
ゴム価格の最新データを速報で掲載しています。
ゴム価格の国際的な指標である天然ゴムRSS3の推移です。とりわけ中国のゴムの買付けが大きな価格変動要因となります。当ページでは、ゴム価格(天然ゴムRSS3)の上場来からのチャートや、上場来の全てのデータから算出した基本レンジ・平均値、原油価格との比較チャートも掲載しています。

AIによるゴム価格(天然ゴムRSS3)の重要度評価
天然ゴムはタイヤの製造をはじめ、自動車産業や工業製品において不可欠な原材料。特にRSS3(Ribbed Smoked Sheet 3)は、取引量が多く、価格指標として代表的。自動車需要や経済成長と密接に関連しており、タイやインドネシアなどゴム生産国の経済にも影響を与える。天然ゴム価格は、原油価格や合成ゴム市場、為替レート、物流コストなど多岐にわたる要因と相関する。特に原油価格の影響を受けやすい。中国をはじめとする新興国の経済状況にも敏感で、グローバル需要を反映する面がある。ゴムの生産は天候や病害に大きく依存しており、短期的な価格変動が激しい。気候変動や自然災害が供給に影響を及ぼす可能性が高い。天然ゴムの主な生産地が東南アジアに集中しているため、地域的リスクも大きい。他のコモディティに比べて市場規模が小さく、取引参加者も限定的であるため、投機的な需要が限定的。ゴムは自動車産業における需要が全体の大部分を占めるため、需要の多様性が低い。電気自動車(EV)の普及など産業構造の変化が長期的な価格影響をもたらす可能性がある。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
- AIによるゴム価格(天然ゴムRSS3)の重要度評価
- チャート(分析ツール)
- チャート(ゴム価格)
- チャート(ゴム価格と原油価格)
- 天然ゴムRSS3のSQ日の日程はこちら
- [速報] 最新データ|ゴム価格(天然ゴムRSS3)の時系列(historical data)
- ゴムとは?(天然ゴムと合成ゴムの違い)
- 天然ゴムの生産量ランキング
- 天然ゴムの消費量ランキング
- 天然ゴムの先物市場(RSSとは?TSRとは?)
- RSS3とTSR20の違い
- 天然ゴムRSS3とは?(天然ゴム価格の国際的指標)
- 天然ゴム価格の上昇要因・下落要因は?
- なぜゴム価格は原油価格と連動しやすい?その理由
- ゴム価格のトレンドは、なぜ長期化しやすいのか?その理由と値動きの特徴
- タイオファーとは?
- 合成ゴムは取引できる?
- ゴム価格の水準と目安
チャート(分析ツール)
ゴム価格(天然ゴムRSS3)の分析ツール
- 分析ツールの使い方は「分析ツールの使い方」のページを参照してください。
- Chart [RSS3 Rubber Futures]
- 分析ツールのチャートは、IE(Internet Explorer)では表示されないことがあります。ChromeやSafari、Firefox、Microsoft Edge等、他のブラウザでご利用ください。あるいは、以下のチャートをご利用ください。
- チャートは上部のツールバーの「インジケーター」で、移動平均線やボリンジャーバンドなど各種インジケーターがご利用いただけます。
- チャートは下部のツールバーで、期間ごと(「年初来」「1年」「5年」「すべて」)の表示に変更することができます。
チャート(ゴム価格)
基本レンジ:123.5~259.9|平均値:191.7
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [RSS3 Rubber Futures]
- チャートはゴム価格(天然ゴムRSS3)の平均値に黒色の点線、基本レンジ(標準偏差±1σ)に緑色の点線を引いています(毎月初データ更新)。
- 月次チャートは、ゴム価格(天然ゴムRSS3)の上場来の全ての月次データ(月末値)を反映しています。
チャート(ゴム価格と原油価格)
[日次] ゴム価格(天然ゴムRSS3)と原油価格のチャート
- Chart [RSS3 Rubber Futures,NYMEX WTI-Daily]
- 天然ゴムRSS3とNY原油(WTI原油)の比較チャートです。
- NY原油(WTI原油)の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
天然ゴムRSS3のSQ日の日程はこちら
天然ゴム(RSS3)のSQ日の日程は、以下のページに掲載しています。
[速報] 最新データ|ゴム価格(天然ゴムRSS3)の時系列(historical data)
日付 | 天然ゴム (RSS3) | 前日比 |
---|
ゴムとは?(天然ゴムと合成ゴムの違い)
ゴムには「天然ゴム」と「合成ゴム」があります。天然ゴムはゴムノキ(ゴム樹)の樹液から作られる天然資源で、合成ゴムは石油製品である石化原料のナフサから作られる化学工業品です。天然ゴムは合成ゴムより接着性や強度がよく、内部発熱しにくい点から品質優位とされています。ゴム(天然ゴム)は古代メキシコのアステカ文明から使用されていたと言われており、その後にコロンブスのアメリカ大陸発見を機に、ヨーロッパにも伝わったとされています。

ゴムの木の農園

ゴム樹の樹液
ゴムの最大需要は自動車タイヤ・チューブ用!
現在、ゴムの最大需要は自動車用のタイヤ・チューブで、総需要量の70-80%を占めています。ゴムの消費量は景気や自動車産業の動向で大きく左右され、自動車生産や販売台数の増減が大きく影響してきます。
天然ゴムの生産量ランキング
天然ゴムは主に東南アジアで生産されており、世界の生産量は1,388万トン(2018年時点)となっています。
順位 | 国 | 生産量 |
---|---|---|
1位 | タイ | 515万トン |
2位 | インドネシア | 349万トン |
3位 | ベトナム | 114万トン |
4位 | 中国 | 81万トン |
5位 | インド | 65万トン |
6位 | マレーシア | 60万トン |
– | その他 | 204万トン |
天然ゴムの生産量は1997年の640万トンから倍増しており、生産国は生産性を上げ、ゴムノキ(ゴム樹)の栽培面積も増やして消費量の増大に対応しています。
天然ゴムは主に東南アジアで生産されており、タイ・インドネシア・ベトナム・中国の4カ国で世界生産量の76%程度を占めています。1980年代まではマレーシアが世界最大の生産国でしたが、タイが国家主導で天然ゴムの生産に注力したことにより、1980年代後半から増産が行われ、1991-1992年を境にマレーシアはタイやインドにも抜かれ後退しました。
天然ゴムの消費量ランキング
天然ゴムの世界の消費量は1,376万トン(2018年時点)となっています。
順位 | 国 | 消費量 |
---|---|---|
1位 | 中国 | 550万トン |
2位 | インド | 122万トン |
3位 | アメリカ | 99万トン |
4位 | タイ | 75万トン |
5位 | 日本 | 71万トン |
6位 | マレーシア | 52万トン |
– | その他 | 408万トン |
天然ゴムの消費量は年々増加しており、世界最大の消費国は中国となっています。2000年まで世界最大の消費国は米国でしたが、2001年に逆転し中国となりました。天然ゴムの消費量は世界の経済成長とともに増加しています。
天然ゴムの在庫率
1954年以降の50年間では、天然ゴムの生産量は年率平均で3%程度の割合で増加しており、消費量の増加率も3%程度、生産と消費の伸びの乖離は見られません。ただし、在庫率は1999年の38%がピークで、2000年以降は低下しており、2001年には適正水準とされる30%をつけましたが、2002年以降は30%を下回りました。2010-2011年は急激な需要に生産が追い付かず、在庫率は15%程度まで低下、2012年には20%を回復し、2017年は27%にまで上昇。在庫率の変化が天然ゴム相場を変動させる要因ともいわれています。
天然ゴムの先物市場(RSSとは?TSRとは?)
日本の先物市場に上場しているのは天然ゴムです。日本のゴム先物市場は、世界で最も取引量が多いため、世界のゴム市場の指標となっています。大阪取引所(OSE)のゴム市場には、「RSS」と「TSR」が上場しています。
天然ゴムはゴムノキ(ゴム樹)から搾取されて生産されています。国際的に流通している天然ゴムは、ゴムノキから搾取されて生産されたラテックス(樹液)と、ラテックスを加工したRSSとTSRに分類されます。
RSSは、ラテックスを凝固させて圧延したもの(USS:未燻煙シート)を燻煙した天然ゴムです。シート状の天然ゴムです。
TSRは、ラテックスが収集カップの中で自然に凝固した「カップランプ」やUSS等を原料として粉砕、洗浄後にブロック状に成型して品質検査された天然ゴムです。ブロック状の天然ゴムです。
RSS3とTSR20の違い
RSSには等級があり、1X号・1号・2号・3号・4号・5号の6等級に格付けされています。このうち国際的に最も生産量が多く取引量が多いのが3号で、これを「RSS3」といいます。
TSRは、成分の検査結果によって格付けされており、その中で最も流通量の多い汎用種が「TSR20」です。TSRの品質規格は、タイやインドネシアなどで国別に標準規格があります。天然ゴム価格の国際的指標となっている大阪取引所(OSE)で上場しているTSRは、タイ産の標準的な規格であるSTR20を取引の対象としています。STR20は、タイ産のTSR20ということになります。
天然ゴムRSS3とは?(天然ゴム価格の国際的指標)
大阪取引所(OSE)のゴム市場にはRSSとTSRが上場していますが、取引の中心となっているのは「RSS3」で、流動性も比較的高く、これが天然ゴム価格の国際的な指標となっていますので、当ページではその推移を掲載しています。
天然ゴム価格の上昇要因・下落要因は?
天然ゴムは一年中生産されていますが、大阪取引所(OSE)のRSS3の生産国であるタイの生産量は、2月後半から春先の乾季で減少し、11月から翌年2月中頃までの雨季で増加します。ただし、乾季と雨季がズレた場合は生産量に影響するため、天候要因、特に異常気象で価格は大きく変動しやすくなります。
また、ゴムの最大需要は自動車用のタイヤ・チューブですので、世界の景気や自動車産業の動向で大きく左右され、自動車生産や販売台数の増減が大きく影響してきます。最大消費国の中国や、自動車生産国である米国・日本・欧州の景気や自動車生産・販売台数の動向に大きく振らされやすい傾向もあります。特に、中国のゴムの買付けが大きな価格変動の要因となりやすい傾向があります。
そして、ゴムの生産者はタイバーツやインドネシアルピア、ベトナムドン、そして輸入国はドルやユーロ、日本円、人民元などの自国通貨で決済するため、為替動向もゴム市況に大きな影響をもたらします。
なぜゴム価格は原油価格と連動しやすい?その理由
ゴムは原油価格と連動しやすい傾向も認知されています。原油価格が上昇すればゴム価格が上がり、原油価格が下落すればゴム価格が下がる傾向があります。これは、合成ゴムと天然ゴムの相互代替の関係で、合成ゴムは石油製品である石化原料のナフサから作られるため、原油価格が上昇するとナフサ価格が上昇し、合成ゴムの価格も上昇、合成ゴムから割安感のある天然ゴムにシフトする動きも出てきやすくなるためで、原油価格と天然ゴム価格は連動しやすいと考えられます。一方、原油価格が下落すればゴム価格が下がりやすくなります。当ページでは参考に、チャートの欄に原油価格との比較チャートを掲載しています。
ゴム価格のトレンドは、なぜ長期化しやすいのか?その理由と値動きの特徴
ゴム価格は、比較的方向感のある値動きをしやすい傾向があります。ストップ高・ストップ安になることは珍しいです。
ゴム価格を動かす生産・消費の要因はアジアのニュースがほとんどです。中国のゴムの買付けや世界の生産量1位のタイの干ばつ・生産国の供給過剰などのニュースで、ゴム価格が大きく上下することが多いです。
ゴムノキ(ゴム樹)は、植え付けから採液できるまで数年かかります。ゆえに、ゴム価格が上がってもすぐには増産できず、一方で、ゴム価格が下落しても小規模の生産者は所得を維持しようと採液を増やしてしまう傾向があるため、生産量がすぐには減少しません。ゆえに、ゴム価格はトレンドが長期化する傾向があります。
タイオファーとは?
タイオファーとは、生産地でのUSセント建ての価格です。これは現物価格の動向が反映されています。例えば、日本での価格が安い一方でタイオファーの価格が高い場合、中国の買付けが影響している可能性が高いです。その場合、日本の価格が上昇する可能性が高くなります。
合成ゴムは取引できる?
日本の先物市場に上場しているのは天然ゴムですが、ゴムは大きく「天然ゴム」と「合成ゴム」に分類されます。天然ゴムも合成ゴムも、ともに主な用途は自動車用のタイヤ・チューブです。合成ゴムは、石油製品である石化原料のナフサから作られ、主に米国や日本、中国などで工業化生産されています。ゆえに、合成ゴム価格はゴムメーカーとユーザー間で価格が決定されることがほとんどで、相場商品ではありません。ただし、上記の解説のとおり、合成ゴムと天然ゴムは相互代替の関係がありますので、それぞれ価格は連動します。
ゴム価格の水準と目安
当ページではチャートの欄に、天然ゴム(RSS3)の基本レンジ・平均値を算出し掲載しています。上場来からのデータで算出していますので、目安となる水準を見る上で参考にして下さい。基本レンジは、標準偏差±1σをレンジの上限・下限としています。これらのデータは毎月月初にデータ更新しています。
- 当ページは、ゴム価格(天然ゴムRSS3)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「RSS3とTSR20の違い(天然ゴム価格をわかりやすく解説)」 - 東京商品取引所(TOCOM)に上場している天然ゴムRSS3の推移を掲載しています。
- 東京商品取引所(TOCOM)に上場している天然ゴムRSS3は、天然ゴム価格の国際的な指標となっています。
- 2020年7月27日、日本取引所グループ(JPX)は、貴金属や農産品、ゴムの市場を東京商品取引所(TOCOM)から大阪取引所(OSE)に移管しましたので、以降はその推移を掲載しています。
- 単位:円/キロ
- RSS3 Rubber Futures historical data&chart