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プライムレート(米国銀行の貸出金利)

プライムレート(貸出基準金利)の概要

プライムレート(米国銀行の貸出基準金利)

米国(アメリカ)の銀行の貸出基準金利「プライムレート」を掲載しています。プライムレートは、大手銀行が信用力が高い大企業に事業の資金を貸し出す際に適用する金利で貸出金利の指標となっています。預金金利やFRBの利上げ・利下げ、経済成長との関係を見ながら推移を見てみましょう。FF金利との比較チャートも掲載しています。

  • 当ページは、米国のプライムレートの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
  • Source:Board of Governors of the Federal Reserve System
  • FRB(連邦準備制度理事会)公表のプライムレートを掲載しています。
  • 単位:%
  • Bank Prime Loan Rate-historical data&chart

プライムレートとは?(貸出基準金利とは?)

プライムレートとは、米国の民間の大手銀行が信用力が高い大企業に事業の資金を貸し出す際に適用する金利(最優遇貸出金利)です。プライムレートは米国認可商業銀行の保険対象上位25行(国内資産別)の大多数が設定した貸出金利で、銀行が短期ビジネスローンの価格設定に使用する基準金利の1つです。

貸出金利(読み方:かしだしきんり)とは、金融機関(銀行など)が顧客に資金を貸し出す際の金利です。金利は、簡単にいうと「お金のレンタル料」です。

プライムレートは貸出金利の指標となっていますので、「貸出基準金利」や「標準貸出金利」とも呼ばれています。米国では、事業の貸出金利の指標となる金利がプライムレートで、一つの銀行でも貸出金利は多くありますが、プライムレートは共通して適用されやすく、各貸出金利の水準を端的に表す標準的な指標はプライムレート以外にありませんので、米国の事業の貸出金利はこの「プライムレート」を見ることになります。ただし、銀行(商業銀行)の貸出にとって重要な住宅抵当や消費者信用などの貸出金利とは相違しやすかったり適用するか否かは銀行によって異なりますので、あくまで標準的な貸出金利として見る必要があります。

企業は変動金利で借り入れる

個人とは違い、企業の場合は変動金利で借り入れる割合が8割程度と高いです。よって、プライムレートの上昇・低下は企業の借入の金利(利払い)に大きく影響します。

プライムレートの上昇とゾンビ企業の増加・金融ショックに繋がるか?

以下で説明を記載していますが、プライムレートは金利の変動に応じて変動し、通常プライムレートの変動は金利(国債利回り)の変動に若干遅行します。プライムレートの上昇時は注意が必要で、上昇時は企業の利払い負担が増えますので、上昇に耐えられない企業が増加しやすい傾向があります。米国ではプライムレートの上昇によってゾンビ企業が増加する傾向があり、上場企業のゾンビ比率が比例して高まる傾向があります。また、それと同時に米国の景気が後退すれば事態が深刻になる可能性があり、中小企業であればより厳しい状況になりやすいです。

その際、金融市場で関心を集めるのは「金融ショックが起こるのか?」ということです。金融ショックに繋がるか否かを見る際、よく注目されるのは”デフォルト率(債務不履行率)”です。通常、デフォルト率はインフレ率のピークから2年程度遅れてピークをつけやすいのが経験則として認知されていますのでそれが一つの目安となりますが、ムーディーズなど格付け機関が今後のデフォルト率の予想を出していますのでそれが一つの参考になります。

格付け機関のAR値の水準と目安

格付け機関が今後のデフォルト率の予想が一つの参考になると記載しましたが、格付け機関の格付けは景気に遅行するので注意が必要です。例えば、景気が減速の初期では格付け機関は格下げが遅れる傾向があり、デフォルト率の予想の正確性に疑問がつく可能性があります。後に格下げが増加すればデフォルト率の予想が上がる可能性があるので注意する必要があります。格付けの正確性を示す指標として「AR値」というものがあります。AR値の平均的な水準は91-92%程度で目安となる水準ですが、このAR値がそれ以下であれば正確性に疑問がつくと見るが妥当だと思います。

預金金利と貸出金利の関係と影響(FRBの利上げ・利下げとの関係)

銀行は、金利の変動に応じて預金金利や貸出金利を引き上げたり引き下げたりします。預金金利は預金に対して支払う金利、貸出金利は貸出によって得られる金利です。

金利の変動、つまりFRB(連邦準備制度理事会)利上げ・利下げを受けて預金金利や貸出金利は見直されますが、金利上昇は多くの米国銀行にとって預金金利と貸出金利の利ざやの拡大・収益拡大につながりやすく、金利低下は米国銀行にとって利ざやの縮小・収益縮小につながりやすいです。

この預金金利と貸出金利の利ざやを「預貸利ざや(よたいりざや)」といいます。米国の銀行の預貸利ざやの推移は以下のページに掲載していますので最新のデータをチェックしておきましょう。利ざやと金利の上昇・低下の感応度やペースの解説も記載していますので参考にして下さい。

プライムレートとFF金利(米国の政策金利)の関係

FRBの利上げ・利下げを受けて預金金利や貸出金利は引き上げられたり引き下げられたりしますので、プライムレートは米国の政策金利であるFF金利と概ね連動しますが、これにはルールがありませんので、利上げ・利下げ局面でも引き上げられなかったり引き下げられなかったり、それぞれ上昇幅・低下幅が異なったりすることもあります。当ページでは、プライムレートとFF金利を比較したチャートも掲載していますので、これまでの傾向をご確認いただけます。

預金金利はFRBが加盟銀行の預金金利の限度を決定する権限がありますので、その性質上、米国の政策金利であるFF金利との関係は長期的に不変で国債利回りとの関係も密接になります。非加盟銀行は、FDIC(連邦預金保険会社)がFRBの決定に準じて限度を設定しています。また、貸出金利であるプライムレートも、FF金利と0.5%から3%程度の差で連動しやすい傾向があります(利ざやや貸し倒れ保証から高くなるのが普通です)。政策金利は国債など証券の金利に追従しやすく、これは貸出金利とは異なりますが、政策金利は今後の金融政策の指標となり金利全般に心理的効果を与えることからFF金利とプライムレートに影響しやすいです。

貸出金利と経済成長

経済が伸びている局面(経済成長が加速している局面)であれば貸出は増加しやすく貸出金利は上昇やすいです。預金金利より貸出金利の上昇幅の方が大きければ、預貸利ざや拡大で利ざやと金利の上昇・低下の感応度が高い銀行株の銘柄の投資妙味が高まります。ただ、その時の金利水準が高ければ貸出は増加しにくく貸出金利も鈍化しやすいので、その時の金利水準も見ておく必要があります。金利は国債利回りが指標となりますので、国債利回りもチェックしておきましょう。米国の国債利回りの推移は、以下のページに掲載しています。金利水準は、過去と比較して高い水準にあるのか低い水準にあるのかを見るのがポイントになります。

預貸率も見る

また、預貸率が高い水準にあるのか低い水準にあるのかもポイントになります。預貸率の推移は、以下のページに掲載していますのでチェックしておきましょう。

銀行のバリュエーションも見る

銀行の投資妙味は、銀行のバリュエーション指標も見ておく必要があります。米国の銀行のROE・ROA・自己資本利益率の推移は、以下のページに掲載しています。

チャート(プライムレート)

[月次] 米国のプライムレートのチャート(景気後退期と比較)

米国(アメリカ)のプライムレート(貸出基準金利)のチャート
  • チャート画像クリックで拡大表示します。
  • Chart [U.S. Bank Prime Loan Rate-Monthly]
  • チャートの灰色の期間が米国の景気後退期間です(1960年1月分から掲載)。景気後退期間の解説と推移は、以下のページを参照してください。

[月次] 米国のプライムレートとFF金利のチャート

プライムレートとff金利(ffレート)のチャート
  • Chart [U.S. Bank Prime Loan Rate,Federal Funds Rate-Monthly]
  • FF金利の解説と推移は、以下のページに掲載しています。

[日次] 米国のプライムレートのチャート

プライムレートのチャート
  • Chart [U.S. Bank Prime Loan Rate-Daily]

[速報] 最新データ|プライムレートの時系列(historical data)

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