
日本のマネーストックM1・M2・M3(日本銀行公表)の最新データを速報で掲載しています。
日本のマネーストックは、日本経済のお金の流れを測る物差しです。経済にお金がどれだけあるかを教えてくれる経済指標です。
当ページでは、日本のマネーストックの長期チャートに加え、日経平均株価との比較チャートも掲載しています。マネーストックのわかりやすい解説も掲載しています。

AIによる日本のマネーストックの重要度評価
日本のマネーストックは、日本経済の「血流」を見る上で重要。政策の効果を測る目安になる。一方、マネーストックの増減は、一般国民や中小企業への体感度は低く、マネーストックが多いから景気が良いのではなく、それが使われなければ意味がない。マネーストックは、経済にお金がどれだけあるかは教えてくれるが、それが経済で回っているかは別問題。マネーストックは使われてこそ真価が問われる。原則的にお金が増えれば物価が上がるが、日本は構造上効きにくい傾向がある。効かせるには「使われる政策」も必要。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(日本のマネーストックのM1とM2とM3)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Money Stock(M1.M2.M3) JAPAN-Monthly]
- 日本のマネーストックの単位:兆円
- 日本のマネーストック平均残高を反映しています。
- 日本のマネーストックの前年比の長期と超長期のチャートです。
- 日経平均株価を表示させるには、チャート上部のタブの「日経平均株価」を選択して下さい。
- 前年比の単位:%
- 2004年3月以前は、日本のマネーサプライのデータを反映しています。詳細は、当ページ下部の解説欄の「マネーサプライからマネーストックへ」の欄を参照して下さい。
日本のマネタリーベースの推移はこちら
日本のマネタリーベースの推移と解説は、以下のページで掲載しています。
米国のマネーストック(マネーサプライ)の推移はこちら
米国のマネーストック(マネーサプライ)の推移と解説は、以下のページで掲載しています。
日本のマネーストックの公表日
日本のマネーストックは、対象月の翌月第7営業日に公表されます(3、9月分は金融機関からのデータ入手が遅れるため、翌月第9営業日の公表)。当ページでは、その最新データを掲載しています。
[速報] 最新データ|日本のマネーストックの時系列(historical data)
マネーストックは、確報確定後も基礎資料の入手等に伴い、定例的に計数が遡及訂正されます。当ページのチャートや時系列の表は、常に最新の訂正値が反映されます。
- 単位:兆円
日付 | M1 | 前年比 | M2 | 前年比 | M3 | 前年比 |
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日本のマネーストックの解説
日本のマネーストックとは?
マネーストックとは?[簡単に言うと]
マネーストックとは、企業・個人などが保有している通貨の総量(世の中に出回っているお金の量)のです。マネーストックは、日銀(日本銀行)が毎月発表している経済指標で、日本経済の“カネの流れ”を測る物差しの一つです。
マネーストックは「経済の燃料タンクの量」
マネーストックは、例えるなら経済の燃料タンクに入っているガソリンの量です。でも、そのガソリン(お金)をエンジン(経済活動)で燃やさなければ意味がありません。
マネーストックが多い=景気が良い、ではない。
使われてこそ、マネーストックの真価が問われるのです。マネーストックは“量”より“流れ”が大事です。マネーストックが増えても貯金ばかりで使われないなら、経済成長にはつながらないのです。
マネーストックとマネタリーベースの違い
つまり、マネーストック=「実際に使われるお金」、マネタリーベース=「政策で供給された元手」です。
マネーサプライからマネーストックへ
日本銀行は1955年以降、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの指標としてマネーサプライ統計を作成・公表していましたが、2008年6月に通貨保有主体や各指標の通貨発行主体および金融商品の範囲の見直しを行うとともに、同統計の名称をマネーストック統計に変更しました。この変更により、同じ定義に基づく長期の連続した残高データを作成することはできませんが、定義等の変更を踏まえたうえで長期時系列データを作成する日銀の方法で作成した残高で前年比の系列を作成すると、2004年4月以降はマネーストック統計の前年比、それ以前はマネーサプライ統計の前年比をつないだものと同じとなります。よって、当ページではそのデータを掲載しています(これは日銀が公表しているデータです)。
マネーストックの種類(M1・M2・M3とは?)
マネーストックは次のように分類されます。
指標 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
M1 | 現金 + 当座預金 | すぐ使えるお金(流動性が高い) |
M2 | M1 + 定期預金など(都市銀行・地銀) | 日本で最も注目される指標 |
M3 | M2 + 信用金庫・労金など | 広い範囲の預金 |
M2が日本のマネーストックとして主要に使われます。日銀や財務省の統計も基本的にM2を軸に発表しています。
日本のマネーストックの推移と歴史
年代 | 内容 |
---|---|
1990年代 | バブル崩壊後も緩やかに上昇 |
2000年代 | ゼロ金利・量的緩和政策(QE)でじわじわ増加 |
2013年〜 | 黒田日銀総裁の異次元緩和で加速的に増加 |
2020年〜 | コロナ対策で政府・日銀が資金注入、史上最高水準に |
2024年~ | M2は過去最高水準 |
マネーストックが経済に与える影響
良い影響 | 悪い影響(注意点) |
---|---|
銀行貸出が活発になる | お金が貯蓄に滞ると経済効果が出にくい |
消費・投資が活発になる | インフレリスクや資産バブルを招く |
金融政策の効果が見えやすくなる | 量が増えても“流れ”がなければ意味がない |
マネーストックとインフレ率の関係
インフレ率は、消費者物価指数CPIで確認できます。日本の消費者物価指数CPIは、以下のページで掲載しています。
量が増えれば物価は上がる?
経済学の基本理論「貨幣数量説」では、以下の式が使われます。
ここから導かれる考え方は、
- M(お金の量)が増えれば → P(物価)も上がる
- ただし → V(お金の回転速度)や Y(生産量)も影響する
つまり、お金が増えても、回らなければインフレは起きないということです。
日本では「マネーストックは増えても、物価は動かなかった」
時期 | マネーストック | 物価(インフレ率) |
---|---|---|
1990〜2000年代 | ゆるやかに増加 | デフレ・物価横ばい |
2013〜2020年(黒田緩和) | 急増 | 物価ほぼ動かず |
2021〜2025年 | 高止まり | 輸入インフレで上昇したが、一時的要因中心 |
なぜマネーストックが増えてもインフレにならなかったのか?
- 銀行貸出が伸びなかった
増えたお金は“貸し出されずに日銀当座預金に眠った” - 企業・個人が「貯金」志向
消費や投資に回らず、お金が滞留した - 賃金が上がらなかった
可処分所得が増えないので、物価も上がらない - 高齢化と人口減
消費を拡大させる人口ボーナスがない
一方、アメリカでは新型コロナ時に政府が現金給付や企業補助で“使われる形”でマネーを供給したため、マネーストック増が物価に直結しました。
マネーストックとインフレの関係は「あるけど、すぐには効かない」
- 原則的には、お金が増えれば物価は上がる(理論的)
- 現実的には、日本では効きにくい(構造要因)
- 効かせるには、「使われる仕組み」がセットで必要(例:給付・減税・設備投資)
マネーストックがインフレ率と連動しやすい条件
- お金が「政府から消費者へ」直接出るとき(例:給付金)
- 銀行が積極的に貸し出し、企業が設備投資・雇用を増やすとき
- 賃金が安定して上がり続けるとき(物価上昇が継続しやすい)
- 当ページは、日本のマネーストックの解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:日本銀行(BOJ:Bank of Japan)
- マネーストックの訂正が公表されれば、訂正値を上書きして掲載しています。
- Money Stock(JAPAN) historical data&chart