米雇用統計(米国の雇用統計)の最新データを速報で掲載しています。米雇用統計で最も注目される非農業部門雇用者数の推移を掲載しています。
米雇用統計は、米国(アメリカ)の雇用情勢を示した指標です。世界的に注目度が非常に高い指標である一方、ブレが大きい指標のため、単月でなくその基調(トレンド)を見ることが大切です。当ページでは、米雇用統計の非農業部門雇用者数のチャートや3カ月平均や6カ月平均のチャートも掲載しているため、米雇用統計の基調も確認できます。また、ADP雇用統計との比較チャートや株価(S&P500)との比較チャート、米雇用統計の日から次の米雇用統計の日までのS&P500の推移がわかるチャートも掲載しているため、米雇用統計の公表を境に株価がどのように動いたのかも確認できます。
AIによる米雇用統計(非農業部門雇用者数)の重要度評価
米雇用統計(非農業部門雇用者数)は、米国労働市場の状態を最も包括的に示す指標であり、経済活動の動向を直接反映する。米連邦準備制度理事会(FRB)は、金融政策の決定において雇用統計を重要視しており、特に雇用の伸びは利上げや利下げの判断材料となる。毎月発表される非農業部門雇用者数の数値は、為替、株式、債券市場など幅広い市場に即時的かつ大きなインパクトを与える。発表直後のボラティリティが非常に高い指標の一つ。雇用の増減は景気拡大や後退のサイクルを捉える上で重要であり、経済成長と消費動向の先行指標としても機能する。一方、データは季節調整や予想外の要因(例: 天候、ストライキなど)による変動が大きく、一時的な数字のブレに過剰反応するリスクがある。また、発表後に大幅な修正が行われることがあり、初回の数値だけで判断するのはリスクが伴う。非農業部門雇用者数は農業分野や自営業者を含まないため、米国全体の労働市場を完全には反映していない。変動性や修正の影響を考慮し、他の指標(失業率、平均時給など)と組み合わせて分析する必要がある。それでも非農業部門雇用者数(NFP)は、米国経済を把握する上で最重要級の指標であり、その影響力は非常に大きいため、重要度はほぼ最高評価となる。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
- AIによる米雇用統計(非農業部門雇用者数)の重要度評価
- チャート(米雇用統計)
- チャート(米雇用統計の移動平均)
- チャート(米雇用統計とADP雇用統計)
- チャート(米雇用統計と株価)
- 平均時給の推移はこちら
- 米国の失業率はこちら
- 「サームルール景気後退指標(サームルール不況指標)」はこちら
- [速報] 最新データ|米雇用統計の時系列(historical data)
- 米雇用統計とは?
- 米雇用統計の公表日は、いつ?
- 非農業部門雇用者数が注目される!その水準と目安は?
- 米雇用統計の数値のブレが大きい!その理由は?3カ月平均で見よう!
- 米雇用統計と失業率の関係は?なぜ相関しない?
- 完全雇用とは?完全雇用の水準はどれくらい?
- 雇用指標は景気に遅行する
- 米雇用統計の信頼性は?その精度は高い?低い?
- 米雇用統計の推計値と確報値の公表
- 米雇用統計の先行指標「貸出態度指数」はこちら
チャート(米雇用統計)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [All Employees,Total Nonfarm(us)]
- ”米雇用統計の非農業部門雇用者数の長期チャート”は、米雇用統計の非農業部門雇用者数合計のチャートです。1939年1月分からの過去全てのデータをチャート化しています。
- 単位:万人
- 前月比のチャートは、米雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比の増減のチャートです。一般的に「米雇用統計」と言えば、この非農業部門雇用者数の前月比の増減が重視されます。
- 米雇用統計はコロナショック時の2020年4月に-2051.4をつけましたが、チャートに表示すると見にくくなりますので、チャートは上下100万人でカットしています。
チャート(米雇用統計の移動平均)
- チャートは米雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比の増減と、米雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比の増減の3カ月平均・6カ月平均との比較チャートにしています。
- 2004年1月分から掲載しています。
- 単位:万人
チャート(米雇用統計とADP雇用統計)
米雇用統計とADP雇用統計の比較チャート
- ADP雇用統計は米雇用統計に近い算出方法をとっており、米雇用統計の2営業日前に公表されるため、米雇用統計を予測する先行指標として使われることが多い指標ですので、ADP雇用統計との比較チャートを載せています。
ADP雇用統計の解説と推移はこちら
ADP雇用統計の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
チャート(米雇用統計と株価)
- 青色の縦線が入っている日が米雇用統計の公表日です。米雇用統計日ごとの株価(S&P500)のチャートを見れば、米雇用統計の公表日ごとの株価の推移がわかります。
平均時給の推移はこちら
米雇用統計と同時に発表される米雇用統計の項目の一つである1時間あたりの平均時給は、将来の物価、つまりインフレ・デフレ圧力を判断する指標として注目度が非常に高いです。平均時給の推移は、以下のページで掲載しています。
米国の失業率はこちら
米国の失業率の推移は、以下のページで確認できます。
「サームルール景気後退指標(サームルール不況指標)」はこちら
米国の景気後退の始まりを100%的中させてきた「サームルール景気後退指標」の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
[速報] 最新データ|米雇用統計の時系列(historical data)
- 2023年2月に米雇用統計は年次基準改定があり、過去に遡って改定値に置き換わりました。
- 当ページの米雇用統計のデータは、常に米労働省公表の最新のデータが反映されています。
- 時系列のデータは、市場で最も注目される米雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比の増減のデータを掲載しています。
- 単位:万人
日付 | 米雇用統計 | 3カ月平均 | 6カ月平均 |
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米雇用統計とは?
米雇用統計(英語:Current Employment Statistics us)とは、米労働省が公表している米国の雇用情勢を示した経済指標です。米労働省は、雇用・賃金・労働時間などに係る統計を「雇用状況」として公表しており、日本ではこれを「米雇用統計」と呼んでいます。米雇用統計は毎月約6万世帯を対象に、雇用や完全失業に関するデータを集計した「人口動態調査」と、約16万事業所と政府機関を対象に雇用・賃金・労働時間に関するデータを集計した「雇用統計調査」に基づいて作成されています。経済大国である米国の雇用情勢は世界的に注目度が非常に高く、米国は雇用・消費・住宅の経済指標が特に注目され、その結果によって金融市場は敏感に反応する傾向があります。
米雇用統計の公表日は、いつ?
米雇用統計は、米労働省が毎月第1金曜日に公表しています。
非農業部門雇用者数が注目される!その水準と目安は?
米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が景気動向を敏感に反映するとして特に注目されます。ゆえに、当ページでは非農業部門雇用者数の推移を掲載しています。
米雇用統計の非農業部門雇用者数は、15-20万人程度の増加が好調の目安とされています。15万人以上増加していればGDPに問題ない水準とされており、20万人以上増加していればGDPを押し上げる要因になるとされています。ただし、その時々の失業率や労働参加率、雇用情勢、人口などによって水準の目安は変わります。また、季節要因で米国では9月に雇用を増やして10月に減少することが多い傾向がありますし、ストライキの影響もカウントする統計となっており、ストライキなどで一時的に雇用が減少することがありますので注意が必要です。
米雇用統計の数値のブレが大きい!その理由は?3カ月平均で見よう!
米雇用統計(非農業部門雇用者数)は、比較的ブレが大きい指標です。改定値も大きく修正されやすい指標でもあります。というのも、非農業部門雇用者数の総数は約1.4億人ですので、数万や数十万の雇用者数の増減は誤差の範囲内ということができます。ゆえに、金融市場は米雇用統計の単月の増減で一喜一憂しやすいですが、その基調が大切であると時々のFRB議長もよく指摘しています。よって、米雇用統計は、3カ月の平均値で基調判断するのが一般的です(6カ月平均で見ることも多いです)。
当ページでは、米雇用統計の3カ月平均と6カ月平均のチャートも掲載していますので参考にしてください。
米雇用統計と失業率の関係は?なぜ相関しない?
米国の雇用系の指標の代表格は、米雇用統計と失業率です。米雇用統計と失業率は発表日が同日ですので、通常は米雇用統計と失業率は一緒に見ます。
失業率は、米国の雇用情勢がよければ下がりやすく、雇用情勢が悪ければ上がりやすいです。ただ、ストライキなどの時はこの相関関係が崩れることがあり、米国が完全雇用状態の時は米雇用統計(非農業部門雇用者数)が減少していても失業率が低下しやすくなりますし、労働参加率の低下によって失業率が低下することもあります。また、完全雇用の状態の時は15-20万人という米雇用統計の好調の目安が変わり、適正な雇用者数の水準が下がります。
完全雇用とは?完全雇用の水準はどれくらい?
完全雇用とは、働く意思と能力がある人全員が仕事についている状態です。米国の完全雇用を調べる場合は、失業率を見るようにします。米国では、失業率が概ね4%から5%であれば完全雇用状態とされています。
雇用指標は景気に遅行する
雇用系の指標は、基本的に景気に遅行する指標です。先行指標とはなりません。企業は消費が伸びていないと生産を増やしませんので、その状況では雇用を増やしません。消費が伸びて生産を増やす状況になってから雇用を増やしますので、雇用系の指標は景気に遅行しやすいです。
米雇用統計の信頼性は?その精度は高い?低い?
米雇用統計は米国の雇用情勢を見る代表的な世界的指標となっていますが、米雇用統計の精度についての議論が近年多くなってきています。米雇用統計は、全ての事業所を対象としたものではなく推計値です。新しい企業の新規雇用は反映されておらず、廃業した企業の雇用の減少も反映されていない推計値が公表されますので、景気が大きく変動している際はその精度が低くなりやすい可能性があります。景気減速の局面では新しく誕生する企業は少なくなり雇用は伸びず、廃業した企業は雇用を大きく減少しやすいですが、それも反映されていない指標となるので、過大推計・過大評価となる可能性が高まります。米雇用統計は、景気が大きく変動している時は過大・過小の推計・評価の指標となりやすいため注意が必要です。
米雇用統計の推計値と確報値の公表
上記のように米雇用統計は、毎月公表されるデータはあくまで推計値となり、景気変動の際は過大推計・過小推計になる可能性が高まる指標ですが、納税データに基づいて新しい企業の新規雇用や廃業した企業の雇用も調整した数値が確報値として公表されます。これは過去に遡ってデータが修正されます。当ページの米雇用統計の数値は、確報値が公表されれば過去に遡って確報値のデータに修正され、最新のデータが反映されるようになっています。
米雇用統計の先行指標「貸出態度指数」はこちら
米雇用統計に2四半期程度先行する指標として有名な「貸出態度指数(貸出態度DI)」の推移は、以下のページで掲載しています(解説付き)。