
米国(アメリカ)の銀行の預貸率の最新データを速報で掲載しています。資産規模別と全体(全米)の銀行の預貸率のチャートを掲載しています。預貸率は銀行が顧客から受け取った預金のうち、どれだけを貸し出しに活用しているかを示した指標です。収益性は向上しそうか?流動性リスクは高まりそうか?見てみましょう。

AIによる預貸率の重要度評価
預貸率は、銀行の預金残高に対する貸出残高の割合を示す。この指標は銀行の貸出能力や流動性リスク、資金運用の効率性を評価する際に重要。銀行の全体的な資金運用のバランスを評価するため、規制当局や投資家にとって重要な指標。預貸率が高すぎると流動性リスクが懸念され、低すぎると効率的な資金運用ができていないことを示唆する。銀行が預金に対して過剰に貸し出している場合、流動性不足や市場調達依存のリスクが高まる。一方、預貸率は短期預金と長期貸出のミスマッチの影響を受けやすいため、追加の指標を併用する必要がある。金融市場が不安定な場合、預貸率が一時的に変動し、長期的な健全性の判断が難しい。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(預貸率・米国)
米国銀行の預貸率のチャート
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Net Loans & Leases to Total Deposits-Quartely]
- Chart [Assets <$100 Million-Quartely]
- Chart [Assets $100 Million-$1 Billion-Quartely]
- Chart [Assets $1 Billion-$10 Billion-Quartely]
- Chart [Assets $10 Billion-$250 Billion-Quartely]
- Chart [Assets >$250 Billion-Quartely]
- Chart [All Insured Institutions-Quartely]
[速報] 最新データ|預貸率の時系列(historical data)
期間 | 2500億 ドル超 | 100億ドル- 2500億ドル | 10億ドル- 100億ドル | 1億ドル- 10億ドル | 1億ドル 未満 | 全体 |
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預貸率とは?わかりやすく簡単に解説
預貸率(読み方:よたいりつ)とは、預金残高に対する貸出残高の比率です。銀行など金融機関は顧客から受け取った預金を貸し出して収益を得ていますが、銀行が顧客から受け取った預金のうち、どれだけを貸し出しに活用しているかを示した指標が預貸率です。
預貸率の計算式
- 預貸率=貸出残高÷預金残高
貸出残高は銀行が顧客や企業に貸し出している残高、預金残高は顧客が銀行に預けている残高です。
預貸率で何がわかる?預貸率が高い・低いの意味と見方の解説
預貸率は、銀行など金融機関の預金がどれだけ貸出に回っているかを表す指標です。数値が高いほど貸出(融資)が活発に行われていて資金需要が高いこを示し、数値が低いほど預金が貸出に回らず余っていることを示します。経済が成長していれば資金需要が高まるため預貸率は高くなりやすく、景気が低下すれば預貸率は低くなりやすい傾向があります。
預貸率と銀行の収益性・経営効率性への影響
銀行の収益性は、預金からの貸し出しによる利ざや収入に依存しています。預貸率が高い場合、銀行は多くの預金を貸し出しに回し、その差額の利益を得ることができます。よって、預貸率が高いほど、銀行の収益性が向上します。銀行のリスク管理は、貸出ポートフォリオの質と規模に大きく影響されます。預貸率が適切に管理されていない場合、銀行は貸し出しの過剰なリスクを負う可能性があります。預貸率が低すぎると、銀行は収益性を犠牲にして安全性を確保しようとする可能性があります。預貸率が低い場合、銀行は十分な流動性を維持することが困難になりやすく、顧客からの引き出しに対して貸し出しの調達が必要となるため、流動性リスクが高まります。預貸率は銀行の経営効率性にも影響を与えます。預金からの貸し出しを最大限に活用することで、銀行は効率的にリソースを活用し、収益性を最大化することができます。逆に、預貸率が低い場合、銀行の収益性が低下し、経営効率性が損なわれる可能性があります。
金融政策による預貸率への影響
FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策は、金利水準や貨幣供給量を調整することによって経済を調整し、インフレや景気循環を制御しようとします。金融緩和や金融引き締めは、金融機関の貸し出し活動に影響を与えます。金融緩和時は政策金利が低下し、銀行の借入金利も低下します。これによって銀行は低い金利で資金を調達しやすくなり、預貸率が高まる傾向があります。逆に、金融引き締め時は、政策金利が上昇し、銀行の借入金利も上昇します。これにより、銀行の貸し出しコストが上昇し、預貸率が低下する傾向があります。
経済成長率と景気循環による預貸率の影響
経済成長率や景気循環も預貸率に影響を与えます。景気が好調で経済成長が加速すると企業や個人の貸し出し需要が増加し、銀行の預貸率が高まる傾向があります。逆に、景気後退や不況期には、企業や個人の貸し出し需要が低下し、銀行の預貸率が低下する傾向があります。これにより、銀行の収益性が悪化し、リスク管理が課題となる可能性があります。
米国の経済成長率の指標である名目GDP成長率は、以下のページに掲載しています。
預貸利ざやと預貸ギャップの推移はこちら
銀行の収益性を表す預貸利ざやと、資金需要の強さを表す預貸ギャップの推移と解説は、以下のページに掲載しています。
当ページの預貸率のチャートと時系列について
当ページでは、FDIC(連邦預金保険会社)が公表している米国の資産規模別の銀行および銀行全体の預貸率の推移を掲載しています。米国銀行の預貸率を見る際、最もよく見られているデータです。
資産規模別の預貸率
FDIC(米連邦預金保険公社)は、以下の資産規模別の銀行の預貸率を公表しています。括弧は2023Q3時点の銀行数です。
- 1億ドル未満規模の銀行(726行)
- 1億ドルから10億ドル規模の銀行(2,890行)
- 10億ドルから100億ドル規模の銀行(842行)
- 100億ドルから2500億ドル規模の銀行(142行)
- 2500億ドル超規模の銀行(14行)
全体の預貸率
FDIC(米連邦預金保険公社)は、商業銀行と貯蓄金融機関(S&L)の計4614行(2023Q3時点)の財務状況を集計しており、「全体」は全体(全米)の預貸率です。
- 当ページは、米国銀行の預貸率の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:Federal Deposit Insurance Corporation
- FDIC(米連邦預金保険公社)公表のデータから株式マーケットデータが作成。
- 四半期データ
- 単位:%
- U.S. Net Loans & Leases to Total Deposits-historical data&chart