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マネタリーベース(米国)

米国(アメリカ)のマネタリーベースの概要

マネタリーベース(米国・アメリカ)

マネタリーベースは、中央銀行が世の中に供給するお金の総量(資金供給量)です。現金と禁輸機関が中央銀行に預けている当座預金残高の合計で、中央銀行が操作できるお金の総量がマネタリーベースです。当ページでは、米国のマネタリーベースの過去から現在までの推移を掲載しています。このマネタリーベースの増減は景気や物価、金利に影響します。マネタリーベースと米国の長期金利や株価(S&P500)との比較チャートも掲載しています。

マネタリーベースとは?

マネタリーベース(英語:monetary base)とは、資金供給量です。簡単に言うと、中央銀行が世の中に供給するお金の総量で、世の中に出回っている現金と金融機関が中央銀行に預けている当座預金残高の合計ですので、マネタリーベースは中央銀行が操作できるお金の総量を示しています。

マネタリーベースの拡大と縮小(金融緩和と金融引き締め)の解説

マネタリーベースは、中央銀行(米国であればFRB(連邦準備制度理事会))の金融政策によって引き上げられたり(拡大)引き下げられたり(縮小)します。

景気と物価とマネタリーベースの関係

不景気でGDP(国内総生産)を引き上げたい場合、中央銀行は金融緩和政策によって金融機関保有の国債を買ってマネタリーベースを拡大(資金供給量を増やす)して経済を立て直し、景気が過熱していればバブルを抑制するために金融引き締め政策によって金融機関に国債を売ってマネタリーベースを縮小(資金供給量を減らす)します。マネタリーベースを拡大すれば物価上昇圧力となり、マネタリーベースを縮小すれば物価低下圧力となります。このように、中央銀行はバブルやインフレを抑えるためにマネタリーベースを調節して経済を安定させています。

マネタリーベースの金利への影響

マネタリーベースは中央銀行の国債の買い入れ(あるいは売り)によって増えたり減ったりします。マネタリーベースが増えれば金利低下要因となり、マネタリーベースが減れば金利上昇要因となります。

米国の金利(国債利回り)の推移は、以下のページで掲載しています(解説付き)。

マネタリーベースの拡大・縮小のペース

マネタリーベースは拡大・縮小のペースも重要ですので、マネタリーベースが拡大しているペース、あるいはマネタリーベースが縮小しているペースも重視されます。当ページではマネタリーベースの「前年比」の推移も掲載していますが、前年比でマネタリーベースが拡大していれば金利低下圧力、マネタリーベースが縮小していれば金利上昇圧力となります。

マネタリーベースが金利に影響しない?どんなケースがある?

マネタリーベースの拡大・縮小は金利の低下・上昇要因となりますが、マネタリーベースの拡大・縮小が金利に影響しない場合があります。それは、市場に国債があまりない場合や中央銀行が金利に影響しない範囲でマネタリーベースを拡大・縮小している場合です。その場合、マネタリーベースの拡大・縮小が金融緩和・金融引き締めの効果にはなりません。

マネタリーベースとマイナス金利の関係

当ページでは米国のマネタリーベースの推移を掲載しておりマイナス金利は関係ありませんが、マネタリーベースとマイナス金利の関係も記載しておきます。

ここでは日本銀行(日銀)を例に記載しますが、マイナス金利下ではマネタリーベースの拡大はあまり意味を持ちません。マネタリーベースは現金と当座預金残高からなります。マイナス金利は当座預金残高のマイナス金利適用部分にかかりますが、マネタリーベースを増やしても、マネタリーベースが増えるのは当座預金のゼロ金利適用部分が圧倒的に多いです。これは、金融機関がマイナス金利で運用するよりゼロ金利の方が運用にとっていいからです。というのも、民間金融機関は市場からマイナス金利でお金を借りてきて日銀の当座預金のゼロ金利部分に預ければその分の利ざやが稼げますので、マネタリーベースを増やしてもゼロ金利部分の当座預金が増えるだけで、資金が市場に出回るといった金融緩和効果はありません。つまり、マイナス金利下ではマネタリーベース拡大・縮小は景気や物価には効果はありません。

マネタリーベースの公表日

米国のマネタリーベースの公表・発表予定日は、毎月第4火曜日です。ただし、その日が連邦の休日に当たる場合、翌営業日にシフトする場合があります。

マネーストック(マネーサプライ)の推移はこちら

金融機関から世の中に供給されている通貨量である「マネーストック(マネーサプライ)M1・M2」の推移は、以下のページで掲載しています(解説付き)。

チャート(マネタリーベース・資金供給量)

米国のマネタリーベースのチャート(景気後退期と比較)

米国(アメリカ)のマネタリーベースのチャート
  • チャート画像クリックで拡大表示します。
  • Chart [Monetary Base U.S.-Monthly]
  • 灰色の囲みの期間が米国の景気後退期(リセッション期)です。米国の景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。
景気後退期間(米国・アメリカ)
米国(アメリカ)の景気後退と景気拡大の期間のチャートと時系列です(速報)。全米経済研究所(NBER)公表分。日本と米国の景気後退期の比較チャートも掲載!景気後退はいつからいつまで?過去から現在までの推移と景気循環や公表日のわかりやすい解説付き。

マネタリーベース(前年比)のチャート

マネタリーベースの前年比のチャート
  • Chart [Monetary Base(YoY)]

マネタリーベースと長期金利(米国10年国債利回り)のチャート

マネタリーベースと長期金利(米国10年国債利回り)のチャート
  • Chart [Monetary Base,10year-Treasury Constant Maturity-Monthly]
  • マネタリーベースと長期金利(米国10年国債利回り)の比較チャートです。米国10年国債利回りはCMTレートの月末値を掲載。CMTレートの解説は以下の「イールドカーブ(利回り曲線・米国)」のページを参照してください。
イールドカーブ(利回り曲線・米国)
米国(アメリカ)のイールドカーブ(利回り曲線)のチャートと時系列です(速報)。米財務省公表分、現在と過去が比較できます。短期金利と長期金利の関係の分析、国債への投資の指標、そして将来の米国の景気動向やFRBの金融政策を予測する際に見られます。

マネタリーベースと株価(S&P500)のチャート

マネタリーベースと株価(sp500)のチャート
  • Chart [Monetary Base,S&P 500-Monthly]

マネタリーベース(前年比)と株価(S&P500)のチャート

前年比のマネタリーベースと株価のチャート
  • Chart [Monetary Base(YoY),S&P 500-Monthly]

[速報] 最新データ|米国のマネタリーベースの時系列(historical data)

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