米国(アメリカ)の貯蓄率の概要
当ページでは、消費大国である米国(アメリカ)の貯蓄率の推移を掲載しています。貯蓄は消費の原資ですので、これを見れば今後米国の消費が伸びやすい状況か伸びにくい状況かがわかります。貯蓄率は、所得が増えているのか減っているのか、消費が増えているのか減っているのか他指標と比較して見るのがポイントです。
- 当ページは、米国の貯蓄率の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:米国商務省経済分析局(BEA:Bureau of Economic Analysis)
- 単位:%
- 季節調整済み
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています
- Personal Saving Rate(us) historical data&chart
貯蓄率とは?
貯蓄率(読み方:ちょちくりつ|英語:Personal Saving Rate)とは、米国の商務省経済分析局(BEA)が算出・公表している、可処分所得(英語:DPI(Disposable Personal Income))に対する個人貯蓄(預貯金)の比率です。
貯蓄率を見て何がわかる?わかりやすく簡単に
当ページでは、米国商務省経済分析局(BEA)が公表している個人貯蓄率を掲載しています。「米国の貯蓄率」と言えば、通常はこれを見ます。これは可処分所得の割合としての個人貯蓄です。つまり、税金を支払ってお金を使った後に残った収入のパーセンテージです。
以下で解説を記載しますが、貯蓄は消費の原資となりますので、貯蓄率を見れば今後アメリカの人々が消費に回せるお金が多いのか少ないのかがわかりますので、今後の消費動向や米国の経済成長を予測する際に使われる指標です。
貯蓄率の公表日は、いつ?
米国の貯蓄率は、米国商務省経済分析局(BEA)が毎月月末に公表しています。当ページでは、速報でデータを更新・掲載しています。
貯蓄率の計算式
貯蓄率の計算式は、以下の通りです。
個人貯蓄の計算式
個人貯蓄の計算式は、以下の通りです。
個人貯蓄は何に使われる?
個人貯蓄は資本市場への資金、あるいは住宅などの実物資産に投資するために使用される個人所得の一部と見なされるのが一般的です(米国商務省経済分析局の引用)。
貯蓄率が高い・低い場合の原因と消費への影響
貯蓄率が高ければ消費に使用されやすくなり、低ければ消費が抑制されやすくなります(ただし、労働参加者が増えている環境であれば貯蓄率が低くても消費が底上げされやすい傾向もあります)。
貯蓄率は、所得の伸びより消費の伸びが上回れば低下し、所得の伸びより消費の伸びが下回れば上昇します。また、所得が同様の場合に消費が増えれば貯蓄率は低下し、逆であれば上昇します。あるいは、消費が同様の場合に所得が減れば貯蓄率は低下し、逆であれば上昇します。
他方、家計の債務が増えると貯蓄率は低下しやすく、債務が減れば貯蓄率は上昇しやすいです。
消費の原資である貯蓄率と金利や税金との関係は?
貯蓄率は上記のように消費の原資となり、また消費動向に左右される指標ですが、消費は減税や金利の低下、資産価格の上昇、販売価格の低下など物価の低下があれば増えやすく、増税や金利の上昇、資産価格の下落、物価の上昇、融資の厳格化、消費マインドの低下などあれば減りやすい傾向があります。
米国の金利動向は、米国債利回りがその指標となりますので、通常は米国債利回りを見ます。米国債利回りの推移と解説は、以下のページで掲載しています。
貯蓄率の急上昇の要因
以下の貯蓄率のチャートと時系列を見ていただければ、2020年と2021年に貯蓄率が大きく伸びていることが確認できると思います。これは新型コロナ蔓延によるもので、米政府による現金給付があった一方、行動規制によって消費する機会が極端に減ったことによるものと考えられます。
チャート(貯蓄率)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- チャートは、1959年1月からの推移を掲載しています。
- Chart[Personal Saving Rate(us)-Monthly]
- 米国の景気後退期間との比較チャートにしています。灰色の囲みの期間が米国の景気後退期間です。米国の景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。
[速報] 最新データ|貯蓄率の時系列(historical data)
単位:%
日付 | 貯蓄率(米国) |
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