世界半導体売上高(半導体出荷額)の概要
世界半導体売上高の最新データを速報で掲載しています。
SIA(米半導体工業会)、WSTS(世界半導体市場統計)公表の世界の半導体の売上高(出荷額)の推移です。毎月の半導体業界の売上データの唯一の情報源ですので、半導体需要の動向はこれを見て下さい。当ページでは、シリコンサイクルやスーパーサイクルの解説も掲載しています。世界半導体売上高の前年比のチャートがシリコンサイクルの傾向をよく表していますので、前年比のチャートを中心に見られるのがいいと思います。
- 当ページは、世界の半導体売上高(半導体出荷額)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:SIA(Semiconductor Industry Association:米半導体工業会),WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています。
- WSTS Blue Book(Worldwide) historical data&chart
半導体とシリコンウエハーの簡単な解説
半導体は、PC(パソコン)やスマートフォンをはじめ、あらゆる電化製品に含まれている上画像のような電子部品です。現在では日常生活に欠かせないものとなっています。
半導体の土台となるシリコン製の円形の板を「シリコンウエハー」といいます(上画像)。このシリコンウエハーに回路が埋め込まれており、これを一つ一つ切り取ったものが半導体という部品になります。
シリコンサイクルとは?わかりやすく解説
シリコンサイクルは、いつからいつまで?シリコンサイクルの周期
半導体産業には、3-5年程度の周期で上昇(好況)・下降(不況)を繰り返す構造的な景気循環があります。これを「シリコンサイクル」といいます。半導体の景気が好況時には受注が多く供給が不足し、不況時には需要が減速して供給過剰となるサイクルで、半導体の売上高にもその傾向が出ているため広く認知されているサイクルです。
現在のシリコンサイクルをチャートで確認しよう!
以下のチャートの欄に掲載している「前年比(世界の半導体売上高)のチャート」はシリコンサイクルの傾向をよく表していると認知されていますので、シリコンサイクルを見る場合、通常これを見ます。シリコンサイクルは、半導体の出荷が多いPCやスマホなどの需要変動が大きく影響しています。半導体は最終製品に組み込まれているため、最終製品の生産や供給が拡大・縮小する前の段階で半導体の需要は増減するため、シリコンサイクルは景気の先行指標としても捉えられています。つまり、半導体の景気が天井を打てば不況に、半導体の景気が底を打てば好況になると見られています。
シリコンサイクルとiPhoneの販売台数の連動性
世界の半導体の売上高は、これまでの傾向ではiPhoneの年間販売台数と連動しやすい関係があります。近年iPhoneの年間販売台数は2012年・2015年・2018年・2021年にその時点でのピーク水準を迎えましたが、世界の半導体売上高も概ねその近辺でピーク水準を迎える傾向があります。アップルの株価も概ねそこがピークとなりやすい傾向があります。3年周期であることがわかると思いますが、これはスマホの電池の交換時期にあたります(スマホのハードユーザーは3年程度で電池の保ちが悪くなる)。3年程度ですのでシリコンサイクルの周期に沿う形であることがわかります。
シリコンサイクルとパソコン(PC)の関係
パソコン(PC)は買い替えのサイクルが概ね7年程度です。パソコン支出は2002年・2009年・2016年・2019年・2023年に底をつけ、2004年・2011年・2018年・2021年にピークをつけています。以下で説明するスーパーサイクルを除けば概ね7年です。このピークとiPhoneのピークから半導体売上高のピークが推測しやすく、次は2025年近辺にピークを打ちやすいと予測することができます。ただし、2024年には米大統領選がありますので、次の米大統領の政策によるとは思います。
シリコンサイクルと半導体関連株の株価の傾向
シリコンサイクルの好況時には半導体関連株の株価は堅調に推移しやすいですが、不況時には在庫調整をして需要回復の見通しが立つまでは株価は弱含みしやすい、調整しやすい傾向があります。あるいは、不況時に半導体関連株が需要の減速を先行して織り込んでしまえば底打ちになる傾向もあります。
スーパーサイクルとは?
半導体のスーパーサイクルとは、半導体の需要が高まる状態が中長期に及ぶ現象です。半導体は通常、3-5年程度の周期で好況・不況を繰り返しますが、半導体の需要が高まる状態が長く続き好況の状態が続くことをスーパーサイクルと言います。半導体のスーパーサイクルの期間は、近年では2017-2018年がスーパーサイクルだったとの見方が多いです。
世界の半導体売上高とは?(半導体出荷額とは?)
当ページでは、世界の半導体市場の統計を行っているWSTS Inc.(World Semiconductor Trade Statistics)が公表している世界の半導体売上高(半導体出荷額)の推移を掲載しています。半導体業界の市場統計を見る場合、通常はこれを見るというもので、WSTSのデータベースは毎月の半導体業界の売上データの唯一の情報源となっています。
世界の半導体売上高を見れば、世界の半導体の需要を見ることができます。世界の半導体売上高が上昇していれば半導体需要の増加を示し、下がっていれば半導体需要の減速を示します。
WSTSとは?
WSTS Inc.は非営利の相互利益法人で、貿易純出荷と半導体業界の予測の収集と公開の管理を行っており、世界の半導体業界向けのサービスを定義しています。本部は米国カリフォルニア州モーガン ヒルにあり、運用センターはドイツのヴェルトにあります。参加半導体企業(42社)と4地域機関の会費によって資金提供されており、その代表者がWSTS委員会を構成しています。この委員会のメンバーは、正確で信頼できる毎月の販売データを提出しています。
参加半導体企業は世界的な半導体企業ばかりで構成されており、正確でタイムリーな販売データを提供しています。そのデータはWSTSのプログラムを通じて収集されており、このプログラムは世界の全ての地域の200を超える製品ラインを対象としています。
公表日(発表日)
世界の半導体売上高(半導体出荷額)は、毎月月末に作成され中旬に公表されます(予定)。ただし、米国基準ですのでアジア太平洋、日本、およびヨーロッパの地域は作成が翌営業日(月初)になる場合もあります。当サイト「株式マーケットデータ」ではデータが公表され次第、当サイトの”更新情報”のページや公式X(ツイッター)等でお知らせします。
当ページでは速報値を掲載し、改定値が出れば上書きして掲載していますので、常に最新のデータに置き換えて掲載しています。
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の推移はこちら
米国の半導体関連の代表的な株価指数である「SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)」の推移は、以下のページで掲載しています。SOX指数と世界の半導体売上高の比較チャートや、半導体のわかりやすい解説も掲載していますので参考にしてください。
日本の電子部品・デバイス工業の生産・出荷・在庫の推移はこちら
日本の鉱工業生産指数のうち、日経平均株価との連動性が高い業種別の電子部品・デバイス工業の生産指数・出荷指数・在庫指数・在庫率と出荷在庫バランスの推移は以下のページで掲載しています。
半導体市況の先行指標である台湾製造業PMIの推移はこちら
半導体市況の先行指標である「台湾製造業PMI」の推移と解説は、以下のページで掲載しています。半導体セクターの成長・縮小の兆候を早期に察知しましょう。
チャート(世界の半導体売上高)
世界の半導体売上高(半導体出荷額)のチャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [WSTS Blue Book(Worldwide) Monthly]
前月比(世界の半導体売上高)のチャート
- Chart [WSTS Blue Book(Worldwide) MoM]
前年比(世界の半導体売上高)のチャート/シリコンサイクル
- この前年比のチャートは、上の解説欄に記載しているシリコンサイクルの傾向がよく出ているため最も注目されています。
- Chart [WSTS Blue Book(Worldwide) YoY]
[速報] 最新データ|世界の半導体売上高の時系列(historical data)
日付 | 世界の 半導体売上高 | 前月比 | 前年比 |
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