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SOFR(担保付き翌日物資金調達金利・ソーファー・ソフラ)

SOFRの最新データを速報で掲載しています。

SOFRは、米国債で担保された銀行間の資金調達金利(翌日物)の指標です。簡単にいうと、米国債を担保に資金を調達する際のコストで、上昇していればコスト↑、低下していればコスト↓。LIBORの代替指標で、レポ金利を基に算出されており、翌日物のレポ金利の指標となる金利です(解説欄でわかりやすく解説します)。米ドルの代替指標ともなりますが、過去に予想外の上昇・低下を招いたこともありますので、その推移を注視しておく必要があります。

sofr(レポ金利の推移)ソーファー(ソフラ)
SOFR(担保付き翌日物資金調達金利)

AIによるSOFRの重要度評価

4.7

SOFRは、米国の短期金利市場で広く使用される金利指標。特にドル建ての貸借に関連し、FF金利に代わる基準金利として注目されている。SOFRはリスクフリー金利として設計され、リスクプレミアムの影響を受けにくい特性を持つ。SOFRは米国国債を担保とした翌日物レポ取引を基に算出されており、市場実勢を正確に反映する。無担保のLIBORと比較し、信用リスクが排除されているため、信頼性が高い特徴がある。一方、無担保金利よりもボラティリティが高く、短期的な資金調達コストの変動が大きくなる場合がある。SOFRは国債を担保とした翌日物レポ取引金利を基に計算されるため、リバースレポ市場の動向がSOFRの動きに影響する。リバースレポ取引額が増加する局面では、市場における流動性需要が低下し、SOFRがリバースレポ金利に近づき、流動性需要が高まるとSOFRはリバースレポ金利を上回る傾向がある。

AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。

チャート(SOFR)

[日次] SOFRのチャート

sofr(担保付き翌日物資金調達金利・ソーファー・ソフラ)のチャート
  • Chart [SOFR:Secured Overnight Financing Rate-Daily]

リバースレポ取引額の推移はこちら

リバースレポの取引額の推移と解説は、以下のページで掲載しています。

[速報] 最新データ|SOFRの時系列(historical data)

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SOFRとは?

SOFR(英語:Secured Overnight Financing Rate|読み方:ソーファー・あるいはソフラ)とは、「担保付き翌日物資金調達金利」あるいは「担保付き一晩資金調達率」と訳される、米国(アメリカ)の財務省証券(米国の国債のことです)によって担保された翌日物(一晩)の現金を借りる際の指標となる金利(レート)です。

SOFRをわかりやすく簡単に

SOFRは、金融機関同士で取引される米国債を担保にした翌日物のレポ金利の実取引の平均です。つまり、レポ金利に連動する貸出金利の指標です。

と、これではわかりにくいので・・・

わかりやすく説明するために、まずはレポ取引とレポ金利についてわかりやすく解説します。

レポ取引ってどんな取引?わかりやすく解説!

レポ取引とは、米国の国債(米国債)と引き換えに同額の現金を貸す取引です。簡単に言うと、国債と現金を交換する取引です。

このレポ取引、メリットがあるから利用されています。

米国債を多く保有しているものの現金が不足している側は、このレポ取引によって現金を安く借りることができます。一方、多くの現金を持っている側は、このレポ取引で少ないながらも利益(リターン)を得ることができます。米国債が担保となっていますのでリスクも低いのが特徴です。

レポ金利はどうやって決まる?

レポ取引は、多くの場合「翌日」の取引です。つまり、1日だけの取引です。米国債で現金を借りた側は、翌日に少し高い価格で米国債を買い戻します。この価格差で「レポ金利」が決定します。

金利とは、簡単に言うと「お金のレンタル料」です。この取引では翌日に買い戻すことが条件となっていますので、1日だけのお金のレンタル料がレポ金利です(1日だけでない取引もありますが、ここでは割愛します)。

ちなみに「レポ」とは、”買戻しの条件付き売却”を意味します。つまり、米国債で現金を借りた側は、翌日に少し高い価格で米国債を買い戻すことを条件に現金を借りているのです。レポ取引は、それが条件の取引です(その条件で貸し手と合意しています)。

逆に”売戻しの条件付き購入”を「リバースレポ」といいます。リバースレポの解説は、上記で紹介したリバースレポ取引額のリンク先のページに記載しています。

レポ金利はなぜ上昇したり低下したりするのか?

レポ金利は、上昇したり低下したりします。つまり、お金のレンタル料が上がったり下がったりするのです。これは、現金の需給によります。現金が不足している状況であれば、高い金利(レンタル料)を払ってでも借り手は現金を得なければならないのでレポ金利は上昇しますし、逆の場合はレポ金利は低下します。

レポ市場の取引参加者は?

レポ取引が行われる市場を「レポ市場」と言います。

このレポ市場、どんな方が取引しているのでしょうか?

米国のレポ市場の主な取引参加者は、証券会社やヘッジファンド、そしてMMF(マネーマーケットファンド)です。MMF(マネーマーケットファンド)の解説は、以下のページでわかりやすく解説していますので参照してください。

MMF(米国)ー株式への待機資金
米国のMMF残高(マネーマーケットファンド)のチャートと時系列です。株価(S&P500)との比較チャートも掲載。株式への待機資金を示す指標でもあり、短期金融市場に占める割合が大きく金融システムの中核。FRBがマイナス金利を導入すれば影響大。

証券会社やヘッジファンドはポートフォリオが巨大である一方、現金が必要な「借り手」です。つまり、レポ取引において米国債を担保に現金を借りようとする側です。彼らは、マーケットメイクをする上で国債を持つ必要がありますが、国債を購入するのには資金が必要です。その際、金利は低い方がいいのでレポ市場を利用しています。

一方、現金を供給する側、つまり「貸し手」となるのは、主にMMF(マネーマーケットファンド)です。

MMFは、主に短期の金融商品で運用している投資信託です。このMMFは米国の金融システムの中核となっていますが、MMFは短期の投資先が必要で、しかも流動性が高く価格変動リスクが低い資産で運用する必要があり、リスクが低くなければなりませんので、安全資産である米国債が担保となるレポ取引を必要としています。よって、レポ取引の主な貸し手となっています。この他にも米国の預金取扱機関も貸し手となっており、政府支援機関(GSE)や投資信託などがそれにあたります。

SOFRはLIBOR(ライボー)の代替指標!

さて、そんな翌日物のレポ金利の指標となる金利(レート)が「SOFR」です。これまでは「LIBOR(ライボー:ロンドン銀行間取引金利)」がその役割を担っていましたが、LIBORは不正操作事件があったため、世界の中央銀行はLIBORに代わる指標が必要となりました。米国では、2018年4月3日にFRB(連邦準備制度理事会)の実務を担うNY連銀(ニューヨーク連銀)が、LIBORの代替指標となるリスクフリーレートとしてSOFRの公表を開始しました。SOFRは、算出の基となる取引規模が1兆ドル程度あることから、LIBORより不正が生じにくいとされています。

SOFRは米ドルの指標?

LIBORは2022年以降に存続が保証されないため、SOFRが米ドルの代替指標となりますが、これまで予想外の上昇・低下を招いた経緯があることから安定性に欠け、懐疑的な見方をしている投資家も多いです。SOFRが安定的でないと米ドル相場に影響しますので注意が必要です。

SOFRの上昇・低下の影響

SOFRはレポ金利を基に算出されますので、その上昇・低下の影響を受けます。毎月18日は政府支援機関(GSE)のファニーメイやフレディマックが住宅ローンの支払いを受けるためにレポ市場にキャッシュを投じるためレポ金利の低下要因となり、キャッシュを引き上げる際はレポ金利上昇要因となります。一方、FRBはレポ金利が過度に上下しないようにリバースレポ金利超過準備金利を操作していますが、今後のFRBの利上げ・利下げ観測が高まる局面では、短期国債の需給によってレポ金利が過度に上下することがありました。

FF金利とSOFRの違いは?

SOFRは、通常はFF金利(ffレート・フェデラルファンドレート)と似た動きをします。

FF金利の解説と推移は、以下のページで掲載していますので参照してください。

FF金利とFRBの誘導目標の上限と下限
米国(アメリカ)の現在のFF金利(FFレート・フェデラルファンド金利)とFRBの誘導目標の上限と下限のチャートと時系列です。リアルタイムの日次と月次の推移を掲載。米国株(S&P500)チャートも掲載。実効FF金利とは?わかりやすい解説も掲載。

SOFRもFF金利も金融機関同士のやりとりにつく金利ですので、通常は同様の動きをしますが、FF金利は金融機関がFRBに預けている準備金を無担保で貸し出す際につく翌日物の金利という点に違いがあります。FF金利は、FRBが金融政策において1年未満のお金の貸し借りが交わされる市場をコントロールする目的で調整している政策金利です。FRBはレポ市場に介入しており、基本的に狭いレンジになるようFF金利を誘導しています。

レポ金利が急上昇!その原因は?

レポ市場の取引参加者は、通常はSOFR(レポ金利)とFF金利は似た動きをすると踏んでいますのでそれをアテにしていますが、過去(2019年9月)それに反してFF金利と乖離してレポ金利が急上昇したことがあります。特定の原因は解明されていませんが、現金需給の傾きが原因と考えられます。2019年8月は米国債が大量に発行されましたが、米国債の償還の金額がそれに対して低く、米国債を買う側はドルを借りて国債を買わなくてはいけないので、ドル資金の需要が増えてしまい金利が跳ね上がったと考えられます。そういったことは、通常は年末や四半期末に起こりやすい現象ですが、イレギュラーで出てくる場合もあります。通常より国債の発行が多い場合に起こりやすく、このレポ市場の混乱は株や為替など他の金融市場にもショックを引き起こしましたので注意が必要です。

ウォール街の銀行は日々の資金調達に翌日物レポ取引に頼っていますし、レポ金利がボラタイルに動いている時は金融当局が統制を失っていることを意味しますので、急上昇等の際は注意深く見ておく必要があります。

レポ金利が急上昇したら、どうなる?

国債の上昇や資金調達需要、規制など、様々な要因によってレポ金利がボラタイルな動きをする場合がありますが、レポ金利がボラタイルな動きをする、つまり短期資金調達市場のボラティリティーが懸念される状況ですが、この場合、上記のように金融当局が統制を失っていることを意味し、米国の中央銀行にあたるFRBの金融政策運営に支障が出る可能性があります。

短期資金調達市場のボラティリティーが懸念される状況というのは、資金調達の機能不全を意味しますので、政府などの借り入れコストを圧迫する可能性があり、経済にとってリスクとなります。よって、通常であれば金融当局が国債買い入れなどでここに介入して市場を安定させる流れになると思います。

  • 当ページは、SOFRの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • 各指数・指標の解説
    SOFRとは
  • Source:Federal Reserve Bank of New York
  • FRBの実務を担うニューヨーク連銀が公表しているSOFRを掲載しています。
  • 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
  • SOFR:Secured Overnight Financing Rate(セキュアオーバーナイトファイナンスレート)・Repurchase rate historical data&chart