引額を維持しやすくなります。
  2. 金融市場に流動性を供給するため、場合によって金融緩和に近い政策を取ることもあります。これにより、金融機関に余剰資金が増え、リバースレポ取引が活発化する可能性が出てきます。

リバースレポ取引額が枯渇したら?なくなったらどうなるのか?その影響

リバースレポ取引額がゼロに近づいた場合、あるいはなくなった場合、金融市場に以下のような影響が出やすくなります。

  1. 流動性が減少します。金融機関の余剰資金がなくなり、市場に流れる資金が減少します。これにより、短期金利が上昇する可能性があります。
  2. 金融機関はリバースレポ以外の運用先を求める行動に出ますので、リスクの高い資産に資金を移しやすくなります。これにより、金融市場におけるボラティリティが増加する可能性があります。
  • 当ページは、リバースレポ取引額(残高)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • 各指数・指標の解説
    リバースレポとは
  • Source:Federal Reserve Bank of New York
  • 当ページで掲載しているリバースレポ取引額は、FRBの実務を担っているNY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)が公表しているリバースレポ(翌日物)の取引額です(オーバーナイトリバースレポ)。これにはレポ取引およびリバースレポ取引が含まれています。取引の対象となっているのは、米国の財務省証券・連邦政府機関の債務、連邦政府機関が発行・保証しているモーゲージ担保証券です。
  • 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
  • 単位:10億ドル
  • 季節調整なし
  • Overnight Reverse Repurchase Agreements historical data&chart
  • Treasury Securities Sold by the Federal Reserve in the Temporary Open Market Operations