米国の雇用情勢を示した指標。世界的に注目度が非常に高いですがブレが大きいため、単月でなく基調を見るのが大切です
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米雇用統計とは、米国の雇用情勢を示した経済指標です。米労働省が毎月第1金曜日に公表しています。米労働省は、雇用・賃金・労働時間などに係る統計を「雇用状況」として公表しており、日本ではこれを「米雇用統計」と呼んでいます。米雇用統計は、毎月約6万世帯を対象に、雇用や完全失業に関するデータを集計した「人口動態調査」と、約16万事業所と政府機関を対象に、雇用・賃金・労働時間に関するデータを集計した「雇用統計調査」に基づいて作成されています。経済大国である米国の雇用情勢は世界的に注目度が非常に高く、米国は雇用・消費・住宅の経済指標が特に注目され、その結果によって金融市場は敏感に反応します。
米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が景気動向を敏感に反映するとして特に注目されます。ゆえに、当ページでは非農業部門雇用者数の推移を掲載しています。
米雇用統計の非農業部門雇用者数は、15-20万人程度の増加が好調の目安とされています。15万人以上増加していればGDPに問題ない水準とされており、20万人以上増加していればGDPを押し上げる要因になるとされています。ただし、その時々の失業率や労働参加率、雇用情勢、人口などによって水準の目安は変わります。また、季節要因で、米国では9月に雇用を増やして10月に減少することが多い傾向がありますし、ストライキの影響もカウントする統計となっており、ストライキなどで一時的に雇用が減少することがありますので注意が必要です。
米雇用統計(非農業部門雇用者数)は、比較的ブレが大きい指標です。改定値も大きく修正されやすい指標でもあります。というのも、非農業部門雇用者数の総数は、約1.4億人ですので、数万や数十万の雇用者数の増減は誤差の範囲内ということができます。ゆえに、金融市場は米雇用統計の単月の増減で一喜一憂しやすいですが、その基調が大切であると時々のFRB議長もよく指摘しています。よって、米雇用統計は、3カ月の平均値で基調判断するのが一般的です(6カ月平均で見ることも多いです)。
米国の雇用系の指標の代表格は、米雇用統計と失業率です。米雇用統計と失業率は発表日が同日ですので、通常は米雇用統計と失業率は一緒に見ます。米国の失業率の推移は「失業率(米国)」のページで確認できます。
失業率は、米国の雇用情勢がよければ下がりやすく、雇用情勢が悪ければ上がりやすいです。ただ、ストライキなどの時はこの相関関係が崩れることがあり、米国が完全雇用状態の時は、米雇用統計(非農業部門雇用者数)が減少していても失業率が低下しやすくなりますし、労働参加率の低下によって失業率が低下することもあります。また、完全雇用の状態の時は、15-20万人という米雇用統計の好調の目安が変わり、適正な雇用者数の水準が下がります。
完全雇用とは、働く意思と能力がある人全員が仕事についている状態です。米国の完全雇用を調べる場合は、失業率を見るようにします。米国では、失業率が概ね4%から5%であれば完全雇用状態とされています。
米雇用統計と同時に発表される米雇用統計の項目の一つである1時間あたりの平均時給は、将来のインフレ・デフレ圧力を判断する指標として注目度が非常に高いです。平均時給の推移は、以下のページで掲載しています。
雇用系の指標は、基本的に景気に遅行する指標です。先行指標とはなりません。企業は消費が伸びていないと生産を増やしませんので、その状況で雇用を増やしません。消費が伸びて生産を増やす状況になってから雇用を増やしますので、雇用系の指標は景気に遅行しやすいです。
ADP雇用統計は、米雇用統計に近い算出方法をとっており、米雇用統計の2営業日前に公表されるため、米雇用統計を予測する先行指標として使われることが多い指標ですので、比較チャートを載せておきます。
月 | 2021 | 2020 | 2019 | ||
12月 | -22.7 | 14.7 | |||
11月 | 33.6 | 25.6 | |||
10月 | 61.0 | 15.6 | |||
9月 | 67.2 | 18.0 | |||
8月 | 148.9 | 16.8 | |||
7月 | 173.4 | 15.9 | |||
6月 | 479.1 | 19.3 | |||
5月 | 269.9 | 7.2 | |||
4月 | -2,068.7 | 22.4 | |||
3月 | -87.0 | 18.9 | |||
2月 | 27.5 | 3.3 | |||
1月 | 4.9 | 27.3 | 31.1 | ||
月 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 |
12月 | 22.2 | 16.0 | 15.7 | 26.2 | 32.9 |
11月 | 17.6 | 25.2 | 20.4 | 25.2 | 35.3 |
10月 | 23.7 | 24.4 | 14.2 | 29.8 | 24.3 |
9月 | 11.8 | 1.8 | 19.1 | 13.7 | 25.6 |
8月 | 27.0 | 15.6 | 16.7 | 13.6 | 18.0 |
7月 | 14.7 | 18.9 | 27.5 | 24.5 | 21.2 |
6月 | 24.8 | 23.1 | 29.2 | 23.1 | 29.8 |
5月 | 24.4 | 15.2 | 1.1 | 25.4 | 22.4 |
4月 | 15.9 | 17.4 | 12.3 | 22.1 | 28.2 |
3月 | 13.5 | 7.9 | 20.8 | 8.5 | 20.3 |
2月 | 32.6 | 21.9 | 24.5 | 26.4 | 19.7 |
1月 | 23.9 | 23.8 | 17.2 | 23.9 | 12.9 |
月 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 |
12月 | 7.5 | 19.6 | 20.3 | 12.1 | -10.9 |
11月 | 24.1 | 16.1 | 10.0 | 7.1 | 6.4 |
10月 | 20.0 | 13.8 | 10.0 | 17.2 | -22.4 |
9月 | 14.8 | 14.8 | 15.8 | -4.1 | -22.5 |
8月 | 19.3 | 14.2 | 5.7 | -5.7 | -21.2 |
7月 | 10.4 | 14.1 | 8.5 | -5.4 | -34.6 |
6月 | 18.8 | 6.4 | 4.6 | -17.5 | -51.5 |
5月 | 19.5 | 7.7 | 2.5 | 43.2 | -38.7 |
4月 | 16.5 | 7.7 | 23.2 | 31.3 | -52.8 |
3月 | 13.8 | 15.4 | 22.1 | 20.8 | -75.3 |
2月 | 26.8 | 24.0 | 19.4 | 3.9 | -72.6 |
1月 | 11.9 | 28.4 | 6.3 | 1.4 | -77.9 |
月 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 |
12月 | -68.1 | 4.1 | 22.6 | 20.2 | 16.8 |
11月 | -59.7 | 6.0 | 19.6 | 35.1 | 6.5 |
10月 | -38.0 | 14.0 | 10.9 | 10.7 | 35.0 |
9月 | -32.1 | 8.1 | 19.8 | 10.5 | 17.0 |
8月 | -17.5 | 7.4 | 18.6 | 20.2 | 10.7 |
7月 | -12.8 | 5.7 | 22.2 | 32.7 | 5.9 |
6月 | -16.1 | 6.9 | 12.4 | 26.5 | 10.2 |
5月 | -13.7 | 19.0 | 10.3 | 18.8 | 26.9 |
4月 | -16.0 | 8.0 | 14.4 | 34.0 | 28.7 |
3月 | -12.2 | 17.7 | 24.9 | 12.4 | 34.3 |
2月 | -14.4 | 11.3 | 30.0 | 23.5 | 3.1 |
1月 | -7.2 | 14.6 | 20.6 | 9.5 | 11.4 |
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