
労働市場情勢指数(LMCI)は、米国(アメリカ)の労働市場の状況が長期の平均を上回っているのか?下回っているのか?が一目でわかる指標です。失業率だけでは見えない雇用の“質”や“勢い”を補足できる指標で、失業率の遅行性も補完できるため注目されています。「水準」と「モメンタム(勢い)」を示してくれるため、労働市場の”現在地”と”進行方向”を教えてくれます。米国の景気後退の先行指標になった歴史ある指標です。

AIによる労働市場情勢指数(LMCI)の重要度評価
労働市場情勢指数LMCIは、単一指標ではなく総合指数である点は非常に優秀。労働市場のさまざまなデータポイント(雇用、失業率、労働参加率など)を統合した指数であり、労働市場全体の健康状態を1つの数値で表す点で利便性が高い。水準+モメンタムを同時に把握でき、景気転換点に強く、失業率の弱点(遅行性)を補完できる。ただし、一般投資家には知名度が低く、短期売買のタイミング指標には不向き。他の雇用指標との併用が前提。「景気分析・中長期判断では非常に重要だが、万能ではない」。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(労働市場情勢指数LMCI)
労働市場情勢指数(LMCI)のチャート
労働市場情勢指数(LMCI)の推移を示したチャートです。米国の景気後退期との比較チャートにしています
労働市場情勢指数(LMCI)と米国の失業率のチャート
労働市場情勢指数(LMCI)と米国の失業率の推移を示したチャートです。
労働市場情勢指数(LMCI)とS&P500のチャート
労働市場情勢指数(LMCI)とS&P500の推移を示したチャートです。
労働市場情勢指数(LMCI)を表示中
Chart [Labor Market Conditions Index]
- スマホはチャート画像タップで拡大表示します。
- チャート上部のタブ(ボタン)をクリックするとチャートが切り替わります(選択中のタブは濃い青色)。
- ”レベル(水準)”は米国の労働市場の「現在地」、”モメンタム(勢い)”は「進行方向」として見ていただくとわかりやすいです。見方のわかりやすい解説は、当ページ下部の解説欄を参照してください。
- 灰色の囲みの期間が米国の景気後退期(リセッション期)です。米国の景気後退期間の解説と推移は「景気後退期間(米国・アメリカ)」のページを参照してください。
- 労働市場情勢指数(LMCI)は失業率と一緒に見ることで、雇用情勢が掴みやすいです。米国の失業率の解説と推移は、以下のリンク先のページで掲載しています。
関連指標
米雇用統計と求人倍率
米雇用統計と求人倍率の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
サームルール景気後退指標(サームルール不況指標)
失業率から算出され、米国の景気後退の始まりを100%的中させてきた「サームルール景気後退指標」の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
[速報] 最新データ|労働市場情勢指数(LMCI)の時系列(historical data)
| 日付 | 労働市場情勢指数 レベル(活動水準) | 労働市場情勢指数 モメンタム(勢い) |
|---|
労働市場情勢指数(LMCI)の解説
労働市場情勢指数(LMCI)の仕組み・見方・水準・過去の傾向を初心者向けに徹底解説
米国の景気や金融市場を分析するうえで、雇用情勢は最重要テーマの1つです。その雇用情勢を1つの総合指標として可視化したのが、「労働市場情勢指数(LMCI)」です。
LMCIは、カンザスシティ連邦準備銀行が公表している指標で、単一の失業率では捉えきれない労働市場の「水準」と「勢い」を同時に評価できます。
雇用情勢とは?
雇用情勢とは、どれだけの人が働けているか、また雇用環境が改善しているのか悪化しているのかを総合的に表した概念です。
具体的には、次のような要素を含みます。
- 失業率は高いか低いか
- 雇用者数は増えているか減っているか
- 求人は多いか(労働需要は強いか)
- 賃金は上昇しているか
- 雇用の改善・悪化のスピードはどうか
つまり雇用情勢とは、
「雇用の量・質・方向性をまとめて捉えた景気の重要な体温計」です。
そのため、雇用情勢は、
- 景気拡大・後退の判断
- FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策(利上げ・利下げ)の方向性
- 株式市場や為替市場の中長期トレンド
を考えるうえで、極めて重要な位置づけにあります。
労働市場情勢指数(LMCI)とは?
労働市場情勢指数(LMCI:Labor Market Conditions Indicators)とは、米国の労働市場を総合的に評価するための複合指数です。
LMCIの最大の特徴
- 24の雇用関連指標を統合
- 「今どれくらい良いか」と「改善・悪化の方向性」を分離
- 月次で更新され、景気転換点を捉えやすい
失業率だけでは見えない雇用の“質”や“勢い”を補足できる
という点が、LMCIが重視される理由です。
LMCIを構成する2つの指数
LMCIは、次の2つの指数で構成されています。
①レベル(水準)
- 労働市場が歴史的に見てどの程度強いか
- 雇用者数、失業率、求人件数、賃金指標などを総合評価
②モメンタム(勢い)
- 労働市場が改善しているのか、悪化しているのか
- 各指標の変化率・加速度を重視
水準=現在地
モメンタム=進行方向
と考えると、理解しやすくなります。
LMCIのチャートの見方
重要な基準線:「0(ゼロ)」
LMCIは0を基準にプラス・マイナスで評価します。
| 水準 | 解釈 |
|---|---|
| 0以上 | 平均より良好な労働市場 |
| 0未満 | 平均より弱い労働市場 |
よくあるパターン
- 水準+/モメンタム+
→ 労働市場が強く、さらに改善中 - 水準+/モメンタム-
→ 強いが、ピークアウトの兆し - 水準-/モメンタム-
→ 弱く、さらに悪化 - 水準-/モメンタム+
→ 底打ち・回復初期
過去の傾向から見るLMCIの有効性
リーマンショック期(2008年)
- 水準:急低下
- モメンタム:マイナス圏に長期滞在
→ 深刻な雇用悪化を明確に示唆
コロナショック(2020年)
- モメンタムが一歩早くに急落
- 水準は遅れて大幅悪化
→ 「悪化のスピード」を先行して検知
景気回復局面
- モメンタムが先に上昇
- その後、水準が回復
→ 景気転換点の把握に有効
他の雇用指標との違い
| 指標 | 特徴 |
|---|---|
| 失業率 | 単一指標・遅行性 |
| 非農業部門雇用者数 | 増減は分かるが質は不明 |
| LMCI | 水準+勢いを同時に評価 |
「失業率だけでは不十分」という問題意識から生まれたのがLMCIです。
投資・景気分析での使い方
実務的な活用例
- 米国株の景気循環判断
- FRBの金融政策スタンスの先読み
- 景気後退シグナルの補助指標
特に、
- モメンタムの急低下
- 水準が高いまま失速
は、注意すべき局面です。
LMCIの限界と注意点
- 万能ではない
- 金融市場の短期変動は反映しにくい
- 他指標(失業率、求人倍率等)との併用が前提
LMCIは「地図」であり、「単独の売買シグナル」ではない点は重要です。
まとめ|LMCIは「雇用の現在地と方向」を示す指標
- LMCIは米国労働市場の総合指数
- 水準とモメンタムの2軸で分析
- 景気転換点の把握に特に強い
- 初心者でも「0基準」で理解可能
失業率+LMCIをセットで見ることで、雇用情勢の理解は一段深まります。
- 当ページは、労働市場情勢指数(LMCI)の推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:カンザスシティ連銀(Federal Reserve Bank of Kansas City)
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています。
- Labor Market Conditions Index historical data&chart
- 当ページはFRB公表の労働市場情勢指数(LMCI)を掲載したページでしたが、FRBがLMCIの公表をやめたため、カンザスシティ連銀公表のLMCIを掲載しています。



