CAPEレシオの概要(S&P500)
CAPEレシオの現在の値(リアルタイム速報・毎営業日の日次データ)と、過去140年の推移を全て掲載したページです。S&P500やFRBのバランスシートとの比較チャートも掲載。
CAPEレシオは、”シラーPER”とも呼ばれるPER(株価収益率)の一種で、実質的な株価の割高・割安を計れるバリュエーション指標です。単年度に変動が大きくなるような一時的要因や景気循環の影響を受けないのが特徴の指標です。歴史的に株価の暴落・急落の前兆を示してきた指標のため、注目度が高いです。標準偏差+1σ超は要注意です。
- 当ページは、CAPEレシオ(シラーPER)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「CAPEレシオとは(シラーPERとは)」 - 単位:%
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
- 当ページでは、S&P500種株価指数(SPX)のCAPEレシオ(シラーPER)の毎営業日の現在の値(速報)と過去140年分の推移を掲載しています。S&P500・FRBバランスシートとCAPEレシオの比較チャートも掲載しています。
- CAPE RATIO(Shiller PER) S&P500(SPX/Standard & Poor’s 500 Stock Index) historical data&chart
CAPEレシオとは?
CAPEレシオ(読み方:けいぷれしお|英語:CAPE RATIO)とは、ノーベル経済学賞を受賞した米国(アメリカ)のロバート・シラー氏(Robert James Shiller)が考案したPER(株価収益率)の一種で、株価の割高・割安を計るバリュエーション指標です。シラー氏が考案したことから「シラーPER(Shiller PER)」とも呼ばれています。CAPEレシオは、過去10年間の実績利益の平均値に物価変動を加味して計算されます。
CAPEレシオ(シラーPER)で何がわかる?PERの違い
株価の割高・割安のバリュエーション(企業価値・株価の評価)を計る株価指標としては「PER(株価収益率)」が有名です。PERは当期純利益を基に計算するEPS(1株当たり利益)を用いて算出されますが、単年度に変動が大きくなることがあります。
一方、CAPEレシオ(シラーPER)は、過去10年間の実績利益の平均値に物価を加味した1株あたり利益を基に計算する指標であるため、単年度に変動が大きくなるような一時的要因や景気循環の影響を受けず、実質的な株価の割高・割安を計れる指標です。
株式投資に最適な時期を正確に示したCAPEレシオ(シラーPER)
通常のPERは、S&P500構成銘柄の過去12カ月の利益を用いて算出されます。景気拡大局面は企業は高い利益率と収益を上げますのでPERは低くなり、不況(不景気)の局面はその逆で低利益率・低収益でPERは高くなります。過去PERは、リーマンショック時の2009年に123倍を付けました。過去の平均が15倍程度ですので、それをはるかに上回る数値です。PER123倍は超割高ですので、これを見ていると株式の購入時期ではありませんが、歴史的にこの時期は最適な株式投資の時期でした。一方、CAPEレシオ(シラーPER)は同時期に13.3倍程度で過去数十年の最低水準をつけており、株式投資に最適な時期であったことを正確に示していました。
CAPEレシオはバフェット指標に似ている?
CAPEレシオ(シラーPER)は景気循環中の利益変動を排除した指標で、PERより合理的な市場評価の指標として捉えられており、これはGDPに対する総時価総額の比率で市場評価をする指標「バフェット指標」に似ています。米国のバフェット指標(S&P500)は、以下のページで掲載していますので参考にしてください。
CAPEレシオの計算
CAPEレシオ(シラーPER)は、過去10年間のS&P500構成銘柄の年間の実績利益と消費者物価指数(CPI)を使用してインフレによる過去の利益を調整して計算されています(ドルベース)。過去10年の調整値を平均して算出され、CAPEレシオはこの平均値に対するS&P500の比率に等しくなります。
株価急落・暴落の前兆シグナル!CAPEレシオの目安と水準
CAPEレシオ(シラーPER)は、株価の暴落・急落の前兆を示す指標として注目されています。非常に注目度の高い指標です。過去の傾向から見た目安と水準を以下に記載します。
CAPEレシオ(シラーPER)の過去平均
CAPEレシオ(シラーPER)は、1881年から2020年までの推移から取得される平均の標準偏差+1σから-1σの間で概ね推移しやすい傾向があります。CAPEレシオが標準偏差+1σを超えて推移した後は、大恐慌やITバブルの崩壊、リーマンショックなどが起こって株価が暴落した歴史があります。2020年のコロナショック前も標準偏差+1σを超えて推移していました。
標準偏差+1σの水準はどれぐらい?
CAPEレシオの標準偏差+1σ水準は2023年6月時点で、概ね24倍程度です。ゆえに、CAPEレシオが24倍を超えてきた場合は警戒水準と見られやすいです。CAPEレシオの標準偏差-1σ水準は、概ね10倍程度です。標準偏差の値はデータ更新毎に変わりますが、以下のCAPEレシオのチャートは最新のCAPEレシオの標準偏差±1σのデータが反映されています。
FRBのバランスシートとCAPEレシオの相関性
CAPEレシオ(シラーPER)は上記の解説の通り、標準偏差+1σ以上で過熱感を示す指標です。+1σに近付けば過熱感が意識され、+1σ以上は警戒水準と見るのが一般的です。ただし、CAPEレシオ(シラーPER)は、FRBのバランスシート(総資産)と正の相関性が認められる傾向があり、FRBがバランスシートを拡大している局面ではCAPEレシオ(シラーPER)の過熱の水準も切り上がるとの見方があります。下の”チャート”の欄に、CAPEレシオ(シラーPER)とFRBのバランスシートの比較チャートを掲載していますので参考にしてください。
FRBのバランスシートの推移はこちら
FRBのバランスシートの推移と解説は、当サイトの以下のページで掲載しています。
リスクプレミアムとCAPEレシオ(シラーPER)の関係
CAPEレシオ(シラーPER)は、米国のリスクプレミアムと比較して見ることも多いです。パウエルFRB議長は、CAPEレシオ(シラーPER)とリスクプレミアムを比較して株式がバブルであるかどうか、2021年1月のFOMC後の会見で発言していました。リスクプレミアムは、株式益利回りから米国10年国債利回りを差し引いたものですが、リスクプレミアムが低水準であればPERのある程度の上昇は割高ではないとの見方を示しました。
米国のリスクプレミアムの推移はこちら
米国(アメリカ)のリスクプレミアムの推移(リスクプレミアムのわかりやすい解説も掲載)は、以下のページで掲載しています。
S&P500の予想PERと実績PERの推移はこちら
通常、一般的に見られているS&P500のPER(予想PERと実績PER)の推移は、以下のページで掲載しています。当ページで掲載しているCAPEレシオと併せてご利用ください。
当サイト「株式マーケットデータ」では、S&P500のPERの他に、S&P500のEPS(1株当たり利益)や配当利回り、株式益利回り、PBRなど各種バリュエーション指標も掲載していますのでご利用ください(すべて解説付き)。
超過CAPE利回りの推移はこちら
ロバート・シラー氏は、CAPEレシオをベースとした株式益利回りと米国債の実質利回りから算出される「超過CAPE利回り」も株式の割高・割安の指標として用いています。その超過CAPE利回りの推移と解説は以下のページで掲載しています。
チャート(CAPEレシオ)
[月次] CAPEレシオ(シラーPER)の過去140年分(米国の景気後退期間と比較)と標準偏差±1σのチャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [CAPE RATIO(Shiller PER):S&P500-Monthly]
- チャートの緑色の点線がCAPEレシオの標準偏差±1σのラインです。上のラインが+1σ、下のラインが-1σです。
- 月次は月初のデータを反映しています。
- 米国の景気後退期間との比較チャートにしています。灰色の囲みの期間が米国の景気後退期間です。米国の景気後退期間の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
[月次] CAPEレシオとS&P500(米国株)のチャート
- S&P500は月初のデータを反映しています。
- Chart [CAPE RATIO(Shiller PER) and S&P500-Monthly]
[月次] CAPEレシオとFRBバランスシートのチャート
- FRBのバランスシートは、FRB公表の各月初のデータを反映しています。
- Chart [CAPE RATIO(Shiller PER) and FRB Balance Sheet-Monthly]
米国の長期金利とCAPEレシオの比較チャートはこちら
米国の長期金利とCAPEレシオの比較チャートは、以下のページに掲載しています。
[速報] 最新データ|CAPEレシオ(シラーPER)の時系列(historical data)
日付 | CAPEレシオ (シラーPER) |
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