日本のGDPデフレーターの概要


日本のGDPデフレーターは、交易条件(貿易での稼ぎやすさ)を加味した国内の物価動向を表す指標である。交易条件の改善で上昇し、交易条件の悪化で低下する。通常は前年比が注目されやすい。交易条件とは?物価指標である消費者物価指数(CPI)との違いは?わかりやすく解説。GDPデフレーターは、プラスを維持していれば株価上昇要因となりやすい。
- 当ページは、日本のGDPデフレーターの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「GDPデフレーターとは」 - Source:内閣府(CAO:Cabinet Office)
- 内閣府公表のGDPデフレーターを掲載しています。
- 前期比(季節調整済み)と前年比(前年同期比)を掲載しています。
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています。
- GDP deflator(japan) historical data&chart
GDPデフレーターとは?
GDPデフレーターとは、交易条件(貿易での稼ぎやすさ)を加味した物価指標です。日本のGDPデフレーターは、日本国内経済全体の物価動向を表す指標です。
GDPデフレーターの計算式
GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP
日本の名目GDPと実質GDPの推移はこちら
日本の名目GDPと実質GDPの推移と解説は、以下のページで掲載しています(解説付き)。
交易条件とは?
交易条件(読み方:こうえきじょうけん)とは、貿易での稼ぎやすさを示す指標です。その国の購買力を示す指標です。交易条件が改善(上昇)していればその国の購買力が強くなっていることを示し、交易条件が悪化(低下)していればその国の購買力が弱くなっていることを示します。
交易条件の計算式
交易条件=輸出価格÷輸入価格
交易条件の改善と交易条件の悪化は何を示す?
輸出物価の上昇や輸入物価の下落で交易条件が改善すれば、安く輸入して高く輸出できる環境ですので国の貿易環境が良くなっていることを示します。国内に資金が流入しやすい環境となります。
一方、輸出物価の下落や輸入物価の上昇で交易条件が悪化すれば、高く輸入して安く輸出できる環境ですので国の富が国外に流出しやすい環境を示します。
GDPデフレーターと消費者物価指数(CPI)の違い
GDPデフレーターは消費者物価指数(CPI)と違い、消費だけでなくGDPに計上される全ての財・サービスを含むため包括的な物価指標と見られています。ただし、GDPデフレーターは国内生産品だけが対象です(消費者物価指数は輸入品価格も含んでいます)。
日本の消費者物価指数(CPI)の推移はこちら
日本の消費者物価指数(CPI)の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
GDPデフレーターの上昇要因と低下要因
GDPデフレーターは交易条件が改善(交易利得)すれば上昇し、交易条件が悪化(交易損失)すれば低下します。具体的には、海外とのやりとりで輸入価格が下がったり、あるいは輸出価格が上がったり、原油価格が下がったり、賃金上昇でインフレになったり、日本の実体経済が良くなると日本の稼ぎやすさが強くなるのでGDPデフレーターは上昇します。逆の場合はGDPデフレーターは低下します。またGDPデフレーターの上昇はインフレ圧力が強いことを示し、GDPデフレーターの低下はデフレ圧力が強いことを示します。
GDPデフレーターと株価の関係
GDPデフレーターが伸びている時は、実質GDPよりも名目GDPの方が伸びている状態で株価上昇要因となりやすいです。つまり、GDPデフレーターがプラスを維持していれば株価が上昇しやすい環境です。ただし、先行き悪化が見込まれる場合は株価下落要因となります。
消費者物価指数や企業物価指数が伸びているのにGDPデフレーターが伸びない?
消費者物価指数が上昇、企業物価指数が上昇しているのに、GDPデフレーターが上昇しない場合があります。これは輸入物価の上昇によって所得が海外に流出している可能性が高いです。つまり、交易条件悪化でGDPデフレーターが伸びていないと考えられます。この状況の時は、輸入物価の上昇以外の物価上昇圧力は弱いことを示します。
交易条件の悪化は円安ではない?資源価格の上昇が大きい
交易条件の悪化(交易損失)は円安が要因と考えられやすいですが、所得の流出が要因にもなりやすいです。また、交易条件が悪化しやすい最も大きな要因は資源価格等の上昇です。対実質GDPの内訳では、交易条件悪化要因で最も大きいのが資源価格によるもので為替要因は基本的には小さいです。
交易条件の悪化が円安ではない理由
輸出企業は円安が進んでも契約通貨建ての価格は変えませんので、円ベースの輸出価格が上昇して得をする企業もあれば、輸入価格の上昇で損をする企業もあります。これを合計すると相殺されて為替による影響は小さくなりやすい傾向があります。
交易条件の悪化が続くと景気が悪化する
過去の傾向では、交易条件の悪化(交易損失)が続くと消費は約1年後に悪化しやすく、住宅への投資は約1年-1年半後、設備投資は約1年半から2年後に悪化する傾向があります。
GDPデフレーターの公表日は、いつ?
GDPデフレーターの公表日(発表日)は以下です。当ページでは、最新のデータを掲載しています(公表日後に最新のデータを上書きして掲載しています)。
- 1-3月期(1次速報):5月
- 1-3月期(2次速報):6月
- 4-6月期(1次速報):8月
- 4-6月期(2次速報):9月
- 7-9月期(1次速報):11月
- 7-9月期(2次速報):12月
- 10-12月期(1次速報):2月
- 10-12月期(2次速報):3月
チャート(GDPデフレーター)
日本のGDPデフレーターの前期比のチャート

- 拡大表示はこちら
- チャートは「拡大表示はこちら」で拡大できます。拡大表示されたチャートにカーソルを合わせれば、カーソルの位置のデータが表示されます。
- Chart [GDP deflator(japan) QoQ]
日本のGDPデフレーターの前年比のチャート

- 拡大表示はこちら
- Chart [GDP deflator(japan) YoY]
時系列(historical data)
単位:%
期間 | 前期比(GDPデフレーター) | 前年比(GDPデフレーター) |
---|---|---|
2023年07-09月 | 0.5 | 5.1 |
2023年04-06月 | 1.4 | 3.5 |
2023年01-03月 | 1.3 | 2.0 |
2022年10-12月 | 1.4 | 1.2 |
2022年07-09月 | -0.7 | -0.3 |
2022年04-06月 | -0.2 | -0.2 |
2022年01-03月 | 0.8 | 0.4 |
2021年10-12月 | -0.3 | -0.3 |
2021年07-09月 | -0.3 | -0.2 |
2021年04-06月 | 0.0 | -0.5 |
2021年01-03月 | 0.2 | 0.0 |
2020年10-12月 | -0.2 | 0.3 |
2020年07-09月 | -0.4 | 1.2 |
2020年04-06月 | 0.5 | 1.5 |
2020年01-03月 | 0.3 | 0.9 |
2019年10-12月 | 0.7 | 1.5 |
2019年07-09月 | -0.1 | 0.5 |
2019年04-06月 | 0.1 | 0.4 |
2019年01-03月 | 0.7 | 0.1 |
2018年10-12月 | -0.2 | -0.3 |
2018年07-09月 | -0.1 | -0.3 |
2018年04-06月 | -0.2 | 0.1 |
2018年01-03月 | 0.2 | 0.5 |
2017年10-12月 | -0.2 | 0.1 |
2017年07-09月 | 0.3 | 0.3 |
2017年04-06月 | 0.2 | -0.1 |
2017年01-03月 | -0.2 | -0.6 |
2016年10-12月 | 0.0 | 0.1 |
2016年07-09月 | -0.1 | 0.0 |
2016年04-06月 | -0.2 | 0.6 |
2016年01-03月 | 0.4 | 1.0 |
2015年10-12月 | 0.0 | 1.6 |
2015年07-09月 | 0.2 | 1.9 |
2015年04-06月 | 0.5 | 1.6 |
2015年01-03月 | 0.9 | 3.3 |
2014年10-12月 | 0.3 | 2.3 |
2014年07-09月 | 0.0 | 2.0 |
2014年04-06月 | 2.1 | 2.1 |
2014年01-03月 | 0.1 | 0.3 |
2013年10-12月 | 0.0 | -0.1 |
2013年07-09月 | 0.1 | -0.1 |
2013年04-06月 | 0.0 | -0.4 |
2013年01-03月 | -0.2 | -0.9 |
2012年10-12月 | 0.0 | -0.6 |
2012年07-09月 | -0.2 | -0.7 |
2012年04-06月 | -0.5 | -0.9 |
2012年01-03月 | 0.1 | -0.9 |
2011年10-12月 | -0.1 | -1.4 |
2011年07-09月 | -0.3 | -1.6 |
2011年04-06月 | -0.7 | -1.9 |
2011年01-03月 | -0.3 | -1.6 |
2010年10-12月 | -0.3 | -1.5 |
2010年07-09月 | -0.6 | -1.7 |
2010年04-06月 | -0.5 | -2.0 |
2010年01-03月 | 0.0 | -2.3 |
2009年10-12月 | -0.7 | -2.3 |
2009年07-09月 | -0.8 | -0.3 |
2009年04-06月 | -0.8 | 0.0 |
2009年01-03月 | 0.1 | 0.3 |
2008年10-12月 | 1.2 | 0.1 |
2008年07-09月 | -0.7 | -1.4 |
2008年04-06月 | -0.1 | -1.3 |
2008年01-03月 | -0.2 | -1.0 |
2007年10-12月 | -0.4 | -1.2 |
2007年07-09月 | -0.5 | -0.6 |
2007年04-06月 | 0.0 | -0.4 |
2007年01-03月 | -0.3 | -0.6 |
2006年10-12月 | 0.1 | -0.5 |
2006年07-09月 | -0.1 | -0.7 |
2006年04-06月 | -0.2 | -1.1 |
2006年01-03月 | -0.2 | -1.3 |
2005年10-12月 | -0.2 | -1.5 |
2005年07-09月 | -0.4 | -1.3 |
2005年04-06月 | -0.5 | -1.1 |
2005年01-03月 | -0.5 | -0.9 |
2004年10-12月 | 0.1 | -0.4 |
2004年07-09月 | -0.1 | -1.2 |
2004年04-06月 | -0.3 | -1.5 |
2004年01-03月 | -0.2 | -1.3 |
2003年10-12月 | -0.7 | -1.7 |
2003年07-09月 | -0.3 | -1.2 |
2003年04-06月 | -0.1 | -1.2 |
2003年01-03月 | -0.7 | -2.3 |
2002年10-12月 | -0.2 | -1.5 |
2002年07-09月 | -0.3 | -1.4 |
2002年04-06月 | -1.0 | -1.4 |
2002年01-03月 | 0.1 | -1.3 |
2001年10-12月 | -0.2 | -1.1 |
2001年07-09月 | -0.3 | -1.3 |
2001年04-06月 | -0.8 | -1.1 |
2001年01-03月 | 0.1 | -0.8 |
2000年10-12月 | -0.3 | -1.3 |
2000年07-09月 | -0.2 | -1.1 |
2000年04-06月 | -0.4 | -1.5 |
2000年01-03月 | -0.3 | -1.4 |
1999年10-12月 | -0.2 | -1.7 |
1999年07-09月 | -0.6 | -1.4 |
1999年04-06月 | -0.4 | -1.0 |
1999年01-03月 | -0.5 | -0.9 |
1998年10-12月 | 0.2 | -0.4 |
1998年07-09月 | -0.3 | -0.4 |
1998年04-06月 | -0.2 | -0.2 |
1998年01-03月 | 0.0 | 1.0 |
1997年10-12月 | 0.1 | 0.9 |
1997年07-09月 | -0.2 | 0.7 |
1997年04-06月 | 1.1 | 0.8 |
1997年01-03月 | -0.1 | -0.3 |
1996年10-12月 | -0.2 | -0.6 |
1996年07-09月 | -0.1 | -0.4 |
1996年04-06月 | 0.0 | -0.1 |
1996年01-03月 | -0.4 | -0.6 |
1995年10-12月 | 0.1 | -0.4 |
1995年07-09月 | 0.1 | -0.5 |
1995年04-06月 | -0.2 | -0.8 |
1995年01-03月 | -0.5 | -0.4 |
1994年10-12月 | 0.1 | |
1994年07-09月 | -0.4 | |
1994年04-06月 | 0.3 | |
1994年01-03月 |