チャートが棒グラフに変わる現象が発生しています。修正依頼中ですがまだ時間がかかりそうです。申し訳ございません(2023.6.5)。

タームプレミアム(期間プレミアム)米国

タームプレミアムの概要

タームプレミアム

金利

タームプレミアムは、期間のリスクに伴う上乗せの利回りです。タームプレミアムは長期金利の構成要素の一つで、長期金利は予想短期金利の平均とタームプレミアムに分解できます。

タームプレミアムの上昇によって長期金利が上昇している場合、株価はこれを嫌がりますので警戒しておく必要があります。株価にも大きく影響する最重要指標ですので、以下のわかりやすい解説を読んで必ずチェックしましょう。

  • 当ページは、米国(アメリカ)のタームプレミアムの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • Source:Federal Reserve Bank of New York
  • NY連銀(ニューヨーク連銀)公表のタームプレミアムを掲載しています。
  • 速報値を掲載し、修正があった場合は修正値を上書きして掲載しています。
  • 単位:%
  • ACMモデル
  • Term Premium(us) historical data&chart

タームプレミアムとは?その意味

タームプレミアム(英語:Term Premium)とは、期間(ターム)のリスクに伴う報酬(プレミアム)です。日本語では「期間プレミアム」と訳され、タームリスク(期間のリスク)に伴う上乗せの利回りを意味します。タームプレミアムは、リスクプレミアムの一種です。

リスクプレミアムの推移はこちら

リスクプレミアムの解説と推移(チャートと時系列)は、以下のページで掲載しています。

リスクプレミアム(米国)
米国(アメリカ)のリスクプレミアムのチャートと時系列です(速報)。リスクプレミアムとは?水準や目安、計算方法、求め方、リスクプレミアムがマイナスの意味、株のバブルの見分け方、長期金利との関係、FRBの融資による影響などわかりやすい解説も掲載。

タームプレミアムで何がわかる?わかりやすく簡単に解説

例えば長期債(長期の債券)を保有する場合、保有する期間が長いので保有リスクが高くなります。リスクが高い分、利回りが高くなければ投資家は魅力を感じませんので、保有期間分のリスクに伴う利回りが上乗せされます。それがタームプレミアムです。

長期債を購入する場合と、長期債と同じ期間だけ短期債を連続して購入する場合を比べると、長期債を保有した方が短期債を連続して購入するよりも価格の変動リスクや流動性リスクなどのリスクが高くなりますので、その分の利回りが上乗せされます。その上乗せ分がタームプレミアムです。購入する長期債の保有期間リスクに伴う上乗せ利回りです。違う言い方をすれば、長期のタームリスクを取る対価がタームプレミアムです。

タームプレミアムはプラスが普通

タームプレミアムはプラスであることが普通です。長期のタームリスクを取る対価がタームプレミアムですので、期間の長い債券になるほど上乗せ利回りが高くなるのが普通だからです。

タームプレミアムのマイナスは何を意味する?

タームプレミアムはマイナスになることがあります。期間の長い債券を買うのですから、それだけリスクを取る、リスクを取るのですからそれだけのリターンがあって当然です。ゆえに、タームプレミアムはプラスが当たり前で、マイナスは「異常」を意味します。

タームプレミアムがマイナスということは、どういう意味なのでしょうか?

タームプレミアムがマイナスということは「リスクを取ればリターンがマイナスになる」ということです。リスクを取っているのにリターンがマイナスになる状態ですので「異常」です。

なぜマイナスになるのか?その原因

タームプレミアムは何故マイナスになるのでしょうか?

米国のタームプレミアムは米国債(米国の国債)への需給が影響しますので、米国債の購入が集中的に増えればマイナスになることがあります。これまで、タームプレミアムがマイナスとなった大きな要因は量的緩和(QE)です。量的緩和によるカネ余りによって資金が国債に集まった時にタームプレミアムがマイナスになりました。

タームプレイミアムと長期金利の関係

タームプレミアムは、長期金利の構成要素とされています。「予想短期金利(投資家が予想する将来の短期金利)の平均(予想平均短期金利ともいう)」と「タームプレミアム」が長期金利の構成要素とされています。予想短期金利は「期待短期金利」とも呼ばれています。

つまり、長期金利は、予想短期金利の平均とタームプレミアムに分解できるということです。短期金利は中央銀行(米国の場合はFRB)が政策金利によって誘導していますので、予想短期金利は「予想政策金利」あるいは「期待政策金利」とも呼ばれています。

長期金利の構成要素の解説は、各中央銀行がレポートで公表していますので、詳しく知りたい方はそちらを参照してください(日本銀行も公表しています)。

予想短期金利の推移はこちら

NY連銀が公表している予想短期金利の平均の推移は、以下のページで掲載しています。

予想短期金利(米国)
NY連銀公表の米国(アメリカ)の予想短期金利(期待短期金利)のチャートと時系列です(求め方と計算式の解説含む)。長期金利の構成要素で、予想平均短期金利、予想政策金利・期待政策金利とも呼ばれています。タームプレミアムも掲載しています。

タームプレミアムの上昇要因・下落要因

タームプレミアムは、米国債の買い手が減れば上がり、買い手が増えれば下がります。つまり、米国債の需給が影響します。

FRBの利上げ・利下げ・量的緩和(QE)とタームプレミアムの需給

タームプレミアムは米国債の需給で上下しますが、その大きな要因となりやすいのがFRBの政策金利引き上げ(利上げ)、政策金利引き下げ(利下げ)、量的緩和(QE)などです。それらへの期待によって米国債への需要が高まればタームプレミアムは低下、逆であれば上昇します。もちろん、その他の要因による米国債への需給によっても上下します。

金利は経済を反映する?しない?

一般的に金利の上昇・低下で米国経済の先行きを測ることが多いですが、米国債の需給関係を表すタームプレミアムによって金利は上昇・低下しますので、金利の上昇・低下だけで単純に米国経済の先行きは測ることはできません。

金融緩和・金融引き締めとタームプレミアムの関係

中央銀行が金融緩和を行えば(米国債を買えば)タームプレミアムを低下、あるいはタームプレミアムの上昇を抑え込むことができます。一方、タームプレミアムの上昇は金融環境が引き締まっている(金融引き締め)ことを意味します。タームプレミアムは国債の買い手が減れば上昇します。つまり、FRBが米国債の購入を減額すれば上昇します。タームプレミアムの上昇によって長期金利(名目金利)が上昇している場合、株価はこれを嫌がりますので警戒しておく必要があります。

タームプレミアムの目安

米国債(10年物)のタームプレミアムの目安となるのは、米国の10年物価連動国債利回り(インフレ連動国債利回り)とされています。当ページのチャートはタームプレミアムと10年物価連動国債利回りの比較チャートを掲載しています。

米国の10年物価連動国債利回りの推移はこちら

米国の10年物価連動国債利回り(インフレ連動国債利回り)の推移は、以下のページで掲載しています(解説含む)。10年物価連動国債利回りの日次データも掲載しています。

10年物価連動国債(インフレ連動国債)利回り・米国
米国(アメリカ)の10年物価連動国債(インフレ連動国債)利回りのチャートと時系列です。物価連動国債利回りは実質金利の指標。名目金利(長期金利)との比較チャートも掲載。期待インフレ率(ブレークイーブンインフレ率)との関係や計算式等の解説付き。

タームプレミアムの水準

タームプレミアムの目安となるのは米国の10年物価連動国債利回りですので、タームプレミアムがそれより高い水準か低い水準かを見る必要があります。また、過去のタームプレミアムの水準と比較して高いか低いかも見る必要があります。

例えば、タームプレミアムが低い水準の場合、タームプレミアムは国債の需給によって上下しますので、タームプレミアムが跳ね上がる可能性が出てきます。その場合、長期債の債券価格が急激に下がる可能性があり、そうなると他資産へ大きな影響が出ると考えられます。株価にとっては急落のリスクが高まるため警戒が必要です。

当ページのタームプレミアムについて(NY連銀公表)

当ページで掲載しているタームプレミアムは、米国の金融政策の実務を取り仕切っているNY連銀が公表しているタームプレミアムです。米国のタームプレミアムを見る場合は、通常これを見ます。

NY連銀公表のこのタームプレミアムは、NY連銀のエコノミストであるTobias Adrian、Richard Crump、Emanuel Moenchが5要素の期間構造モデル(ACMモデル)に基づいて算出している推定値です。その分析方法はNY連銀のホームページで公表されていますので、詳しく知りたい方はそちらを参照してください。

タームプレミアムを見る場合の注意点

NY連銀公表のタームプレミアムおよび予想短期金利は、上記の解説の通りACMモデルに基づいた推定値であり、タームプレミアムと予想短期金利で構成される長期金利は、実際の長期金利とは異なります。ACMモデルにおける適合水準ということで、この適合水準(推定値)より高い水準か低い水準かという視点で見るものです。

チャート(タームプレミアム)

タームプレミアムと10年物価連動国債利回り(インフレ連動国債利回り)のチャート

タームプレミアムのチャート
  • 拡大表示はこちら
  • タームプレミアム(10年)」の月次データを掲載しています。
  • タームプレミアムは、期間構造モデル(ACMモデル)に基づいた推定値です。これは月に1度の頻度で再推定され、過去の数値は修正される可能性があります。当ページでは修正値を上書きして掲載していますので、常に最新のデータに更新されています。
  • チャートは米国の10年物価連動国債利回り(インフレ連動国債利回り)との比較チャートにしています(10年物価連動国債利回りは2003年からのデータを掲載)。米国の10年物価連動国債利回りは月末終値を反映しています。
  • Chart [Term Premium(us)]
  • チャートの灰色の期間が米国の景気後退期間です。景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。
景気後退期間(米国・アメリカ)
米国(アメリカ)の景気後退と景気拡大の期間のチャートと時系列です(速報)。全米経済研究所(NBER)公表分。日本と米国の景気後退期の比較チャートも掲載!景気後退はいつからいつまで?過去から現在までの推移と景気循環や公表日のわかりやすい解説付き。

現在のタームプレミアムの値・速報(リアルタイム)

2023年5月31日現在(最新の日次データ)
-0.6147
現在のタームプレミアム(日次データ)realtime data for the Term Premium(us)

時系列(historical data)

日付タームプレミアム
2023.04.28-0.666871
2023.03.31-0.657967
2023.02.28-0.425284
2023.01.31-0.726983
2022.12.30-0.511476
2022.11.30-0.679570
2022.10.31-0.139517
2022.09.30-0.450093
2022.08.31-0.689511
2022.07.29-0.803689
2022.06.30-0.278649
2022.05.31-0.322505
2022.04.29-0.331724
2022.03.31-0.794646
2022.02.28-0.723487
2022.01.31-0.589099
2021.12.31-0.608143
2021.11.30-0.650884
2021.10.29-0.410310
2021.09.30-0.240631
2021.08.31-0.413510
2021.07.30-0.417269
2021.06.30-0.199333
2021.05.280.204346
2021.04.300.232389
2021.03.310.363950
2021.02.26-0.037042
2021.01.29-0.452418
2020.12.31-0.731028
2020.11.30-0.885902
2020.10.30-0.833539
2020.09.30-1.093191
2020.08.31-1.026834
2020.07.31-1.286909
2020.06.30-1.143812
2020.05.29-1.166476
2020.04.30-1.211169
2020.03.31-1.117826
2020.02.28-1.202925
2020.01.31-1.041892
2019.12.31-0.712381
2019.11.29-0.933029
2019.10.31-0.974117
2019.09.30-1.080085
2019.08.30-1.210756
2019.07.31-0.855441
2019.06.28-0.746178
2019.05.31-0.749990
2019.04.30-0.495776
2019.03.29-0.646669
2019.02.28-0.458759
2019.01.31-0.529317
2018.12.31-0.470468
2018.11.30-0.318565
2018.10.31-0.164095
2018.09.28-0.290675
2018.08.31-0.396837
2018.07.31-0.314995
2018.06.29-0.324990
2018.05.31-0.358997
2018.04.30-0.287561
2018.03.29-0.351570
2018.02.28-0.149642
2018.01.31-0.287465
2017.12.29-0.413501
2017.11.30-0.295636
2017.10.31-0.203177
2017.09.29-0.152550
2017.08.31-0.265633
2017.07.31-0.066175
2017.06.30-0.109946
2017.05.31-0.145101
2017.04.28-0.028886
2017.03.310.054163
2017.02.280.072787
2017.01.310.233860
2016.12.300.241171
2016.11.300.190594
2016.10.31-0.217549
2016.09.30-0.462712
2016.08.31-0.557608
2016.07.29-0.554268
2016.06.30-0.451868
2016.05.31-0.227950
2016.04.29-0.126738
2016.03.31-0.109169
2016.02.29-0.184706
2016.01.290.039108
2015.12.310.167783
2015.11.300.187968
2015.10.300.239494
2015.09.300.261479
2015.08.310.321014
2015.07.310.305834
2015.06.300.543598
2015.05.290.305543
2015.04.300.204845
2015.03.310.023161
2015.02.27-0.000557
2015.01.30-0.206595
2014.12.310.095752
2014.11.280.328529
2014.10.310.538523
2014.09.300.622450
2014.08.290.496381
2014.07.310.765518
2014.06.300.919726
2014.05.300.931755
2014.04.301.137221
2014.03.311.204354
2014.02.281.393319
2014.01.311.459893
2013.12.311.919189
2013.11.291.833662
2013.10.311.492766
2013.09.301.527805
2013.08.301.532617
2013.07.311.489400
2013.06.281.227427
2013.05.310.938737
2013.04.300.402116
2013.03.280.626446
2013.02.280.687428
2013.01.310.799970
2012.12.310.463076
2012.11.300.251507
2012.10.310.339155
2012.09.280.319528
2012.08.310.221918
2012.07.310.124863
2012.06.290.226025
2012.05.310.139336
2012.04.300.749319
2012.03.301.075273
2012.02.290.745616
2012.01.310.656758
2011.12.300.661398
2011.11.300.959088
2011.10.311.107950
2011.09.300.713306
2011.08.311.329463
2011.07.292.047334
2011.06.302.347840
2011.05.312.143280
2011.04.292.288284
2011.03.312.184613
2011.02.282.212052
2011.01.312.475712
2010.12.312.195427
2010.11.301.889911
2010.10.291.851886
2010.09.301.526119
2010.08.311.326138
2010.07.301.969743
2010.06.301.843482
2010.05.282.101187
2010.04.302.374417
2010.03.312.579764
2010.02.262.620212
2010.01.292.577063
タームプレミアムの月次の時系列データ(ヒストリカルデータ)