中国の主要株価指数の概要
- 当ページは、中国の上海市場・深セン市場・香港市場それぞれの主要株価指数の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「中国株(A株・B株・H株・レッドチップとは・市場の違い)」 - 上海証券取引所(Shanghai Stock Exchange)
- 深セン証券取引所(Shenzhen Stock Exchange)
- 香港取引所(Hong Kong Exchanges and Clearing Limited)
- China Index historical data&chart
中国株式市場ってどんな市場?わかりやすく解説
中国の株式市場は、”本土市場”と”香港市場”があります。
”本土市場”には「上海市場」と「深セン市場」があり、それぞれ[A株市場]と[B株市場]があります。
中国株式市場の種類
上海市場・深セン市場・香港市場の違い
中国には上記のように、上海市場・深セン市場・香港市場の3つ市場があります。さらに、A株市場・B株市場と分かれ、メインボード・科創板・創業板・H株・・・と分かれています。
上海市場は大企業中心、深セン市場はベンチャー企業(新しい要素があり、既存企業にはないことをする中小企業)中心、香港市場は中国本土企業・中国本土外の中国資本の企業・香港・海外企業が上場する世界基準の市場となっています(以下で個別に解説します)。
A株市場とは?B株市場とは?
- A株市場とは、中国本土企業が上場している株式を取引する市場です。以前は中国の国内投資家のみ取引できる市場でしたが、2014年の規制緩和により上海A株市場の一部の銘柄は、制限付きで外国人投資家も取引できるようになりました。
- B株市場とは、中国本土企業が上海市場や深セン市場に上場している外貨建ての株式を取引する市場です。以前は外国人投資家向けに設立された市場でしたが、現在は中国の国内投資家にも開放されています。B株市場に上場している株式のほとんどがA株市場にも重複して上場しています。ただし、上海市場と深セン市場の重複上場はありません。香港と上海市場・深セン市場の重複上場はあります。
中国の市場別の特徴
上海A株市場とは?
中国本土企業が上海市場に上場している株式を取引する中国の国内投資家向けの市場です。売買通貨は「人民元」です。以前、外国人投資家はA株を取引できませんでしたが、規制緩和で香港市場経由で一部銘柄の売買が可能になっています。ただし1日の買付金額に制限があります。
上海A株市場のメインボードとは?
上海A株市場のメインボードは、上海A株市場の第1市場です。日本市場でいうと東証一部のような市場です。メインボードとは、その市場のメインとなる市場を意味し、大企業が名を連ねている市場です。上海A株市場は香港市場のメインボードに次ぐ時価総額の大きさで、大型株中心の市場です。
科創板とは?
科創板は、新興企業、特にハイテク中心の市場です。ハイテク企業の育成目的で設立された市場です。「科創」とは、科学技術の創新という意味ですので、通信や半導体、医療設備、新素材など、中国の科学技術戦略に沿った市場として開設されました。
上海B株市場のメインボードとは?
中国本土企業が上海市場に上場している株式を取引する外国人投資家向けの市場です。売買通貨は「米ドル」です(現在は中国の国内投資家にも開放されています)。原則、外国人投資家の株式の保有制限はありません。ただし、時価総額は圧倒的に小さい市場です。
上海B株市場は、上海A株市場の中でも収益力や財務基盤が良好な企業のみ上場できますので、上場企業数は少なく、世界的な中国大手企業が名を連ねている市場です。
深センA株市場とは?
中国本土企業が深セン市場に上場している株式を取引する中国の国内投資家向けの市場です。売買通貨は「人民元」です。以前、外国人投資家はA株を取引できませんでしたが、規制緩和で香港市場経由で一部銘柄の売買が可能になっています。ただし1日の買付金額に制限があります。
深センA株市場のメインボードとは?
深センA株市場のメインボードは、深センA株市場の第1市場です。売買通貨は「人民元」です。上海A株市場同様に大企業中心の市場ですが、現在は大企業の新規公開はほとんどありません。
創業板とは?(チャイネクスト)
創業板(チャイネクスト)は、中国の新興企業の市場です。米国のナスダックのような市場(日本のジャスダックやマザーズのような市場)です。A株市場ですので、売買通貨は「人民元」です。
深センB株市場のメインボードとは?
中国本土企業が深セン市場に上場している株式を取引する外国人投資家向けの市場です。売買通貨は「香港ドル」です(現在は中国の国内投資家にも開放されています)。原則、外国人投資家の株式の保有制限はありません。
香港市場ってどんな市場?
香港市場は、メインボード(香港市場の第1市場)とGEMの2つの市場に分かれています。それぞれ「H株」「レッドチップ」「その他」の3つが取引されています。売買通貨は「香港ドル」です。
GEMとは?
GEM(Growth Enterprise Market)とは、成長企業向けの中小型株(成長株)中心の市場です。日本のマザーズのような市場です。
H株とは?
H株は、香港市場に上場している中国本土で登記されている中国企業の株式です。純中国企業の株式で中国の法律が適用されます。H株は金融や大型製造業の国有企業が多いのが特徴です。H株の「H」は、”Hong Kong”の頭文字のHです。
レッドチップとは?
レッドチップは、香港市場に上場している中国政府資本が30%以上・中国本土外に本社がある企業の株式です。香港またはバミューダ、ケイマン諸島などのタックスヘイブンで登記されている子会社が多い傾向があります。
その他(香港株)とは?
その他は、香港市場に上場しているH株、レッドチップ以外の株式です。香港の企業や海外の企業で香港に上場している企業の株式です。
中国の取引所(株価指数・上場企業数・時価総額)
中国では、中国株を取引する上海取引所・深セン取引所・香港取引所があり、上海取引所・深セン取引所にはA株・B株、香港取引所にはH株・レッドチップ・香港株が取引されています。
それぞれの取引所の上場企業数・時価総額・代表的な株価指数は以下のようになっています(2021年4月時点)。
上海取引所の概要
上場企業数 | 1,647社 |
時価総額 | 約705兆円 |
代表的な株価指数 | 上海総合指数 上海A株指数 上海B株指数 |
深セン取引所の概要
上場企業数 | 2,445社 |
時価総額 | 約556兆円 |
代表的な株価指数 | 深セン総合指数 深セン成分指数 深センA株指数 深センB株指数 |
香港取引所の概要
上場企業数 | 2,554社 |
時価総額 | 約744兆円 |
代表的な株価指数 | 香港ハンセン指数 香港ハンセンH株指数 香港レッドチップ指数 |
株価指数(上海)の解説
中国の代表的な株価指数は、上記の各取引所の表で紹介した通りです。
それぞれの株価指数について、以下ひとつずつ簡単に解説します。
上海総合指数とは?
上海総合指数は、上海市場に上場しているすべての株式(A株とB株)を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1990年12月19日を100として算出されています。上海取引所が算出・公表している株価指数で、上海市場に上場しているすべての株式を対象としているため、中国本土の大企業の動きが反映される株価指数です。指数ウェイトは大型国有銀行や国有石油企業が上位を占めている指数です。
上海A株指数とは?
上海A株指数は、上海A株市場に上場しているA株全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1990年12月19日を100として算出されています。
A株全体の動向を示す指数で、A株は基本的に中国の国内投資家が中心の市場です。中国の個人投資家は投機的な売買をする投資家が少なくないため、時に個人投資家が殺到するような相場になることがあります。
上海B株指数とは?
上海B株指数は、上海B株市場に上場しているB株全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1992年2月21日を100として算出されています。
上海B株市場は、上記「上海B株市場のメインボードとは?」の欄で解説したように、外国人投資家向けの市場で、売買通貨は「米ドル」です。上海B株市場は収益力や財務基盤が良好な厳選された企業のみ上場できる市場ですので、上海B株指数は世界的に有名な中国大手企業の動向を示す指数です。
株価指数(深セン)の解説
深セン総合指数とは?
深セン総合指数は、深セン市場に上場しているすべての株式(A株とB株)を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1991年4月3日を100として算出されています。深セン取引所が算出・公表している株価指数で、深セン市場のトータルの動向を反映する指数です。指数ウェイトは、金融(証券・不動産等を含む)や情報技術・ヘルスケアが上位を占めていますが、指数ウェイト上位10銘柄の合計でも10%未満で、ウェイト上位銘柄の集中度は低いです。
深セン成分指数とは?
深セン成分指数は、深センA株市場のうち、時価総額・流動性上位500銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1994年7月20日を1000として算出されています。ハイテク銘柄が多く約7割を占めていますので、ハイテクの動向を示す指数です。
深センA株指数とは?
深センA株指数は、深センA株市場の全ての銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1991年4月3日を100として算出されています。深セン市場は現在、中小・成長企業が主で、大企業の新規公開はほとんど行っていませんが、以前から上場している大企業も含まれています。A株は基本的に中国の国内投資家が中心の市場です。中国の個人投資家は投機的な売買をする投資家が少なくないため、時に個人投資家が殺到するような相場になることがあります。
深センB株指数とは?
深センB株指数は、深センB株市場の全ての銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1992年2月28日を100として算出されています。深センB株市場は、主に外国人投資家向けの市場で、深センA株と証券の内容は同じで現在は中国国内投資家にも開放されていますが、時価総額は1兆円に満たないため(深センA株市場は550兆円程度)、あまり注目されていません。
株価指数(香港)の解説
香港ハンセン指数とは?
ハンセン銀行傘下のハンセン・インデックス・サービス社が算出・公表している、香港取引所に上場している銘柄のうち主要58銘柄(H株とレッドチップ株)で構成されている時価総額加重平均型の株価指数です。基準日1964年7月31日を100として算出されています。
香港ハンセン指数は香港市場の時価総額の7割程度を占めるため、香港市場を代表する最もメジャーな株価指数として有名です。構成銘柄は金融、公益、不動産、商工業の大手企業が多いです。
香港市場は、古くから外国人投資家が取引してきた市場です。中国本土市場の上海や深センのA株のように中国の国内投資家がメインの市場では、投機的な売買が活発に行われるケースがありますが、香港市場はそれに比べて値動きは緩やかで、その点で比較的健全な市場として認知されています。ただし、規制緩和により中国の国内投資家も香港市場の株を売買するようになりましたので、株価が乱高下するリスクもあります。
香港ハンセンH株指数とは?(現・中国企業指数)
香港ハンセンH株指数は、ハンセン銀行傘下のハンセン・インデックス・サービス社が算出・公表している、H株、レッドチップ株、民営企業株(Pチップ)の中から選定された50銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。基準日2000年1月3日を2000として算出されています。
香港ハンセンH株指数は「中国企業指数」と呼ばれています。以前は香港のH株で構成されていた株価指数であったため「香港ハンセンH株指数」と呼ばれていましたが、2018年の銘柄入れ替えでレッドチップ株、民営企業株(Pチップ)が採用されたため、H株だけでなく香港市場に上場する中国企業全体の値動きを示す株価指数へと位置づけが変わり「中国企業指数」と呼ばれるようになりました。ただし、現在でも「香港ハンセンH株指数」で表記されていることが多いです。
香港レッドチップ指数とは?
香港レッドチップ指数は、レッドチップ株のうち時価総額・流動性が高い25銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。レッドチップ株の主要銘柄で構成されている指数で、基準日2000年1月3日を2000として算出されています。IT関連が多い指数となっています。
取引時間(上海・深セン・香港)
中国の各取引所(上海・深セン・香港)の取引時間は以下(日本時間で表記しています)。
上海 | 深セン | 香港 | |
プレオープニングセッション | 10:15-10:25 | 10:00-10:30 | |
前場 | 10:30-12:30 | 10:30-13:00 | |
後場 | 14:00-15:57 | 14:00-17:00 | |
クロージングオークションセッション | 15:57-16:00 | 17:00-17:10 |
- プレオープニングセッションとは、寄付値を決定するための取引(日本の板寄せに相当)。
- クロージングオークションセッションとは、終値を決定するための取引(日本の大引けに相当)。
ティッカー(中国主要株価指数)・終日データ
チャート(上海)
上海総合指数のチャート・分析ツール
- 分析ツールの使い方は「分析ツールの使い方」のページを参照してください。
上海A株指数のチャート・分析ツール
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チャート(深セン)
深セン総合指数のチャート・分析ツール
深セン成分指数のチャート・分析ツール
以下のチャートの表記が「深セン総合指数」となっていますが、”深セン成分指数”のチャートです。「深セン総合指数」の表記は無視してください。