
米財務省が公表している米国の実質金利(実質利回り)のイールドカーブの最新データを速報で掲載しています。実質金利のイールドカーブは、「実質利回り曲線」「実質イールドカーブ」とも呼ばれています。一般的によく見られているイールドカーブは名目金利のイールドカーブですが、当ページのイールドカーブは実質金利のイールドカーブです。過去のイールドカーブと現在のイールドカーブが一目でわかるチャートを掲載しています。

AIによる米国の実質金利のイールドカーブの重要度評価
実質金利のイールドカーブは、短期的な資金需要と長期的な投資期待のバランスを示し、経済成長の見通しを直接評価するための重要な指標。実質金利は、株式や債券、不動産などの資産価格に大きな影響を与える。特に長期実質金利の上昇は、将来キャッシュフローの割引率を高め、成長株やテクノロジーセクターに逆風をもたらす。実質金利のフラット化や逆転は、リスク資産に対する投資家の態度を変える可能性がある。リスクフリー資産の実質リターンが高まると、リスク資産への資金流入が鈍化する傾向がある。名目のイールドカーブと比較して、実質金利のイールドカーブは中央銀行の政策がインフレ期待をどの程度抑制しているかを評価する上で重要。特に実質短期金利がマイナス圏にある場合、経済刺激策が十分に機能している可能性を示唆する。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(米国の実質金利のイールドカーブ)
[最新データ] 米国の実質金利のイールドカーブのチャート(現在と過去の比較)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Treasury Real Yield Curve(us)]
- チャートは、現在の最新の実質金利のイールドカーブと過去の実質金利のイールドカーブを表示しています。過去と現在の実質金利のイールドカーブの変化がわかります。
- 過去のイールドカーブは、それぞれ月末時点のイールドカーブを表示しています(例えば、現在が2021年9月15日であれば、”6カ月前”のイールドカーブは2021年3月末時点のイールドカーブを表示しています。「月末時点」とは、その月の最終営業日を指します)
一般的によく見られているイールドカーブは名目金利!
当ページでは、米国の実質金利のイールドカーブ(利回り曲線)を掲載していますが、一般的によく見られているイールドカーブは名目金利のイールドカーブです。その推移は、以下のページで掲載していますので参照してください(イールドカーブの解説も記載しています)。
米国の実質金利の解説と推移はこちら
米国(アメリカ)の実質金利の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
[速報] 最新データ|米国の実質金利のイールドカーブの時系列(historical data)
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- 5Y:実質金利(5年)
- 7Y:実質金利(7年)
- 10Y:実質金利(10年)
- 20Y:実質金利(20年)
- 30Y:実質金利(30年)
日付 | 5Y | 7Y | 10Y | 20Y | 30Y |
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当ページの実質金利について
上で紹介したリンク先「実質金利(米国)」のページで掲載している実質金利は、名目金利(長期金利・10年国債利回り)から期待インフレ率(10年)を差し引いた市場で最も注目される実質金利(予想実質金利・10年)ですが、当ページで掲載している実質金利は、米財務省が公表している”R-CMTレート”の実質金利です。どちらも米国の実質金利と捉えてもらって問題ありませんが、数値にわずかな誤差が出ます。その理由を以下で説明します。
R-CMTレートとは?(実質CMTレートとは?)
R-CMTレート(Real Constant Maturity Treasury Rates)とは、「実質CMTレート」や「米財務省国際実質利回り」と呼ばれる、FRB(連邦準備制度理事会)の実務を担うニューヨーク連邦準備銀行が、米財務省から取得した指標となる流通市場の相場から計算している米財務省インフレ連動国債(TIPS)の実質利回りです。
利回りは米財務省によって日々のイールドカーブから補間され、イールドカーブは市場で取引されている米財務省インフレ連動国債(TIPS)の利回りに基づいています。この市場利回りは、ニューヨーク連邦準備銀行が各取引日午後3時30分頃に取得した指標となる入札側の相場から計算しています(実際の取引ではない)。R-CMTの利回りの値は、各年限の固定満期のイールドカーブから得られます。この方法を用いれば、例えば未払いの証券が正確に10年満期まで残っていない場合でも10年満期の利回りが得られるため、この方法が用いられています。米財務省は3次スプラインモデルを用いてイールドカーブを毎日推定しています。
R-CMTレートをわかりやすく簡単に解説
R-CMTレートについて記載しましたが、少し難しいので簡単にいうと、R-CMTレートは米国のインフレ連動国債の市場利回りを3次スプラインモデルというモデルに当てはめて得られたレートです。
なぜこのようなレートが用いられているのかというと、例えば未払いの証券が正確に10年満期まで残っていない証券でも、10年満期の利回りが得られるためです。
このR-CMTレートの実質金利の値は入札側の相場からモデルにあてはめて算出される値ですので、名目金利から期待インフレ率を差し引いて算出される実質金利の値と微妙に異なることがありますが、同じものと捉えて差し支えありません。余談ですが、FRBはこのR-CMTレートを見て金融政策を判断していると公言しています。
TIPSイールドカーブとは?
当ページでは、米国の実質金利のイールドカーブを掲載していますが、これは5年・7年・10年・20年・30年の固定満期のインフレ連動国債(TIPS)の実質利回りのイールドカーブですので(R-CMTレート)、これを「TIPSイールドカーブ」と呼ぶ場合もあります。あるいは「実質利回り曲線」や「実質イールドカーブ」とも呼ばれています。呼び方が違うだけで同じものです。
- 当ページは、米国(アメリカ)の実質金利のイールドカーブの推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「イールドカーブ(利回り曲線)とは」 - Source:米財務省(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
- 米財務省公表のR-CMTレート(以下で解説します)から実質金利のイールドカーブを作成しています。
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
- Treasury Real Yield Curve Rates(us) historical data&chart