- 米国10年債と3カ月債の長短金利差の概要
- お知らせ
- 米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの計算式
- どちらを重視する?3カ月国債利回りと2年国債利回り
- 景気後退期間と長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)のチャート
- 逆イールドで景気後退するのか?
- 期待インフレ率と実質金利を注目しよう
- なぜ10年国債利回りは注目されるのか?
- 米国10年国債先物と米国2年国債先物の投機筋ポジションはこちら
- FOMCと長短金利差の推移はこちら
- チャート(米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)
- チャート(株価と米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)
- [速報] 最新データ|米国10年債と3カ月債の長短金利差の時系列(historical data)
米国10年債と3カ月債の長短金利差の概要
米国(アメリカ)の長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)の最新データを速報で掲載しています。長短金利差としては、10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差の次に注目されます。逆イールド発生時はチャートでチェックできるようにしていますので確認しましょう。株価(NYダウ・ナスダック・S&P500)との比較チャートも掲載しています。
- 当ページは、米国の長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:Federal Reserve Bank of St.Louis
- 各指数・指標の解説
「長期金利とは」
「短期金利とは」
「逆イールドになった場合の株価と景気・経済への影響」 - 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
- 単位:%
- 10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity historical data&chart
お知らせ
米国の10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差はこちら
米国の長短金利差で最も注目される10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差は、以下のページで掲載しています。
この米国の10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差と、当ページで掲載している10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差はセントルイス連銀が公表しているデータです。米国の長短金利差を見る場合はこれを見るのが基本で、FRB(連邦準備制度理事会)もこれを見ていると公言しています。ただし、これらの国債利回りは実際に市場で取引されている市場利回りとは異なります。その解説も上記のリンク先のページに記載していますので参考にしてください。
実際の市場利回りはこちら
実際に市場で取引されている市場利回りは、以下のページで掲載しています。それぞれの利回り差も掲載していますので参照してください。
米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの計算式
長短金利差(%)=米国10年国債利回り-米国3カ月国債利回り
どちらを重視する?3カ月国債利回りと2年国債利回り
米国(アメリカ)の長短金利差を見る場合、最も注目されるのが10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差ですが、次に注目されるのが10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差です。
一般的には「市場は注目しやすい長短金利差は10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差」、「FRBが注目しやすい長短金利差は10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差」と言われることが多いですが、解釈としてはどちらも良くないです。環境によって注目すべき長短金利差を変えるのが妥当です。
そもそも、なぜ長短金利差は注目されるのでしょうか?
特に長短金利差が逆転してマイナスとなった時(これを逆イールドといいます)、より注目されるのでしょうか?
銀行は短期で借りて長期で貸し出してお金を稼いでいます(金利差で稼いでいます)。長短金利差が逆転してマイナスとなれば、それができなくなってしまい、貸し出しができなくなります。企業もお金を借りることができず市中にお金が回らなくなって経済は悪化、景気が悪くなってしまうからです。
ゆえに、長短金利差は銀行の調達金利を基準にして10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差を見るべきか、10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差見るべきかを判断するのが基本です。ここではこれまで注目を集めてきた10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差と10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差を例にして話を進めていますが、その時々によって調達金利により近い他の利回り差で見た方がよい場合もありますし、FRBの利上げ・利下げを織り込んでいるのか織り込んでいないのかでも判断した方がいいです。
例えば、先々のFRBの利上げを2年国債が織り込んでいる状況で環境が変化した場合、2年国債はその環境の変化をすぐに織り込まずに推移する場合があります。その際は3カ月国債の方が環境の変化を察知しやすいので、3カ月国債を見た方がいいでしょう。
10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差を見ながら10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差をチェックし、環境の変化があればそれら長短金利差に加えて、以下で紹介する期待インフレ率や実質金利も同時に見て、米国経済はこれから大丈夫なのか大丈夫でないのかをチェックするのが妥当です。
景気後退期間と長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)のチャート
当ページでは以下のチャートの欄で、1981年からの米国の長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)の推移を掲載しています(セントルイス連銀公表分)。チャート上にグレー(灰色)で囲ってある期間が米国の景気後退期間です。S&P500との比較チャートを掲載していますので、株価の動きと併せて見ていただくことができます。
逆イールドで景気後退するのか?
1980年代以降の傾向では、長短金利差(10年国債利回りと3カ月国債利回り)で逆イールドが発生した後(マイナスになった後)、概ね1-2年で景気後退局面入りしています。ただし、それにはさらに傾向が2つあり、逆イールドの期間(マイナスである期間)が3カ月以上続き、それが深いマイナスであった場合に概ね1-2年してから景気後退局面入りしている傾向があります。「深いマイナス」の目安は、概ね-0.5%以上です。違う言い方をすれば「逆イールドで景気後退入りする」には、これらの条件が揃う必要があるとも言えそうです。
また、逆イールドと景気後退を安易に結びつけない方がいい理由は他にもあります。10年国債利回りと3カ月国債利回りで逆イールドが発生した場合、直近でFRBの利下げの必要性を市場が示していると考えられますが、景気後退の前兆とはならないこともあります。2019年はまさにそうでした。当時FRB議長だったジャネット・イエレン氏も、逆イールドの発生で利下げの必要性を認識しつつも、景気後退の前兆とは思えないと発言しています。当時、10年国債利回りと3カ月国債利回りで逆イールドが発生した際、一方で10年国債利回りと2年国債利回りはイールドカーブがスティープ化していました。スティープ化しているということは、逆イールドとは逆のシグナルですので、むしろ10年国債利回りと2年国債利回りで見れば景気拡大を示唆している、あるいは景気は悪化しているものの、FRBがそれに対応して金利を動かして金融緩和しているので景気にとってはむしろプラス、景気後退には至らないと解釈できますので「逆イールドで景気後退」はすぐに結び付けない方がいいと思います。以下で解説しますが、他の指標とも組み合わせて判断するのがいいと思います。
逆イールドで株価上昇?
逆イールド発生時は、経済の悪化が懸念されて株価が大きく下落することもありますが、過去の傾向では発生後は長い目で見れば株価(S&P500)は上昇しています。むしろ上昇トレンドになる傾向があります。
期待インフレ率と実質金利を注目しよう
さて、景気が本当に悪くなる時は期待インフレ率が大きく下がりますので、景気後退が懸念される局面では長短金利差と併せて見ておいた方がいいでしょう。
米国の期待インフレ率の推移はこちら
米国の期待インフレ率の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
逆イールドが発生する状況では期待インフレ率も下がっていると思いますが、期待インフレ率が下がっているものの大きな下げでない場合、米国の景気は悪いが本格的に腰折れするまでには至らないだろうと市場が判断していることを示しています。また、期待インフレ率の下げが限定的で米国の実質金利が低下していれば、これは景気を刺激する状態ですので、この状態であれば米国の経済は腰折れしないと判断できます。その場合、逆イールドを懸念して株価が大きく下がっても、下がった所が押し目買いのタイミングになりやすい可能性があります。
米国の実質金利はこちら
米国の実質金利の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
金利が下がって逆イールドが発生するわけですが、その金利の下げは今後の米国の景気にとっていい金利の下げなのか、悪い金利の下げなのか、期待インフレ率や実質金利を併せて見ながら判断して、その逆イールドが米国の景気後退の前兆となるのかを判断した方がいいでしょう。また、金利の下げが今後の米国の景気による下げではなく、利回り追求のイールドハンティングによる下げの可能性もありますので、それも併せて見ておいた方がいいでしょう。
※これらはあくまで過去の傾向による説明です。今後もそうであるかはわかりません。あくまで参考であることが前提です。
なぜ10年国債利回りは注目されるのか?
長短金利差を見る場合、まずはじめに見るのは10年国債利回りと2年国債利回りの利回り差と10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差であることがほとんどですが、どちらも「10年国債利回り」が絡んでいます。
10年国債利回りがなぜ注目されるのかというと、10年国債利回りは成長率を反映しているとされているからです。米国の10年国債は世界的に信用度が高く売買量も世界最大ですので、他国からドル建ての外貨準備の投資先として利用され、安全な金融商品としても認知度が高いです。
ただ、カネ余りなどで大量の資金が流入している場合、10年国債利回りは成長率を反映していない可能性があり、10年国債利回りを用いた長短金利差の分析は機能しない可能性がありますので注意が必要です。
米国10年国債先物と米国2年国債先物の投機筋ポジションはこちら
米国10年国債先物と米国2年国債先物の投機筋ポジションは、以下のページで掲載しています。
FOMCと長短金利差の推移はこちら
米国の中央銀行制度の最高意思決定機関であるFRBが開催する米国の金融政策を決定する委員会「FOMC(連邦公開市場委員会)」を境に、長短金利差(米国10年国債利回りと3カ月国債利回り)はどう動いたのか?以下のページにチャートで掲載していますのでご利用下さい。
チャート(米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)
[月次] 米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差と株価(S&P500)と景気後退期のチャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- 長短金利差(米国10年国債利回りと3カ月国債利回り)と株価(S&P500)は、それぞれ月末終値を掲載しています。
- 灰色の囲みの期間が米国の景気後退期(リセッション期)です。米国の景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。
[日次] 米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差のチャート
- 直近年の日次データを掲載しています。過去の日次データは、以下の「過去の米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差のチャート」の欄のチャートで確認できます。
- 逆イールド発生時をピンク色の背景で表示しています。
- Chart [10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity-Daily]
チャート(株価と米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの利回り差)
[日次] NYダウと米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差のチャート
- Chart [10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity,Dow Jones Industrial Average(DJIA)-Daily]
[日次] ナスダックと米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差のチャート
- ナスダック:ナスダック総合指数
- Chart [10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity,NASDAQ Composite Index(IXIC)-Daily]
[日次] S&P500と米国10年国債利回りと3カ月国債利回りの長短金利差のチャート
- Chart [10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity,Standard & Poor’s 500 Stock Index(SPX)-Daily]
[速報] 最新データ|米国10年債と3カ月債の長短金利差の時系列(historical data)
日付 | 長短金利差 (10年-3カ月) |
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