
NT倍率の最新データを速報で掲載しています。
NT倍率は日経平均株価とTOPIXの倍率です。日経平均株価が強いのかTOPIXが強いのかがわかると同時に、値がさ株と大型株の強弱、急落のリスクも計れる指標です。急落リスクは裁定買残と合わせて見ると効果的です。解説は記載していますのでチェックして下さい。NT倍率の長期チャートや日経平均株価とTOPIXの相対チャートも掲載しています。

AIによるNT倍率の重要度評価
NT倍率は、市場が特定の大型株に依存しているかどうかを示す指標として有用。異常値(NT倍率が急上昇または急下降)が出れば日経先物主導の相場やTOPIXへの資金シフトなど、短期のトレンド変化を察知できる。短期的な投資家心理やトレンドを反映しやすい一方、長期投資家には影響が薄い。また、特定銘柄の株価変動に影響を受けやすく、倍率の変動理由が単純に解釈できない場合がある。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(NT倍率)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [NT ratio(NIKKEI225/TOPIX ratio)-Monthly,Daily]
- 相対チャート(パフォーマンス比較チャート)とは、基準日時点の株価を100として、各銘柄の変化の増減を表したチャートです。各銘柄のパフォーマンスを比較して見るのに適したチャートです。基準日(2019年1月4日)=100として指数化
ST倍率(日米相対株価)の解説と推移はこちら
ST倍率(S&P500とTOPIXの倍率)の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
[速報] 最新データ|NT倍率の時系列(historical data)
日付 | NT倍率 |
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NT倍率とは?
NT倍率(読み方:えぬてぃーばいりつ|英語:NT ratio)は、日経平均株価をTOPIX(東証株価指数)で割った倍率です。日経平均株価「N」とTOPIX「T」の倍率であるため「NT倍率」と呼ばれています。
NT倍率で何がわかる?
NT倍率は、日経平均株価をTOPIXで割って算出されるため、現在、日経平均株価が強いのかTOPIXが強いのかがわかる指標です。NT倍率を見る場合、日経平均株価とTOPIXの特徴を知っておく必要があるので、簡単に解説しておきます。
日経平均株価とTOPIXの特徴を知っておこう!
日経平均株価は、東証一部(東京証券取引所一部市場)に上場している銘柄のうち主要225銘柄の単純平均株価です。単純平均株価とは、株数などでウェイト付けしていない平均株価で、対象銘柄の株価合計を対象銘柄数で割って算出される平均株価です。つまり、単純に225銘柄の株価合計を銘柄数で割った平均株価ですので(厳密には連続性を保つために修正が加えられている修正平均株価)、日経平均株価に寄与度が高い値がさ株(株価が高い銘柄)の動向に左右されやすい株価指数です。
TOPIX(トピックス)は、東証一部全銘柄を対象に時価総額でウェイト付けした株価指数ですので、時価総額が大きい大型株の動向に左右されやすい特徴があります。
これらのことから、NT倍率は現在、値がさ株が強いのか大型株が強いのかを示す指標として認知されています。
NT倍率の目安と上昇・低下は何を意味する?
NT倍率が高ければ大型株より値がさ株の方が強く、NT倍率が低ければ値がさ株より大型株の方が強いことを示します。過去の平均では12倍前後で推移する指標ですが、日銀のETF買いなど特殊要因等がある場合は水準が切り上がったり切り下がったりしやすいです。
日銀のETF買いの推移はこちら
日銀のETF買いの推移は、以下の「日銀のETF・J-REITの買い入れ結果」のページで掲載しています。

NT倍率で急落のリスクを見る・裁定買残と裁定解消りに注意
上記のNT倍率の見方は基本ですが、もう少し解説すると、日経平均先物が買われている状況ではNT倍率は上昇しやすいです。日経平均先物の買い上がりによって日経平均株価が吊り上げられている状況を示していますので、極端にNT倍率が上昇した場合は急落のリスクが高まってきます。
なぜ急落のリスクが高まるのかというと、NT倍率が高い場合は裁定買残が積み上がっている状況の場合が多く、裁定買残が積み上がれば、いずれ裁定解消売りが出やすくなり、裁定解消売りは急落を伴いやすいからです。その場合、日経平均株価に寄与度が高い値がさ株の株価下落が大きくなりやすいので注意が必要です。NT倍率は上昇してピークアウトするとしばらく下がり続ける傾向がありますが、それは概ね裁定解消売りが出ている状況であることが多いです。
裁定買残の推移はこちら
裁定買残の推移は、以下の「裁定取引の推移」のページで掲載しています(見方の解説含む)。

ヘッジファンドの動きとNT倍率の関係
CTA(商品投資顧問)など短期筋のヘッジファンドは、流動性の高い日経平均先物を手掛けていることが多く、株価上昇局面では、日経平均買い・TOPIX売りのポジションを取りやすくなり、NT倍率は上昇しやすくなる傾向があります。反対に、そこから株価下落局面に転じれば、そのポジションを手仕舞うため、NT倍率は低下しやすくなります。
NT倍率の使い方「サヤ取りの方法」
上記でNT倍率が高くなった場合のリスクを解説しましたが、NT倍率が上昇している時は、基本的には外部環境が良好な時です。日経平均株価に寄与度が大きい値がさ株は海外市場や為替など外部環境に影響を受けやすい銘柄が多いので、それらが強く推移しだした、つまりNT倍率が上昇してきた時は概ね全体の相場も上昇基調であることが多いです。その後、物色の循環が効く相場となれば物色の対象がTOPIXに移り、TOPIXが強くなりやすい相場になってNT倍率が下がってきやすくなります。それを利用してNT倍率が高い時、つまり日経平均株価が強い時にTOPIXに寄与度が大きい大型株を仕込んでおくという投資方法は、NT倍率を使った一つの手法です。
NT倍率と相関しやすい・逆相関しやすい銘柄(業種)
NT倍率と相関しやすい(順相関・相関係数が高い)、NT倍率と逆相関しやすい(相関係数が低い)銘柄の業種は以下の通りです。相関係数が高い順(逆相関しやすい欄は相関係数が低い順)に並べています(電気機器はNT倍率と最も相関しやすく、銀行は最も逆相関しやすい)。
相関しやすい(順相関) | 逆相関しやすい |
---|---|
電気機器 | 銀行 |
精密 | 建設 |
機械 | 電気ガス |
サービス | 水産 |
化学 | パルプ紙 |
情報通信 | 保険 |
その他製品 | 繊維 |
金属製品 | 倉庫 |
- 当ページは、NT倍率の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「NT倍率とは」 - Source:日本経済新聞社・JPX(Japan Exchange Group, Inc.:日本取引所グループ)・株式マーケットデータ
- NT ratio(NIKKEI225/TOPIX ratio) historical data&chart