
S&P500のガンマエクスポージャー(GEX)の最新データを速報で掲載しています。
株価は、マーケットメイカーのオプション市場のヘッジ取引の影響を大きく受けます。このヘッジ取引が株価のボラティリティ(変動の大きさ)を安定させたり、不安定にしたりしていますが、このマーケットメイカーのヘッジ取引の影響を数値化したものが「ガンマエクスポージャー(GEX)」です。このガンマエクスポージャーを見ることで、今の市場が安定しているのか、それとも大きく変動しやすい状況かが分かります。簡単に言うと、急激な値動きは起こりにくいか?相場が荒れやすく急騰・急落が発生しやすいか?がわかる指標です。また、パニック相場は終わったのか?ボラティリティ上昇のピークは終わったのか?も示してくれる指標です。SQ前後は特に影響が顕著に出ますので、注意して見ておきましょう。ガンマエクスポージャーの見方は簡単ですので、当ページ下部の解説を読んでから推移を見ていただくとわかりやすいです。

AIによるガンマ・エクスポージャー(GEX)の重要度評価
ガンマ・エクスポージャー(GEX)は、短期的な相場の動きを左右する要因として重要な指標である。オプション市場のマーケットメイカーによるヘッジ取引が、株価指数や主要銘柄の変動性を抑えたり増幅させたりする要因になる。特に満期前後や重要イベント時に影響が大きい。ガンマ・エクスポージャーがプラスの場合、マーケットメイカーは逆張りヘッジで市場が安定しやすく、マイナスなら順張りヘッジでボラティリティが高まりやすい。
一方、ガンマ・エクスポージャーは短期的な需給を示すものであり、企業のファンダメンタルズやマクロ経済には直接関係しない。短期トレードには有用だが、長期投資家にとっては優先度が低く、長期的な市場動向を予測するには不向き。
AIによる指標の重要度評価は”辛口評価”の設定になっています。見方の詳しい説明は「AIによる指標の重要度評価について」を参照。
チャート(ガンマエクスポージャー・長期)
- チャート画像クリックで拡大表示します。
- Chart [Gamma Exposure,S&P500,VIX,SKEW Index-Monthly]
- 月次チャートは、それぞれ月末値を反映。
- チャートはガンマエクスポージャー(GEX)の0ラインに黒色の点線を引いています。
VIX指数とスキュー指数の解説と推移はこちら
VIX指数とスキュー指数の解説と推移は、以下のページで掲載しています。
チャート(ガンマエクスポージャー)
- Chart [Gamma Exposure,S&P500,VIX,SKEW Index-Daily]
SQ日の日程はこちら
ガンマエクスポージャー(GEX)は、SQ(特別清算指数)の影響を大きく受けます。SQ日の日程(カレンダー)は、以下のページで掲載しています。ガンマエクスポージャー(GEX)のSQの影響と関係の解説は、当ページ下部の解説欄に記載していますので参照して下さい。
[速報] 最新データ|ガンマエクスポージャー(GEX)の時系列(historical data)
日付 | ガンマエクスポージャー(GEX) | 前日比 |
---|
ガンマエクスポージャーとは?ヘッジフロー指標
ガンマエクスポージャー(Gamma Exposure)とは、オプション市場の影響で株価がどのように動きやすくなるかを予測する指標です。特に、マーケットメイカー(市場の流動性を提供する証券会社などのプロのトレーダー)がどのように株を売買するかを理解するのに役立ちます。ガンマエクスポージャーは、マーケットメイカーのヘッジ取引が相場のボラティリティにどう影響するかを示す指標で、”オプション市場のヘッジフロー指標”とも呼ばれています。
ガンマエクスポージャーの計算式
ガンマエクスポージャー=∑(Γi×Open Interesti×ΔS2)
- Γi:各オプションのガンマ(ガンマ, Δ∂S/∂S)
- Open Interesti:各オプションの建玉数
- ΔS2:基準価格(スポット価格)の変動単位の2乗
ガンマエクスポージャーをわかりやすく簡単に解説!
ガンマエクスポージャーは、マーケットメイカーの「デルタ・ヘッジ」の影響を数値化したものです。この数値が大きくなったり小さくなったりすると、市場のボラティリティや株価の動きに影響を与えます。
オプションは、ある価格で株や指数を買う権利(コールオプション)または売る権利(プットオプション)を取引する金融商品です。オプション市場では、マーケットメイカーがオプションを売買しており、マーケットメイカーは大きな損失を避けるために「デルタ・ヘッジ」と呼ばれる調整売買をしています。この「デルタ・ヘッジ」が株価の動きを増幅したり抑えたりするため、ガンマエクスポージャーを見ることで相場の安定度を予測できます。オプションの「ガンマ」とは、オプションのデルタ(価格変動によるオプションの価値の変化率)の変化量を示します。ガンマが大きいと、マーケットメイカーの売買が市場の動きを加速させる可能性があるため、ガンマ・エクスポージャーは市場のボラティリティを予測する手がかりとなります。
なぜガンマエクスポージャーは重要なのか?
多くの投資家は、株価が上がるか下がるかだけを見ていますが、実は「どれくらい激しく動くか(ボラティリティ)」も重要です。ガンマエクスポージャーを見れば、以下のようなことがわかります。
- ガンマエクスポージャーが高い → 穏やかな相場が続きやすいので、長期投資家にとって安心材料。
- ガンマエクスポージャーが低い → 急騰・急落が起こる可能性が高いので、短期トレーダーにとってはチャンスやリスクになる。
ガンマエクスポージャーを見ることで、相場が暴れる前に準備ができ、リスク管理やトレードの質を向上させられます。
GEXとは?
GEX(ガンマエクスポージャー)とは、オプション市場におけるマーケットメイカーのガンマポジションを基に算出された指標で、マーケットメイカーのヘッジ売買の方向と規模を示唆します。このGEXは一般的に言われる上記の解説のガンマエクスポージャーと同じ概念の指標です。市場ではこれを「ガンマエクスポージャー」と呼ぶことが多く、ガンマエクスポージャーを見る上で最もよく見られている指標です。
ただし、少し異なる点もあります。一般的なガンマエクスポージャーは、オプション市場全体のガンマの合計を示す指標(単にガンマの総量を示す指標)ですが、GEXはマーケットメイカーのデルタヘッジの影響を考慮しており、単にガンマの総量を示すではなく、ボラティリティの変動要因にフォーカスしている点に違いがあります。GEXはマーケットメイカーのヘッジ売買による市場の安定度を示しており”相場の急変リスクを捉えやすい”という特徴があります。
GEXの計算式
GEX=∑(Γi×Open Interesti×100S2)
- Γi:各オプションのガンマ
- Open Interesti:各オプションの建玉数
- S2/100:株価変動のスケール調整
GEXをわかりやすく解説!
株価は、オプション市場の影響を大きく受けます。特にマーケットメイカーと呼ばれる機関投資家がオプションの注文を処理する際、ヘッジ取引を行います。このヘッジ取引が株価のボラティリティを安定させたり、不安定にしたりします。GEXは、このマーケットメイカーのヘッジ取引の影響を数値化したものです。GEXを見ることで、今の市場が安定しているのか、それとも大きく変動しやすいのかが分かります。当ページでは、このGEXの推移を掲載しています(以下、GEXをガンマエクスポージャーとして説明)。
ガンマエクスポージャー(GEX)の見方の解説
ガンマエクスポージャーは、マーケットメイカーのヘッジ売買の方向と規模を示唆しており、0を基準に見る指標です。
ガンマエクスポージャー(GEX)がプラス・数値が高い場合は?
ガンマエクスポージャーがプラスの場合、マーケットメイカーのヘッジ取引が株価の変動を抑える方向に働き、その数値が高いほど株価が安定しやすい(ボラティリティが低い)。
→相場が穏やかになりやすく、急激な値動きは起こりにくい
ガンマエクスポージャー(GEX)がマイナス・数値が低い場合は?
ガンマエクスポージャーがマイナスの場合、マーケットメイカーのヘッジ取引が株価の変動を増幅する方向に働き、その数値が低いほど株価が急変しやすい(ボラティリティが高い)。
→相場が荒れやすく、急騰・急落が発生しやすい
ガンマエクスポージャー(GEX)が0付近の場合
ガンマエクスポージャーが0付近の場合、どちらに動くか不安定な状態です。ボラティリティが急上昇する可能性があり、相場の方向感が読みにくい状態です。
ガンマエクスポージャー(GEX)の見方をわかりやすく解説!
ガンマエクスポージャーは「車のブレーキ」に例えるとわかりやすいです。
ガンマエクスポージャーが高い(プラス) → マーケットに「ブレーキ」がかかっている状態 → 相場が安定
ガンマエクスポージャーが低い(マイナス) → 「ブレーキが壊れた」状態 → 相場が暴走しやすい
たとえば、ガンマエクスポージャーがプラスのときは、マーケットメイカーのヘッジが株価の変動を抑えてくれるので、相場は落ち着いている。逆に、ガンマエクスポージャーがマイナスのときは、マーケットメイカーのヘッジがボラティリティを増幅させるため、相場が急騰・急落しやすい。
ガンマエクスポージャー(GEX)の上昇・低下の変化も見よう!
ガンマエクスポージャーは「プラス/マイナスの水準や数値」だけでなく、そこから上昇・低下する変化の流れを見ることも重要なポイントです。マーケットメイカーはオプション取引のポジションに応じて株を売買し、相場のボラティリティを抑えたり増幅させたりします。つまり、ガンマエクスポージャーの変化は「マーケットメイカーのヘッジ取引がどのように変化しているか」を示しています。
ガンマエクスポージャーがプラスで数値は高かったが低下に転じた場合
これまで市場は安定していた(ボラティリティが低かった)が、徐々にボラティリティが上昇する可能性があります。マーケットメイカーが安定化のためのヘッジを弱めている状態で、大きな急落はすぐには起こりにくいが、徐々に変動が激しくなる可能性があり、相場の安定感が薄れてくるので、これまでのトレンドが変化する可能性があります。
ガンマエクスポージャーがマイナスで低かったが、上昇に転じた場合
これまで市場は荒れていた(ボラティリティが高かった)が、徐々に安定し始める兆候です。マーケットメイカーがボラティリティを抑える方向にヘッジを増やしている状態で、株価の急変動が少しずつ落ち着いてくる可能性があります。「パニック相場」「極端なボラティリティ上昇」のピークを過ぎた可能性があり、株価が方向感を取り戻し、トレンドが生まれやすくなります。
ガンマエクスポージャーの変化のまとめ
これらガンマエクスポージャー(GEX)の上昇・低下の変化をまとめると、以下のようになります。
状態 | 意味 | 市場への影響 | 投資戦略 |
---|---|---|---|
ガンマエクスポージャーが低下に転じる | 相場が不安定になり始める | ボラティリティ上昇の可能性 | リスク管理を強化、短期トレード向き |
ガンマエクスポージャーが上昇に転じる | 相場が安定し始める | ボラティリティ低下の可能性 | 長期投資のチャンス、短期トレードは慎重に |
ガンマエクスポージャーのSQの影響
SQ(特別清算指数)の日が近づくと、ガンマエクスポージャー(GEX)は大きな影響を受けます。これは、オプションの建玉が大きく変化するためです。
SQ直前のガンマエクスポージャーの傾向
- ガンマエクスポージャー(GEX)が大きくプラスの時 → 相場は安定しやすいが、SQに向けて急落リスクが高まることもある
- ガンマエクスポージャー(GEX)が大きくマイナスの時 → すでにボラティリティが高く、SQでさらに変動が大きくなる可能性がある
SQ直前はオプションのロールオーバー(次の限月への乗り換え)や、大口のヘッジ取引が増えるため、ガンマエクスポージャー(GEX)が急激に変化することがあります。
SQ当日のガンマエクスポージャーの傾向
SQ値が市場価格と大きく乖離すると、ガンマエクスポージャー(GEX)が急変する可能性があります。これにより、ヘッジ取引が集中し、SQ後の相場が大きく動く要因となります。SQ通過後はガンマエクスポージャー(GEX)が減少し、ボラティリティが落ち着くことが多いです。ただし、SQ後にガンマエクスポージャー(GEX)が急激に低下すると、ボラティリティが高いまま続く可能性があります。
SQ後のガンマエクスポージャーの変化と相場の動き
- ガンマエクスポージャー(GEX)がSQ後に急低下した場合、ボラティリティが上昇しやすい(相場が荒れやすい)です。SQの影響で一時的に安定していた相場が、SQを過ぎると乱高下し始めることがあります。
- ガンマエクスポージャー(GEX)がSQ後に急上昇した場合、ボラティリティが低下し、相場が落ち着く(=トレンドが出やすい)です。SQ通過後にトレンド相場が始まることがあります。
ガンマエクスポージャーとSQの関係
ガンマエクスポージャー(GEX)とSQの関係をまとめると、以下のようになります。
SQ | 傾向 | 相場の影響 |
---|---|---|
SQ直前 | ガンマエクスポージャーが変動しやすい | ヘッジ取引が活発化し、ボラティリティが高まる |
SQ当日 | ガンマエクスポージャーが急変する可能性 | SQ価格次第で、急騰・急落のリスク |
SQ後 | ガンマエクスポージャー低下 → ボラティリティ上昇 | SQ後に相場が荒れやすい |
SQ後 | ガンマエクスポージャー上昇 → ボラティリティ低下 | SQ後に相場が落ち着きやすい |
これらの関係を意識すると、SQ前後の相場の動きをより予測しやすくなります。
- 当ページは、ガンマエクスポージャー(GEX)の解説と推移(チャートと時系列)を掲載したページです。
- Source:SqueezeMetrics,株式マーケットデータ
- Gamma Exposure is a hedge flow indicator(GEX) historical data&chart