米国のMMF(マネーマーケットファンド)残高の概要
米国(アメリカ)のMMF(マネーマーケットファンド)の残高の最新データを速報で掲載しています。MMF残高は、株式への待機資金としても見られています。MMFは米国の金融システムの中核です。もし、FRBがマイナス金利を導入した場合の影響も見ておきましょう。
MMFとは?
MMF(読み方:えむえむえふ|英語:Money Market Fund/マネーマーケットファンド)とは、主に短期の金融商品で運用する投資信託です。流動性が高く、価格変動リスクが低い資産で運用する投資信託です。
MMFの主な投資対象は、1年未満の国債や地方債、社債などの公社債、CP(コマーシャルペーパー)、金融機関が日々の資金の貸し借りに使うローン(コールローン)などの短期金融資産です。元本保証はありませんが比較的安全性が高い公社債を中心とした投資信託で、銀行の普通預金より金利(利回り)が高いのが特徴です。
MMFが短期金融市場に占める割合
米国のMMFは短期金融市場に占める割合が、レポ市場やCP(コマーシャルペーパー)市場では約3割、TB(T-bills|財務省短期証券)市場でも25%以上となっています。
MMFは米国の金融システムの中心(FRBの金融政策)
上記のように、米国のMMFは短期金融市場に占める割合が非常に大きいため、米国の金融システムの中核となる最も大きな存在です。ゆえに、FRB(連邦準備制度理事会)は金融政策で、このMMFの金利が極端に上下するような政策は基本的には取りません。また、2019年の米国のレポ金利急騰時のように、突発的な金利の動きには資金供給を行って金利を抑えにかかります。MMFのクラッシュは米国の金融システムのクラッシュを意味しますので、MMFに大きな影響が出るリスクは取らないと考えられます。
MMFのマイナス金利の影響について
MMFは、短期の投資信託の一種です。上記の通り、短期金融市場に占める割合が非常に大きいため、例えば米国でマイナス金利政策が導入された場合、レポやCP、TBの金利がマイナスとなってしまい、利回りもマイナス、投資家がMMFから資金を引き上げる可能性が高い状況となります。
投資家がMMFから資金を引き上げると、レポやCP、TBを使って政府や企業に流れていたお金が流れなくなり、大きな副作用が出る可能性があります。MMFの投資先の市場が壊れてしまった場合、むしろ金利が上がる可能性もあるため、FRBはマイナス金利を導入しないと考えられています。
MMF残高で何がわかる?その見方
MMFは株式への待機資金(リーマンショック時のMMFの水準はどれくらい?)
MMFは流動性が高く、価格変動リスクが低い資産で運用する短期の投資信託ですので、投資家が短期的にリスクを避ける時に残高が増加しやすい傾向があります。リーマンショック時は、MMF残高がその時点でのピークをつけました(約3.8兆ドル)。リーマンショック時はMMF残高がその時点でピークをつけ、リーマンショック後はMMF残高の減少にとともに米国株は戻りの展開となりました。
一方で、MMFはリスク資産である株式やその他の投資信託へ投資する「待機資金」とも見られています。株式への待機資金の状況を見る場合、一般的にこのMMF残高を見ることが多いです。
株高とMMF残高の増加
株高が続く局面でMMF残高が増加している場合、投資家はリスクを警戒して株高を様子見していると見ることができます。ただ、MMF残高が増加して豊富であれば株式への待機資金が豊富にあるということも意味しますので、その資金が株式市場に流入すれば、さらなる株高につながりやすい・株価は底堅く堅調に推移しやすい可能性があると見ることができます。
日本のMRF残高の推移はこちら
日本の個人投資家の待機資金を示すMRF残高の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
チャート(MMF残高)
MMF残高のチャート(株式の待機資金のチャート)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [MMF/Money Market Fund(us)-Quartely]
MMF残高と株価(S&P500)のチャート
- MMF残高と株価(S&P500)の比較チャートです。見方は上記の解説欄を参照してください。
- Chart [MMF/Money Market Fund(us),S&P500-Quartely]
[速報] 最新データ|MMF残高の時系列(historical data)
日付 | MMF残高(米国) |
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