
米国(アメリカ)の実質FF金利(実質FFレート・実質政策金利)の最新データを速報で掲載しています。実質FF金利は、FF金利からインフレ伸び率を差し引いた実質のFF金利です。実質FF金利は、FRBの金融緩和あるいは金融引き締めの景気への影響を見る際に、FRBの利上げ局面では今後のFRBの利上げがどの程度か、FF金利をどこまで引き上げそうかを見る指標としても見られることが多いです。実質FF金利はPCEコアやコアCPIで算出することが多いですが、当ページではその両方の実質FF金利を掲載しています。

AIによる実質FF金利の重要度評価
実質FF金利は、名目FF金利からインフレ率(コアCPIまたはPCEコア)を差し引いたもの。これにより、経済全体の貸出コストや投資収益率の真の実効性を把握できる。実質FF金利がプラス圏では金融引き締め効果が強く、マイナス圏では金融緩和が進行中であることを示唆。これにより、景気循環の判断材料として重要。FRBがインフレ目標を達成しているかどうかを確認する際に、実質FF金利は重要な参考値となる。実質FF金利の水準は、株式市場、債券市場、為替市場など幅広い資産クラスの動向に波及的な影響を与える。
PCE(個人消費支出)はFRBのインフレ目標指標として用いられており、PCEコアベースの実質FF金利は政策決定に直結する。PCEはCPIに比べて消費者の支出行動をより広範に反映し、インフレ測定の基準としてより信頼されている。PCEコアベースの実質FF金利の重要度は4.8。
コアCPI(消費者物価指数)は消費者の実感に近く、インフレトレンドを測るための主要指標。ただし、エネルギーや食品の除外が現実のインフレ圧力を完全に反映していない場合もある。FRBがPCEを主に参照するため、コアCPIベースの実質FF金利は直接的な政策指標としての影響力がやや低下。重要度は4.6。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(実質FF金利)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Real Federal Funds Rate-PCE Core/Personal Consumption Expenditures Core-Monthly]
- Chart [Real Federal Funds Rate-US Core CPI/Consumer Price Index-Monthly]
- PCEコアデフレーターとコアCPIから算出した実質FF金利です。
- ゼロ%ラインに赤色の点線を引いています。
- チャートの灰色の期間が米国の景気後退期間です。
自然利子率と実質FF金利の推移はこちら
自然利子率と実質FF金利の比較チャートは、以下のページで掲載しています。
FF金利の推移はこちら
FF金利の推移と解説は、以下のページで掲載しています(当ページで掲載しているのは実質FF金利です。以下のページのFF金利は名目FF金利です)。
米国のPCEコアとコアCPIの推移はこちら
米国のPCEコア(PCEコアデフレーター)とコアCPIの推移と解説は、以下のページで掲載しています。
日本の実質政策金利の推移はこちら
日本の政策金利と実質政策金利の推移は、以下のページで掲載しています(CPIベース・コアCPIベースの両方を掲載)。
[速報] 最新データ|実質FF金利の時系列(historical data)
日付 | 実質FF金利 (PCEコア) | 実質FF金利 (コアCPI) |
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実質FF金利とは?
実質FF金利(読み方:じっしつえふえふきんり)とは、「実質FFレート」や「実質政策金利」とも呼ばれる、FF金利(FFレート・フェデラルファンド金利)からインフレ率を差し引いて算出する実質のFF金利です。実質FF金利の算出で用いられるインフレ率は、PCEコア(PCEコアデフレーター)やコアCPIを用いるのが一般的です。当ページでは、その両方の実質FF金利の推移を掲載しています。
実質FF金利の計算式と計算方法
実質FF金利(%)=FF金利ーインフレ伸び率
当ページの実質FF金利は、FF金利は毎月の平均値、インフレ伸び率は以下の欄で掲載しているPCEコアデフレーターとコアCPIの伸び率から算出しています。
実質FF金利の公表日
実質FF金利は、毎月PCEコアデフレーターとコアCPIの公表日に算出・公表します。データ更新の際は、当サイトの”更新情報”のページや公式X(旧ツイッター)等でお知らせします。
実質FF金利で何がわかる?
実質FF金利は、FF金利とインフレ率から算出されます。FF金利は金融市場の中心的な金利でローンや貯蓄等さまざまな金利に影響するため、これからの消費者の金利負担に影響が出る一方、インフレ率は過去の消費者の行動が反映されるため、個人消費がGDP(国内総生産)の7割を占める米国では、FRB(連邦準備制度理事会)の金融緩和あるいは金融引き締めが景気への影響するかを見る指標として見られることが多いです。また、FRBの利上げ局面では、今後のFRBの利上げのピーク(ターミナルレート)はどの程度か、FF金利をどこまで引き上げそうかを、過去の実質FF金利のピークから推察することが多いです。
実質FF金利プラス・実質FF金利マイナスの意味
実質FF金利がプラスの場合、FF金利(政策金利)がインフレ率より高い状況ですので、FF金利は景気に抑制的な水準であることを示します。FF金利は金融引き締め的水準です。
実質FF金利がマイナスの場合、FF金利(政策金利)がインフレ率より低い状況ですので、FF金利は景気に刺激的な水準であることを示します。FF金利は金融緩和的水準です。
自然利子率と実質FF金利(金融緩和と金融引き締めの強さ)
自然利子率から実質FF金利を差し引いて金融緩和や金融引き締めの強さを測ることもあります。自然利子率から実質FF金利を差し引いた値がプラス圏で高ければ高いほど金融緩和の度合いが強いことを示し、自然利子率から実質FF金利を差し引いた値がマイナス圏で低ければ低いほど金融引き締めの度合いが強いことを示します。
自然利子率と実質FF金利の差で算出される金融緩和と金融引き締めの強さの推移と解説は、以下のページで掲載しています。
実質FF金利と景気後退期・インフレ率の傾向
実質FF金利の過去の傾向では、実質FF金利が2-3%程度のプラスで長期間推移した後、米国では景気後退(リセッション)入りする傾向があります。景気後退入りした後、インフレ率が低下する傾向もあります。
量的緩和(QE)と実質FF金利
実質FF金利は、リーマンショック前までは概ねプラスでしたが、2008年のリーマンショックでゼロ金利や量的緩和(QE)が実施されて以降はマイナスで推移しやすい傾向があります。
- 当ページは、米国の実質FF金利の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:Board of Governors of the Federal Reserve System,Federal Reserve Bank of New York,Bureau of Economic Analysis,U.S. Bureau of Labor Statistics
- 当ページの実質FF金利は、ニューヨーク連銀が公表しているFF金利と、米国の商務省と労働省が公表しているPCEコアデフレーターとコアCPIから、株式マーケットデータが算出しています。
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は改定値を上書きして掲載しています。
- Real Federal Funds Rate historical data&chart