日本の潜在成長率の概要

潜在成長率は資本・生産性・労働力の3つの総和。潜在的な成長力を示す指標で、経済を過熱させない範囲内で達成できる経済成長率の上限、つまりGDPを生み出すために必要な供給能力を毎年どれだけ増やせるかを示した指標である。潜在成長率を簡単に言うと、経済の基礎体力である。
- 当ページは、潜在成長率(日本)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- 各指数・指標の解説
「経済成長率・潜在成長率とは」 - Source:日本銀行(BOJ:Bank of Japan)
- 速報値を掲載し、改定値で修正があった場合は上書きして掲載しています
- Potential growth rate(japan)-historical data&chart
潜在成長率とは?わかりやすく解説
潜在成長率(読み方:せんざいせいちょうりつ|英語:Potential growth rate)とは、潜在的な成長力を示す指標で、資本・生産性・労働力の3要素を目一杯利用して達成できる仮想の成長率です。潜在成長は、現在の経済構造を前提にしたその国の経済の供給力を示しており、中期的に達成できる経済の成長率を示した指標として捉えられています。
資本とは?
資本とは、生産活動に必要な工場や機械設備などのことを指します。
生産性とは?
生産性とは、技術革新や技術の活用法の譲渡、労働や資本の質向上等を指します。
労働力とは?
労働力とは、労働力人口と労働時間の積を指します。
潜在GDPとは?
潜在成長率は、景気循環の影響を均した平均的な供給力「潜在GDP」の成長率です。資本・生産性・労働力の3要素を平均的な投入水準から得られる実質GDPの成長率(伸び率)が潜在成長率です。
GDPには名目GDPや実質GDPといった実際のGDPと潜在的なGDPがありますが、その潜在的なGDPの成長率(伸び率)が潜在成長率です。
潜在GDPのさらに詳しい解説は、以下の米国の潜在GDPの推移を掲載したページに記載していますので参照してください。

日本の名目GDPと実質GDPの推移はこちら
日本の名目GDPと実質GDPの推移は、以下のページで掲載しています。


潜在成長率を見て何がわかる?
潜在成長率は資本・生産性・労働力の3つの総和で、経済を過熱させない範囲内で達成できる経済成長率の上限です。つまり、潜在成長率はGDP(国内総生産)を生み出すために必要な供給能力を毎年どれだけ増やせるかを示す指標ですので、潜在成長率は経済成長率と比較して見ることが最も多いです。
潜在成長率が経済成長率に達しない場合は不景気と判断されます。
経済成長率(GDPの伸び率)と潜在成長率の違いは?
経済成長率(GDPの伸び率)は、個人消費や企業の設備投資などの需要側から見た成長率です。一方の潜在成長率は、資本・生産性・労働力といった供給側の成長率を示しています。
潜在成長率の公表日は、いつ?
潜在成長率の公表日(発表日)は、原則1・4・7・10月の第3営業日です。
現在の潜在成長率と先行きの潜在成長率の見通し
潜在成長率は、中央銀行や国際機関が経済・物価情勢の分析の際に頻繁に使用されています。日本では日本銀行調査統計局が算出・公表し、日本銀行が展望レポートで現状の評価と先行きの見通しを示しています。
潜在成長率の計算と誤差について
潜在成長率は仮想の成長率であり、客観的なデータとして観察できるものではないため、潜在成長率の数値は日本銀行調査統計局が算出・公表している推計値です。推計値は推計手法によって異なる値が出たり、様々な推計誤差が出るため、十分な幅を持って見る必要があります。また推計手法は見直しも行われます。
潜在成長率をわかりやすく簡単に
潜在成長率をわかりやすく簡単にいうと、経済の基礎体力のようなものです。経済の基礎体力ですので、一時的な景気拡大や景気縮小(景気後退)といった景気サイクルの循環とは違うものです。ゆえに、例えば経済指標でいい数値が出たからといって、それらの一時的な強さや弱さで潜在成長率の強弱は測りにくいです。潜在成長率を反映する指標として認知されているのは「実質金利」です。
日本の実質金利の推移は、以下のページで掲載しています。

日本の需給ギャップ(GDPギャップ)の推移はこちら
日本の需給ギャップ(GDPギャップ)の推移(チャートと時系列)は、以下のページで掲載しています(解説付き)。

米国の潜在成長率の推移はこちら
米国の潜在成長率の推移は、以下のページで掲載しています。

チャート(潜在成長率・日本)
日本の潜在成長率のチャート

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- Chart [Potential growth rate(japan)]
時系列(historical data)
単位:%(前年比)
下半期:第4四半期と第1四半期
期間 | 潜在成長率(日本) |
---|---|
2023年上半期 | 0.62 |
2022年下半期 | 0.49 |
2022年上半期 | 0.37 |
2021年下半期 | 0.31 |
2021年上半期 | 0.20 |
2020年下半期 | 0.17 |
2020年上半期 | 0.20 |
2019年下半期 | 0.17 |
2019年上半期 | 0.17 |
2018年下半期 | 0.22 |
2018年上半期 | 0.27 |
2017年下半期 | 0.39 |
2017年上半期 | 0.53 |
2016年下半期 | 0.60 |
2016年上半期 | 0.71 |
2015年下半期 | 0.85 |
2015年上半期 | 0.90 |
2014年下半期 | 0.97 |
2014年上半期 | 1.05 |
2013年下半期 | 1.01 |
2013年上半期 | 0.92 |
2012年下半期 | 0.87 |
2012年上半期 | 0.74 |
2011年下半期 | 0.26 |
2011年上半期 | 0.03 |
2010年下半期 | 0.01 |
2010年上半期 | -0.27 |
2009年下半期 | -0.33 |
2009年上半期 | -0.10 |
2008年下半期 | 0.14 |
2008年上半期 | 0.29 |
2007年下半期 | 0.51 |
2007年上半期 | 0.71 |
2006年下半期 | 0.83 |
2006年上半期 | 1.04 |
2005年下半期 | 1.17 |
2005年上半期 | 1.09 |
2004年下半期 | 0.98 |
2004年上半期 | 0.90 |
2003年下半期 | 0.83 |
2003年上半期 | 0.77 |
2002年下半期 | 0.77 |
2002年上半期 | 0.93 |
2001年下半期 | 1.14 |
2001年上半期 | 1.18 |
2000年下半期 | 1.01 |
2000年上半期 | 0.91 |
1999年下半期 | 0.72 |
1999年上半期 | 0.62 |
1998年下半期 | 0.89 |
1998年上半期 | 1.21 |
1997年下半期 | 1.44 |
1997年上半期 | 1.64 |
1996年下半期 | 1.64 |
1996年上半期 | 1.51 |
1995年下半期 | 1.26 |
1995年上半期 | 1.06 |
1994年下半期 | 1.39 |
1994年上半期 | 1.72 |
1993年下半期 | 1.76 |
1993年上半期 | 2.01 |
1992年下半期 | 2.53 |
1992年上半期 | 3.08 |
1991年下半期 | 3.63 |
1991年上半期 | 3.94 |
1990年下半期 | 4.08 |
1990年上半期 | 4.19 |
1989年下半期 | 4.40 |
1989年上半期 | 4.61 |
1988年下半期 | 4.45 |
1988年上半期 | 4.17 |
1987年下半期 | 4.05 |
1987年上半期 | 4.11 |
1986年下半期 | 4.19 |
1986年上半期 | 4.24 |
1985年下半期 | 4.25 |
1985年上半期 | 4.08 |
1984年下半期 | 3.82 |
1984年上半期 | 3.58 |
1983年下半期 | 3.47 |
1983年上半期 | 3.50 |