食料価格指数(食品価格指数)の概要

食料価格指数は、国連食糧農業機関が算出・公表している世界の食料価格の動向を表した指数です。世界的に食料価格の代表的な指標となっています。上昇・低下要因は気候や需給など様々ありますので以下に記しますが、食料価格の上昇(食料インフレ)は消費者にとっては打撃になりますし、特に途上国など低所得国は食料の輸入ができず貧困が拡大して危機に直結し、政情不安が高まる可能性がありますので注意が必要です。
- 当ページは、食料価格指数の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 国連の食料農業機関が公表している世界の食料価格指数(FFPI)を掲載しています。
- Source:Food and Agriculture Organization of the United Nations(FAO:国連食糧農業機関)
- 単位:ポイント
- FAO Food Price Index(FFPI) historical data&chart
食料価格指数とは?
食料価格指数(読み方:しょくりょうかかくしすう|英語:FAO Food Price Index)とは、「世界食料価格指数」や「国連食品価格指数」、「食品価格指数」とも呼ばれる、国連(国際連合)の食糧農業機関(FAO)が算出・公表している、穀物、植物油、乳製品、砂糖、食肉といった主要5品目の国際取引価格から算出される世界の食料価格の動向を示した指数です。基準年2014-2016年を基準値100として指数化されています。
食料価格指数の構成指数
FAOはそれぞれ、
- 穀物価格指数
- 植物油価格指数
- 乳製品価格指数
- 砂糖価格指数
- 食肉価格指数
を算出しており、その複合指数が食料価格指数です。
食料価格指数は大幅な改訂もある
食肉価格指数の算出に含まれるほとんどの価格は、複合指数である食料価格指数が公表される際にデータが揃っていないため、食肉価格指数は予測価格と観測価格から算出されています。よって、食肉価格指数は大幅に改訂される場合があり、食料価格指数も大幅に改訂されることがあります。
食料価格指数の上昇・低下は何を意味する?
- 食料価格指数は、その数値が上昇していれば世界の食料価格が上昇していることを示す
- 食料価格指数は、その数値が低下していれば世界の食料価格が低下していることを示す
新興国のインフレと食料価格指数の関係が重要!
新興国(発展途上国)等の低所得国は食品価格が上がるとすぐさま危機に陥ることがあるため、食料価格上昇は国際的な支援も必要となります。中東の産油国などで食料価格上昇による暴動が起きた場合、原油価格の上昇要因ともなります。
原油価格の推移は、以下のページで掲載しています。

新興国のインフレは、食料価格の上昇と原油を中心としたエネルギー価格の上昇に概ね連動し、この2つの要因で新興国のインフレが測れることがほとんどです。
食料価格指数は、中国需要と輸送コストの影響を受けやすい!
食料価格指数は中国など大国の輸入の増減や飼料向けの需要の増減にも影響を受けやすく、輸送コストの増減にも影響を受けます。2020年新型コロナの影響で物流が止まって輸送コストが上昇する事態が発生しましたが、輸送コストの上昇・低下も食料価格上昇・低下要因となりますし、労働力不足や原油高などエネルギー価格上昇も食料価格指数の上昇要因となります。
輸送コストはバルチック海運指数やコンテナ運賃指数を見るのが一般的です。以下のページで掲載していますので参照してください。


海洋ニーニョ指数(エルニーニョ現象やラニーニャ現象)の影響と食品価格
エルニーニョ現象とラニーニャ現象の解説は、以下のページを参照してください。
食品価格は、エルニーニョ現象やラニーニャ現象などの影響を受けます。エルニーニョ現象やラニーニャ現象を指数化した「海洋ニーニョ指数」と食料価格指数を比較した場合、
- エルニーニョ現象で食料価格低下
- ラニーニャ現象で食料価格上昇
といった傾向がありますが、近年はエルニーニョ現象やラニーニャ現象が起これば激しい異常気象が起こることがありますので、一概にそう考えない方がいいかもしれません。
深刻!昆虫のバッタ(サバクトビバッタ)大量発生の被害
アフリカの砂漠で大量のバッタ(サバクトビバッタ)が発生したニュースをテレビやネット等で観られたことがあると思いますが、エルニーニョ現象やラニーニャ現象の影響でアラビア半島でサイクロンが発生すればバッタが大量発生する要因となります。バッタは約1平方キロメートルに及ぶ大群で畑に押し寄せ、数分で作物をすべて食べ尽くしてしまいます。群れは1日に100キロ以上移動することもあり、各地で多大な被害を及ぼし、食料価格上昇要因となります(バッタは突発的に不定期に大量発生することもあり、発生地域もアラビア半島だけとは限りません)。
チャート(食料価格指数)

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- Chart [FAO Food Price Index(FFPI)]
時系列(historical data)
2023年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2023年05月 | 124.3 |
2023年04月 | 127.7 |
2023年03月 | 127.0 |
2023年02月 | 129.8 |
2023年01月 | 130.2 |
2022年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2022年12月 | 131.8 |
2022年11月 | 134.7 |
2022年10月 | 135.4 |
2022年09月 | 136.0 |
2022年08月 | 137.6 |
2022年07月 | 140.6 |
2022年06月 | 154.7 |
2022年05月 | 158.1 |
2022年04月 | 158.4 |
2022年03月 | 159.7 |
2022年02月 | 141.1 |
2022年01月 | 135.6 |
2021年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2021年12月 | 133.7 |
2021年11月 | 135.3 |
2021年10月 | 133.2 |
2021年09月 | 129.2 |
2021年08月 | 128.0 |
2021年07月 | 124.6 |
2021年06月 | 125.3 |
2021年05月 | 128.1 |
2021年04月 | 122.1 |
2021年03月 | 119.2 |
2021年02月 | 116.6 |
2021年01月 | 113.5 |
2020年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2020年12月 | 108.6 |
2020年11月 | 105.6 |
2020年10月 | 101.4 |
2020年09月 | 98.0 |
2020年08月 | 95.9 |
2020年07月 | 94.0 |
2020年06月 | 93.3 |
2020年05月 | 91.1 |
2020年04月 | 92.5 |
2020年03月 | 95.2 |
2020年02月 | 99.4 |
2020年01月 | 102.5 |
2019年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2019年12月 | 101.0 |
2019年11月 | 98.6 |
2019年10月 | 95.2 |
2019年09月 | 93.4 |
2019年08月 | 94.1 |
2019年07月 | 95.1 |
2019年06月 | 95.4 |
2019年05月 | 94.3 |
2019年04月 | 93.6 |
2019年03月 | 93.2 |
2019年02月 | 94.0 |
2019年01月 | 93.3 |
2018年
日付 | 食料価格指数 |
---|---|
2018年12月 | 92.2 |
2018年11月 | 92.2 |
2018年10月 | 93.3 |
2018年09月 | 94.2 |
2018年08月 | 96.0 |
2018年07月 | 95.1 |
2018年06月 | 97.0 |
2018年05月 | 98.7 |
2018年04月 | 98.6 |
2018年03月 | 99.0 |
2018年02月 | 97.9 |
2018年01月 | 96.8 |