
対数チャートとは?(ログチャートとは?)
対数チャート(英語:Logarithmic Chart|ログチャート)とは、”%変化” をベースに縦軸が設定されているチャートです。
[図解] 対数チャートと通常のチャート(線形チャート)の比較

通常のチャートとの違い
線形で表される通常のチャート(線形チャート)は価格がそのまま縦軸(Y軸)に反映され、「価格の変化」が等間隔に設定されますが、対数チャートは「割合の変化」が縦軸に等間隔に設定されます。
- 通常のチャート(線形チャート)は価格がそのまま縦軸に反映されますので、例えば価格が100→200→300→400と値上がりすると、Y軸にもそのまま等間隔で表示されます。
- 一方、対数チャートは、”%変化” をベースに縦軸が設定されますので、例えば100→200(+100%)と200→400(+100%)が同じ距離で描かれます。
特徴 | 線形チャート | 対数チャート |
---|---|---|
縦軸(Y軸) | 金額ベースで等間隔 | 割合(%変化)ベースで等間隔 |
同じ距離の変化 | 常に「一定の金額」変化を示す(例:+100) | 常に「一定の割合」変化を示す(例:+100%) |
表示のスケール | リニア(直線的) | ログ(対数的:指数関数的な動きが直線に見える) |
対数チャートが使われる理由
長期的な値動きの比較がしやすい
S&P500のように何十年も成長している指数は、長期チャートでは初期の値動きが小さく見えてしまう欠点があります。ですが、対数チャートを使えば、過去も現在も同じ「成長率」で見られるので、より実態に近いチャートになります。
大きな上昇や下落を正しく評価できる
価格が、例えば「100→200」に上昇したとすると、2倍で+100%です。そして「500→600」に上昇したとすると、+100であるものの+20%の変化です。線形チャートだとこの違いが目立ちにくいですが、対数チャートならしっかり区別されます。
線形チャートと対数チャートのメリットとデメリット
線形チャートのメリット | 線形チャートのデメリット |
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初心者にわかりやすい | 長期で見ると初期の価格変動がつぶれて見える |
実際の金額の動きが直感的に伝わる | 大きく成長した銘柄は後半の伸びだけが強調されてしまう |
チャートパターン(例:三角持ち合い)が明瞭 | 小さな頃の変化(初期の成長率)が軽視されやすい |
対数チャートのメリット | 対数チャートのデメリット |
---|---|
長期的な成長率を公平に比較できる | 初心者にはやや直感的でない(伸びが控えめに見える) |
初期の価格変動もきちんと可視化できる | 少額トレードでは誤解を生む可能性がある |
テクニカル分析でトレンドの角度を比較しやすい | 単純な金額ベースの損益判断には不向き |
大企業・成長株などの「%ベースの変化」を視覚化 | 短期売買では使われないことが多い |
投資ではどちらを使うべきか?
状況 | どちらを使う? |
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長期的に株価を見たい(指数や大型株など) | 対数チャート |
短期トレード(数日~数ヶ月) | 線形チャート |
初心者がとりあえず動きを把握したい | 線形チャート |
テクニカル分析(チャネルやトレンドライン)にこだわる | 対数チャート |